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ファイアーウォール(下) の商品レビュー

3.9

19件のお客様レビュー

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2024/10/07

ファイアーウォールとは“防火壁” 今でこそ当たり前に誰もが知っていること。 この小説は1998年に書かれた。 日本ではバブル崩壊ののちに潰れるはずがないはずの大手証券会社や銀行が倒産し、長い経済停滞期に入った。いわゆる“失われた20年”の始まりだ。 この間にITは急速に発展して...

ファイアーウォールとは“防火壁” 今でこそ当たり前に誰もが知っていること。 この小説は1998年に書かれた。 日本ではバブル崩壊ののちに潰れるはずがないはずの大手証券会社や銀行が倒産し、長い経済停滞期に入った。いわゆる“失われた20年”の始まりだ。 この間にITは急速に発展して、生活のありとあらゆるところに絡み込んでいる。 反面、依然としてこの小説に描かれているリスクは取り除かれてはいない。 ヘニング・マンケルは、今回も刑事ヴァランダーを通じて、世界の向かう先への懸念を描く。 ただ、これまでの物語に比べると、登場する人々の魅力が薄くなっていて、ちょっと残念。 どう残念かは、ネタバレのため、書きません。 エピローグに描かれていた娘リンダとのやりとりが、次作へのモチベーションを保っている。

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2021/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

よい展開だったのに、ヴァランダーの常識外れの行動で醒めてしまった。捜査の重要人物を、知り合ったばかりの人に託すか? さらに年をとっていくとどうなっていくんだろう。

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2021/05/02

ヴァランダーシリーズ 8作め。 この作品が、ヴァランダーシリーズ最後のつもりであったとの事。わかるなぁ!だって世の中が、ITの世界に凌駕され、右往左往する姿!そして世代交代は、紛れもない訳で、彼が、どんなに奮闘しても、一人では、抱えきれない事件が発生するのだから。 勿論、ヴァラン...

ヴァランダーシリーズ 8作め。 この作品が、ヴァランダーシリーズ最後のつもりであったとの事。わかるなぁ!だって世の中が、ITの世界に凌駕され、右往左往する姿!そして世代交代は、紛れもない訳で、彼が、どんなに奮闘しても、一人では、抱えきれない事件が発生するのだから。 勿論、ヴァランダーの、犯罪捜査の力量は、これからも絶対に必要だし、生きざまには、魅力ある訳で、素晴らしい作品は、もっと沢山世に出てほしい。

Posted byブクログ

2021/04/06

高福祉国歌のスウェーデンが決して平等ではないと思い知らされた話。事件は解決しても、全ての謎や動機が明らかになった訳ではないというのが現実的。マーティンソンが怖い。獅子身中の虫。お父さんが亡くなって、ヴァランダーは変わったみたい。

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2015/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ファイヤーウォールがあるのはコンピューターの世界だけではなさそうだ。自分の中にもある。自分でもどうやって突き抜けたらいいかわからない防火壁が。」 物語も後半、ほとんど過ぎていくのに解決策の見えないまま時間だけが過ぎてゆくばかり。大変恐ろしいIT世界。これはフィクションの中だけではないように思われました。世界は今、これからどうなってゆくのか。

Posted byブクログ

2014/12/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長かったけれど面白かったです。 ただ、計画されていた犯罪がどんなものだったのか、 もっともっと具体的に知りたかったなぁ。 このシリーズ、初めて読んだのがこの本なので、 改めて最初の作品から読んでみます。

Posted byブクログ

2014/02/23

ヴァランダー警部もこれまで頑固なまでにITとは無縁な仕事のしかたをしてきたけれど、今回の捜査ではいろいろと考えさせられることばかり。しかも信頼していた仲間のうらぎり行為もありピンチ!!そんな多忙な中、さびしき独り身の中年男ヴァランダーは彼女欲しさにマメな行動に出たもののとんだこと...

ヴァランダー警部もこれまで頑固なまでにITとは無縁な仕事のしかたをしてきたけれど、今回の捜査ではいろいろと考えさせられることばかり。しかも信頼していた仲間のうらぎり行為もありピンチ!!そんな多忙な中、さびしき独り身の中年男ヴァランダーは彼女欲しさにマメな行動に出たもののとんだことに!?相変わらずカワイイ警部なのです。あと2作でこのヴァランダー・シリーズも終わり。なごりおしいな〜。

Posted byブクログ

2014/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スウェーデンを舞台にした警察官が主人公のミステリー。 ミレニアムや湿地と同じく北欧的な霧や暗さ、ジメジメっとした雰囲気がストーリーとリンクしていて物語に引き込まれて行く。 主人公は50歳?位の犯罪捜査官の責任者。 離婚を経験し娘はいるが大学進学を機に離れて暮らしているため、生活には孤独感が漂っている。 今回の犯罪はPCのネットワークを標的にしたものと、それと管轄で起きる殺人事件が複雑に絡み合う。 50代の主人公にはPC分野は全くわからない、そこで部下や外部のハッカーと連携して捜査を進めるわけだが…。 プライベートでは孤独感に悩み、仕事では犯罪が複雑になり今までの考えではついていけなくなってくる、そんな閉塞感が感じられる。 さらにそこに信頼しているもの裏切りにも合い読んでいてちょっと辛い。 ただ、ミステリー部分はしっかり伏線を回収しながら見事に解決してくれるので、そこは読み応えがあった。 あと、主人公が抱える閉塞感・暗さが失業問題や北欧が抱える若者の閉塞感とリンクしていて感じがしより読書に深さを感じた。

Posted byブクログ

2013/10/12

上巻では、ゆったりとした展開が 下巻では一気にスピードアップ 「警察は妬みと陰口と裏工作の巣窟だ」 複雑に絡み合った糸。 事件は解決し、綺麗な一本の糸になるのか。 パズルのピースが全てピタリと当てはまらない場合もある?

Posted byブクログ

2013/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(上巻より続く) 作品自体もだらだら長いわりには消化不良。 妙に細かく書いていることが全く筋立てには関係ないし、 それでいて、謎解きが不十分。 例えば、 SE以外の犯人側の下っ端が犯罪に加担していく詳細が全くないので、 スコーネが世界的犯罪の舞台になっている現実味がない。 極東の島国で定期的に核の怪獣が暴れるよりも非現実的だ。 ヴァランダー警部への告訴をあんなにからめていたのに、 告訴を免れた経緯も省かれてしまってるし。 唯一救われたのは、娘のリンダが警官を目指す決意をしたことだけだ。

Posted byブクログ