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ふがいない僕は空を見た の商品レビュー

3.8

635件のお客様レビュー

  1. 5つ

    140

  2. 4つ

    235

  3. 3つ

    160

  4. 2つ

    35

  5. 1つ

    11

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2023/10/03

高校1年生の齋藤くんは年上の主婦と週に何回かコスプレしながら性行為をしている。やがて、齋藤くんは年上主婦に会いに行くのは快楽のためではないと気づく。第1話の「ミクマリ」は女による女のためのR-18文学賞受賞作。始まりの文章がやや過激な性描写で「あぁ、R-18文学賞っぽいなぁ」と思...

高校1年生の齋藤くんは年上の主婦と週に何回かコスプレしながら性行為をしている。やがて、齋藤くんは年上主婦に会いに行くのは快楽のためではないと気づく。第1話の「ミクマリ」は女による女のためのR-18文学賞受賞作。始まりの文章がやや過激な性描写で「あぁ、R-18文学賞っぽいなぁ」と思った。とはいえ「女による~」の受賞作は2・3冊しか読んでないので本当はよくわからない笑。 ただ「ミクマリ」だけを読んだだけではすっきりしなかっただろう。5話からなる短編連作。最後の「花粉・受粉」まで読み終えて やっぱり窪美澄の作品好きと思った。 助産師の母親を持ち時々出産のお手伝いをする齋藤くん。ある日の出産に立ち会い 生まれてきた男の子をみて「おまえ、やっかいなものをくっつけてきて生まれてきたね」と言う。 この本の登場人物みな 何かしらの「やっかいなもの」を抱えて生きている。それは性癖、性欲、性別でもあるし、親や家庭環境でもあるし。わたしたち誰もが持っていであろう「やっかいなもの」。こいつとどう付き合って生きていくのか。 みっちゃんの言った「ばかな恋愛したことない人なんて、いるんすかねー」って言葉が好きだ。齋藤くんとあんずの恋は不倫だしね。松永の恋も不毛だし。頭のよすぎる松永兄はフリーセックスの宗教信者になっちゃうし笑。でも、窪さんの作品の登場人物を嫌いになれない、というか 愛しく思えてくる不思議。それは「ばかな事」とわかっていても それを抑えられないほどの感情に出会えている主人公たちが ちょっと羨ましいからだと思う。親のネグレクトから認知症の祖母と二人暮しをしている友人の福田も齋藤くんのビラをばら撒くくらいしないと 憂さは晴らせなかっただろうね。本当にばかなことだけど。齋藤くんの優しさも 松永の真っ直ぐさも 福田の強さも 大好きだ。 松永が齋藤くんを好きになった理由にはキュンときた。背の低い松永が 手の届かない位置にある物を取ろうとしていたら 後ろからひょいと松永を抱えあげる齋藤くん。自分が取ってあげるんじゃなくて、松永抱えるって♡ しかし、意中の相手じゃなかったら ちとビビるか笑。 そんな優しい齋藤くんが 「花粉・受粉」で やっと声を出して泣けたことに泣けた。 ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 今、図書館の窓際でこれ書いてるだけど 窓の外でお昼寝してる仔猫がいてめちゃくちゃかわいいっ!人が近くを通ると警戒してビクッとしてる笑 目が離せない(♡´▽`♡)

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2023/10/02

5つの短編小説だけど全ての話がつながっているのが面白い!次は誰目線の話かな?と楽しみながらあっという間に読める。不器用だけど一生懸命生きている5人の主人公たち。どちらかというと、日陰で生きる彼らのなんともやるせない話なのだが、人生ってそういうものかもしれないなぁ。不思議と優しい気...

5つの短編小説だけど全ての話がつながっているのが面白い!次は誰目線の話かな?と楽しみながらあっという間に読める。不器用だけど一生懸命生きている5人の主人公たち。どちらかというと、日陰で生きる彼らのなんともやるせない話なのだが、人生ってそういうものかもしれないなぁ。不思議と優しい気持ちになれるお話です。

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2023/09/27

めちゃ面白かった ストーリー自体はあんまし明るい話ではないし、R18指定もあるしですが それぞれの話がそれぞれの色で面白かった 登場人物の人たちが次の話では主人公になり、切ないストーリーを連なっていく 特に気に入ったのはセイタカアワダチソウでした 堪らないほど切なかったです 気に...

