ファイアーウォール(下) の商品レビュー
全体的に散漫な印象があり。それぞれの殺人の理由が主に口封じのためで、どうしてもという必要性(憎しみや怒りの感情)が薄かったからかもしれない。ITを駆使した犯罪について、ヴァランダーが感じる疎外感や焦り。何を感じ、どう生きていくかの自問を見届ける巻だった。
Posted by
ミステリーそのものはあっけなかった感あり。 今回は特にヴァランダーをとりまく人間関係に落とし穴ありで、大変そうだなあと同情を禁じ得なかった。娘との関係が初期に比べて近しくなっているのが救いか?
Posted by
ヴァランダーは本作で50歳くらいになったのだったか? その歳になって、署長や部下のあの仕打ちは確かにこたえることだと思う。 本シリーズも残すところあと2作とのこと。 寂しくもあるが早く読みたい。実際、スウェーデンでの出版より、日本は10数年遅れているそうなので。 娘のリンダが警...
ヴァランダーは本作で50歳くらいになったのだったか? その歳になって、署長や部下のあの仕打ちは確かにこたえることだと思う。 本シリーズも残すところあと2作とのこと。 寂しくもあるが早く読みたい。実際、スウェーデンでの出版より、日本は10数年遅れているそうなので。 娘のリンダが警官になるという。新たなシリーズも楽しみ。
Posted by
なかなかおもしろかったが、前作といい、だんだん仲間がいなくなるのがさみしい。ヴァランダーシリーズはこれでしばらくないようなので残念。
Posted by
クルト・ヴァランダーのシリーズ第8弾、後半。 タクシー運転手から金を奪った少女が脱走した事件。 別件に関連があるとわかり、しかもヴァランダーは苦手なコンピュータが重要な糸口を握っている。 ヴァランダーは、ハッカーとして釈放されたばかりの少年ローベルト・モディーンを頼ることに。 ...
クルト・ヴァランダーのシリーズ第8弾、後半。 タクシー運転手から金を奪った少女が脱走した事件。 別件に関連があるとわかり、しかもヴァランダーは苦手なコンピュータが重要な糸口を握っている。 ヴァランダーは、ハッカーとして釈放されたばかりの少年ローベルト・モディーンを頼ることに。 一方、孤独な生活が長くなったヴァランダーは、広告を出して交際相手を求め、魅力的な中年女性エルヴィアに巡り合う。 (ほかのスウェーデン・ミステリにもこういう交際は登場していましたね) スウェーデンは犯罪増加に警察が対応しきれない状態である様子。 イースタは小さな町なので人員も少なく、のめりこみ型のヴァランダーは一人で暴走することにもなりがち。 部下の女性で信頼しているアン=ブリット・フーグルンドから思わぬ話を聞かされて、ショックを受けることに。 署内での問題に内憂外患といった趣だけど、娘のリンダが将来を決めたと報告してくる喜びも。 リンダ中心の作品も出るのかな?
Posted by
タクシー運転手殺害の容疑者の少女が警察署から脱走し、変電所で死体となって発見される。病死と思われたITコンサルタントの死体が安置所から盗まれ、代わりに少女の事件と関連のあるものが置かれていた。 ハッカー少年の手を借りながら、捜査を進めるヴァランダーたちだったが、目の前には大きな陥...
タクシー運転手殺害の容疑者の少女が警察署から脱走し、変電所で死体となって発見される。病死と思われたITコンサルタントの死体が安置所から盗まれ、代わりに少女の事件と関連のあるものが置かれていた。 ハッカー少年の手を借りながら、捜査を進めるヴァランダーたちだったが、目の前には大きな陥穽があった。 14年前に書かれた作品ですが、今の時代に読んでも古さを感じさせません。シリーズはあと2作。うち一冊は確か短編集のはず。楽しみに待ちたいと思います。
Posted by
数年前に逮捕した被疑者の葬儀に出席するシーンから始まる。そんな事件あったかしらと記憶を呼び起こし愕然とする。このシリーズにハマるきっかけとなった傑作なのに、犯人の名前すら忘れかけているとは。他にも過去事件の断片がちらちらと顔を出し、いよいよフィナーレが近いことをイヤでも認識させら...
数年前に逮捕した被疑者の葬儀に出席するシーンから始まる。そんな事件あったかしらと記憶を呼び起こし愕然とする。このシリーズにハマるきっかけとなった傑作なのに、犯人の名前すら忘れかけているとは。他にも過去事件の断片がちらちらと顔を出し、いよいよフィナーレが近いことをイヤでも認識させられる。 今回の事件はコンピュータ犯罪。前作で犯罪の多様化にスポットを当ててみせたが、ますます複雑で、しかも高等なスキルを要する犯罪の本質に作者は警鐘を鳴らしている。だが読み終えてみると、メインは事件ではなくヴァランダーなのだという印象が強い。 組織内で孤立し、友は去り、新しいタイプの犯罪に焦燥する彼の姿は、いつにも増して疲れているように見える。過去にとらわれるあまり、現在で足踏みしてしまっている諸々の状況が、悲しくもあり可笑しくもあり。フィナーレを迎えるのは必然なのかな。でもこれだけのキャラクターなのに、異常な肩入れをせずに、シリーズ内でちゃんと成熟させている作者のスタンスには毎回感心させられる。 事件の解決と主人公の苦悩──作中でふたつのストーリーが同時進行しているように見えたが、結局はひとつの物語として終結するから不思議。キレイにまとまってないところが逆に現実っぽくて私は好きです。壁を撃ち破ったヴァランダーの決意が気になるところだが、あとがきを読むに、第九弾は数年先かな。
Posted by
全キャラがたちすぎてて魅力たっぷり。人間関係も読ませます。全ての謎が解決しないのもリアルでいい。 1998年の作品なので、自分はその時19歳。あの頃日本でITはまだまだ未発達だったように思うんやけど(確か携帯持ち始めた頃)、海外は進んでいたということでしょうか。14年後の今読んで...
全キャラがたちすぎてて魅力たっぷり。人間関係も読ませます。全ての謎が解決しないのもリアルでいい。 1998年の作品なので、自分はその時19歳。あの頃日本でITはまだまだ未発達だったように思うんやけど(確か携帯持ち始めた頃)、海外は進んでいたということでしょうか。14年後の今読んでも全く違和感がないのがマンケルの先見の妙といったところなんかな。 終盤に気付くタイトルのダブルミーニング。こういうのも巧いなと思う部分。 #tsg13doors
Posted by
- 1
- 2