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フェッセンデンの宇宙 の商品レビュー

4.1

15件のお客様レビュー

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2022/11/11

よくみるかんじのはなしの元、もしやここか~?! 入れ子構造カモネ…ってぞっとさせてくるやつだーいすき

Posted byブクログ

2021/08/13

山本弘の「BISビブリオバトル部」シリーズでSF大好き不思議少女が猛プッシュしていたハミルトンの短編集「フェッセンデンの宇宙」。彼女のプレゼンのあまりの熱さに、全然SF好きでもないのに、どうしても読みたくなってしまった。新品ではもう手に入らないみたいで、何十軒も古本屋をはしごして...

山本弘の「BISビブリオバトル部」シリーズでSF大好き不思議少女が猛プッシュしていたハミルトンの短編集「フェッセンデンの宇宙」。彼女のプレゼンのあまりの熱さに、全然SF好きでもないのに、どうしても読みたくなってしまった。新品ではもう手に入らないみたいで、何十軒も古本屋をはしごして、ようやく見つけた。  面白い! キャプテン・フーチャーの作者として有名とか言われても、なんのこっちゃだけれど、これはすごく面白い。全短編ハズレなし!  「フェッセンデンの宇宙」は、自宅の部屋の机上に小さな宇宙をつくりだすことに成功した天才物理学者の狂気の話。  小さいとはいえ、それは紛れもない宇宙空間で、私たちが住む銀河系同様、無数の星々と、無数の生物がそこには存在している。フェッセンデンは、これは私が創り出した宇宙だからと、様々な実験をする。  ある星には、巨大な星を落下させて、そこに住む生物がこの天変地異を乗り越えられるか、という実験をする。結果は失敗。フェッセンデンにとっては、あ~あ、絶滅しちゃった、くらいの感想。良心の痛みなど感じない。たぶん子供が蟻を踏み潰すくらいのこと。  他の星には、同じような知的生命体がいる星を近づけて、仲良くするのか、それとも戦争をするのか、という実験をしている。結果は戦争になって、片方の知的生命体が、もう片方を滅ぼしてしまう。  その様子をフェッセンデンとともにスコープで観察していた元同僚の男は、あまりの残酷な結果を目の当たりにして、フェッセンデンに実験をやめるように忠告する。しかしフェッセンデンはやめようとしない。これは自分がつくりだしたものだから、どうしようと自分の勝手だ、という理由で。そして二人は口論から取っ組み合いに…    こんなストーリーから思い出したのが、藤子・F・不二雄のSF短編漫画「創世日記」  懐かしんで読み返してみたら、やっぱり設定は似てる。こちらはおもちゃの円盤のなかにフェッセンデンが創り出したような小宇宙が存在していて、たまごっちみたいに、日夜気にかけて円盤を撫でていると、宇宙がどんどん成長して、いま私たちが住んでいる銀河系のようなものが生まれる、というもの。藤子先生、SF好きだったからきっと読んでたよね、フェッセンデン。 (結末が違うからあくまで着想を得たというレベル、パクリではない)  この他の短編もものすごく面白いんだけど、紹介して読みたくなる方が増えても、ほら、もう手に入れるの難しいから、ここで止めます。

Posted byブクログ

2021/05/14

ハミルトンの短編集 「BISビブリオバトル部」で紹介されて興味を持ったので読んでみた 表題作の人工宇宙で実験する話の他、火星の開拓から帰ってきた人の話、風がまるで意思を持っているかのようなファンタジー、棺の中で目が覚めた人、彗星が接近するときに地球外生命体との遭遇、翼が生えた男...

ハミルトンの短編集 「BISビブリオバトル部」で紹介されて興味を持ったので読んでみた 表題作の人工宇宙で実験する話の他、火星の開拓から帰ってきた人の話、風がまるで意思を持っているかのようなファンタジー、棺の中で目が覚めた人、彗星が接近するときに地球外生命体との遭遇、翼が生えた男の一生、自分達が少なくとも2番目以降の生命体である事を知った人、お互いの夢がそれぞれの現実な二人、過去から未来まで様々な偉人が邂逅する場所の話など SF的には「ねーよ」と科学的なツッコミを入れたくなる部分はあるものの、書かれたのが60~70年前という事なので、さもありなん むしろそれを考慮すると、原子力の利用とか宇宙における生命の痕跡とかに言及しているのは先見の明があるように思える 総じて、「科学技術は人々に幸せをもたらすのか?」というのがテーマになってる作品が多い 二人の夢が表裏一体になっている話は、邯鄲の夢とか胡蝶の夢とかに代表されるようにずっと昔からある命題で 自分が今認識しているのは果たして現実か夢かは本質的に区別できないよな この辺を突き詰めると哲学的な話になるんだろうなぁ 他の作品にしても、やはりSFは思考実験として面白い この宇宙が何かのシミュレーションでは?もし地球外生命体が存在するとしたら?人類が終わるときとは?を考える切っ掛けとしてはいい題材だと思う

Posted byブクログ

2019/06/16

少しでもSF文学に興味がある人には確実に読んでほしい短編集。今ではお約束になりつつある設定やら「マトリックス」の骨子は70年以上前から存在していたのか…と驚いてしまった。 SF的な革新的アイディアを散りばめつつ、星新一的なショートショートのスタイルにきっちり落とし込んでいるのも...