めちゃ面白かった ストーリー自体はあんまし明るい話ではないし、R18指定もあるしですが それぞれの話がそれぞれの色で面白かった 登場人物の人たちが次の話では主人公になり、切ないストーリーを連なっていく 特に気に入ったのはセイタカアワダチソウでした 堪らないほど切なかったです 気に入ったのは「あくつさん」主人公にはなっていないんですが、名バイプレイヤーとして存在感出しまくりですごく良かったです

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2023/09/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読みやすかった! こんな世代って今もいるのかな 私も田岡さんに勉強教えてもらいたかったな… ふと思ったのは、こうはなりたくないとかって私が勝手に思ってレッテル貼りしてるだけで、正解も不正解もその人が決めることだし、それは本当に自分にも言えることだと思った でも、みんな他人の噂が好きだったりするのはなんでなんだろう

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2023/09/24

どこか失ったり苦悩した人たちの様を、見せつける連作長編。 中盤くらいまでは楽しめたけど、最後の方は食傷ぎみに感じてしまった。そんなの、あるのか?って。

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2024/02/07

いいところも悪いところもある、矛盾して相反するように感じる性質も人の中に共存しうるのが事実 一部を見て決めつけるのももったいないのかな 厄介なものを持って、それを捨てられなくて持ち続けていても肯定も否定もせず一瞬一瞬の気持ちをただの現象として受け止めたい めんどくさいけどしょう...

いいところも悪いところもある、矛盾して相反するように感じる性質も人の中に共存しうるのが事実 一部を見て決めつけるのももったいないのかな 厄介なものを持って、それを捨てられなくて持ち続けていても肯定も否定もせず一瞬一瞬の気持ちをただの現象として受け止めたい めんどくさいけどしょうがない!

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2023/08/29

 重松清の解説がとってもおもしろくて、わたしたち読者が言語化できてない細やかな心の揺れをすべて表してくれてる。読み返すときは、まずは解説から。

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2023/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

窪作品で一番登録数が多い本。でも、R-18指定?コミケで知り合った12歳年上の主婦(里美)との不倫に溺れる男子高校生・卓巳。その性行為の内容がネットに拡散される。夫の母親から不妊治療を強要されている里美はアメリカにまで連れていかれて体外受精を受けさせられる。団地で祖母とふたりで極貧生活に耐える少年(良太・卓巳の友人)。この福田の状況に救いの手を差し伸べたのはバイト先の先輩・田岡だった。ここら辺までは面白くなく読んでいたが、読むのや~めた。暗いし、興味がわかないし、性描写が露骨で意味不明。久しぶり無理~①

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2023/08/12

各章ごとに主人公がいて、彼らがそれぞれつながりを持っている。そして、それぞれが抱える問題がある(解説の重松氏は、それは作品中で「やっかいなもの」と表現されていると説明してくれた)。問題を抱えながらも新しく歩み出そうとしている人たちを描いた作品だ。 前半の過激な性描写が、ちょっとき...

各章ごとに主人公がいて、彼らがそれぞれつながりを持っている。そして、それぞれが抱える問題がある(解説の重松氏は、それは作品中で「やっかいなもの」と表現されていると説明してくれた)。問題を抱えながらも新しく歩み出そうとしている人たちを描いた作品だ。 前半の過激な性描写が、ちょっときつく、何度か読むのを断念したくなったが、最後まで読めてよかったと思えた。

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2023/08/06

手に取っては戻すを繰り返していたのは直接的な性表現が苦手だから。登場人物、それぞれの話は悪い方に進みがちだけど絶望ではない。戸惑いながらも前向きに話は終わったと感じました。生と性、許すこと、受け入れること、わかっていた気になっていた自分が見えて、そこは心苦しかったです。大きく心を...

手に取っては戻すを繰り返していたのは直接的な性表現が苦手だから。登場人物、それぞれの話は悪い方に進みがちだけど絶望ではない。戸惑いながらも前向きに話は終わったと感じました。生と性、許すこと、受け入れること、わかっていた気になっていた自分が見えて、そこは心苦しかったです。大きく心を動かされた作品でした。

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