少しでもSF文学に興味がある人には確実に読んでほしい短編集。今ではお約束になりつつある設定やら「マトリックス」の骨子は70年以上前から存在していたのか…と驚いてしまった。 SF的な革新的アイディアを散りばめつつ、星新一的なショートショートのスタイルにきっちり落とし込んでいるのも流石。一話一話を読み終えた時の読後感が印象的に残り、考えさせられる。 表題の「フェッセンデンの宇宙」「向こうはどんなところだい?」「帰ってきた男」「追放者」「翼を持つ男」「夢見る者の世界」が特に気に入った。「追放者」は藤子F不二雄がイラストをつけたらめちゃくちゃハマりそうな世界観だ。 読んでいて一番心に響いたのが「向こうはどんなところだい?」内の一節。「しかし、自分にとっても何かが終わったような気がした。若いということが終わったような気がした。年寄りになった気はしなかった。しかし、若い気もしなかった。この先若い気がするとも思えなかった。二度と若い気はしないだろう」。エドモンド・ハミルトンは天才だと思う。

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2016/12/11

No.916 1. 目的  ビブリオバトルを読んでふしぎちゃんが推薦した本。 2. 得たこと  短編ながら、ワクワクさせる小宇宙に引き込まれた。 3. アイデア  ハミルトンの他の本を読む

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2015/05/16

研究室に宇宙を作った科学者フェッセンデンを描いた表題作をはじめ、人間の存在意義や叡智、歴史と、そして終わりというSF本来の面白さを詰め込んだクラシカルな短篇集。 以前読んだ『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』に登場したSF短篇集です。名作として語り継がれ、執筆されてから50...

研究室に宇宙を作った科学者フェッセンデンを描いた表題作をはじめ、人間の存在意義や叡智、歴史と、そして終わりというSF本来の面白さを詰め込んだクラシカルな短篇集。 以前読んだ『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』に登場したSF短篇集です。名作として語り継がれ、執筆されてから50年以上経っているのに少しも色褪せない豊かな世界観。それぞれの短編で上質な読後感を味わえます。

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2014/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「風の子供」「向こうはどんなところだい?」「翼を持つ男」「夢見る者の世界」はスペース・オペラなイメージとは一線を画すロマン派SFの名作。「向こうは…」のダークな味わいは、表題作よりも渋い。

Posted byブクログ

2014/05/29

短編集のタイトルにもなっている「フェッセンデンの宇宙」 考えてみると怖い話。 自分の生きる世界が誰かが作った実験場で今も監視されているのではないか? そして笑ながら殺戮を楽しむのではないか。 やだなー

Posted byブクログ

2014/01/24

祝、新訳、文庫化(ちょっと遅いけど)。「キャプテン・フューチャー」のハミルトンはスペースオペラだけじゃなく、こうした短編もとても鋭い。表題作は小学生のころに初めて読み、あまりの恐怖に本当に寝れなかった記憶あり。岩崎書店の少年SFシリーズで、タイトルも「人工宇宙の恐怖」だったけれど...

祝、新訳、文庫化(ちょっと遅いけど)。「キャプテン・フューチャー」のハミルトンはスペースオペラだけじゃなく、こうした短編もとても鋭い。表題作は小学生のころに初めて読み、あまりの恐怖に本当に寝れなかった記憶あり。岩崎書店の少年SFシリーズで、タイトルも「人工宇宙の恐怖」だったけれど。 ちなみに、NHK版アニメのキャプテン・フューチャーの声は広川太一郎(合掌)。読売テレビ「スターウルフ」でキャプテン・ジョウを演じたのは宍戸錠。

Posted byブクログ

2013/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作では人が触れてはいけない領域を描き、「向こうはどんなところだい?」ではすばらしい科学の裏にある現実を見せる。とても豊かな発想で描かれた小宇宙が、一人の男の手で簡単に壊れていく様は圧巻。「帰ってきた男」「翼を持つ男」は両方とも安らぎを得る話なんだが、安らぎとは何か、これを安らぎと言っていいのか不安にさせる。

Posted byブクログ