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宿神(第1巻) の商品レビュー

3.7

20件のお客様レビュー

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2013/03/16

新聞連載の時もちょこちょこ読んではいたのだが、やはり単行本でいっきに読むとおもしろさが倍増する感じである。 後の西行法師である佐藤義清が主人公。 歌、蹴鞠、競馬、弓と何をやらせても人より優れた才能をみせる義清だが、常人には見えない異形のものが見えてしまうという能力を持っていると...

新聞連載の時もちょこちょこ読んではいたのだが、やはり単行本でいっきに読むとおもしろさが倍増する感じである。 後の西行法師である佐藤義清が主人公。 歌、蹴鞠、競馬、弓と何をやらせても人より優れた才能をみせる義清だが、常人には見えない異形のものが見えてしまうという能力を持っているというところがこの作者らしい設定。 才あるものはその身内に鬼をかかえているという業のようなものが人を苦しめ、なおかつ救いを与えるのだろうか。

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2013/02/14

第一巻、皇を交え好漢二人が織り成す物語は、作者の得意とする所、今回も見事に嵌ってしまいました。 本を読んで、ワクワクさせられるのは、幸せですね。 闊歩する登場人物の今後の展開に期待してます。

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2013/02/09

西行の若き頃を清盛との絡みで描く。 西行が歌詠みとして優れていることはよく知られているが、比べ馬にせよ蹴鞠にせよ弓にせよ、何でもこなす異能の持ち主として、描かれている。 第二巻に期待。

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2013/01/27

朝日新聞掲載の連載小説を単行本化。主人公が西行で登場人物が今放送中のNHK大河ドラマと被っているのは個人的になかなかタイムリー。次は同時発売の第二巻を読む。

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2013/01/15

オープニングの場面が、「源氏物語ー翁ー」の一場面と同じでびっくり。どっかで読んだ気がしてたんだ。 夢枕獏作品の登場人物に通じるものとして、体の底から湧き上がってくる抑え切れないモノ、ってのがあります。 この感情に狂いきってしまえば楽なのに、狂いきれない。なぜ、自分は狂いきれない...

オープニングの場面が、「源氏物語ー翁ー」の一場面と同じでびっくり。どっかで読んだ気がしてたんだ。 夢枕獏作品の登場人物に通じるものとして、体の底から湧き上がってくる抑え切れないモノ、ってのがあります。 この感情に狂いきってしまえば楽なのに、狂いきれない。なぜ、自分は狂いきれないのか。覚悟がないのか、一つのことに狂いきる覚悟がないのか。 主人公の佐藤義清より、遠藤盛遠が先にその境地にたどり着きました。 ふっきるのも、早かったですね。 狂う程の何かを得ることのできた人間の話。 得た先で、どう行動していくかの話。

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2013/01/07

西行さんの物語です。出だしは以前読んだ源氏物語かと思ってしまいました。それはさておき、西行さんが出家するまでの名前は知らなかったので、最初は平清盛の物語かと思ってました。その割にはなんだか脇役だなあ・・・と。 第1巻は出家する前の物語です。出だしと「西行」という組み合わせを考える...

西行さんの物語です。出だしは以前読んだ源氏物語かと思ってしまいました。それはさておき、西行さんが出家するまでの名前は知らなかったので、最初は平清盛の物語かと思ってました。その割にはなんだか脇役だなあ・・・と。 第1巻は出家する前の物語です。出だしと「西行」という組み合わせを考えると、いつもの物の怪的な要素が多くなるかと思っていましたが、むしろ人物描写に力を入れている感じです。この先が楽しみです。

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2012/12/10

2006年から朝日新聞朝刊に連載されたものの単行本化で、全4巻のうち第1巻。 後の西行法師、18歳の北面の武士佐藤義清が主人公で、和歌にも、蹴鞠にも優れ、馬も弓も能くする色白の美男であるため、友人の平清盛や主君の徳大寺実能ばかりでなく、鳥羽上皇にも気に入られる。 しかし、徳大...

2006年から朝日新聞朝刊に連載されたものの単行本化で、全4巻のうち第1巻。 後の西行法師、18歳の北面の武士佐藤義清が主人公で、和歌にも、蹴鞠にも優れ、馬も弓も能くする色白の美男であるため、友人の平清盛や主君の徳大寺実能ばかりでなく、鳥羽上皇にも気に入られる。 しかし、徳大寺実能の妹で、鳥羽上皇の中宮である待賢門院璋子に懸想し、密かに逢った際に二人とも異形のものが見えることがわかって、契る。

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2012/10/29

清盛と西行の物語~佐藤義清(のりきよ)は徳大寺実能の家人で保延元年(1135)に兵衛尉に任じられ北面となったが,亡き白河法皇が造った私設兵とも言える北面の武士の首領が平清盛で何故か,馬が合う。東市に行き呪師の芸に感心し,同じ北面武士であっても対立する源渡・遠藤盛遠と喧嘩になりそう...

清盛と西行の物語~佐藤義清(のりきよ)は徳大寺実能の家人で保延元年(1135)に兵衛尉に任じられ北面となったが,亡き白河法皇が造った私設兵とも言える北面の武士の首領が平清盛で何故か,馬が合う。東市に行き呪師の芸に感心し,同じ北面武士であっても対立する源渡・遠藤盛遠と喧嘩になりそうな時,検非違使の手先を務める放免が呪師・申と妹の鰍を救い,放免の衝撃も斥け,攫われた鰍も救出した。上皇の住まいで箏の調べを聞いた義清は,弾き手である女性が主の妹,白河法皇の猶子で愛人であり,鳥羽上皇の中宮で,崇徳天皇の母である待賢門院璋子女院であると判っても恋心を抑えられない。遠藤盛遠は源渡の妻・袈裟に横恋慕し,おばを脅迫して関係を持ったが,袈裟は夫を亡き者にしろと唆す。濡れた髪が目印と忍び込んだ先で落として抱えた首は愛しい袈裟であったことに驚愕し逐電した。妻を殺された源渡は,義清と競馬で敗れ源為義から贈られた馬を神事であるにも拘わらず,その場で殺して謹慎を命じられる。詩作で認められ,競馬で勝った義清と共に上を目指そうとする清盛は蹴鞠の技量が飛び抜けているのを申から教えられ,上皇・天皇・女院の前で披露している内に,子どもの頃に味わった何者かが現れる気配を感じた。璋子も箏を奏でると何者かが現れるのを感じる者であり,女官の堀河に呼ばれて,意気投合した二人は契りを交わす。剛勇で名の高い左兵衛尉家貞の強弓を天に向けて矢を放ち,主の後方に立てた竹筒に射込んで弓の腕も認められ,上皇の熊野詣での警護の為に同行する。清盛と義清の二人を見て四つ這いで逃げ出した獣のような男は,盛遠で,死のうとも死にきれず,熊野に出掛けて滝に撲たれる内に気絶して救われた時には僧の墨染めの衣を纏わされていた~表紙の絵の白い水干が清盛で,青が義清こと後の西行。義清は白檀の香りまで衣服に籠めていた。この小説は朝日新聞朝刊に2006年12月22日から連載されていて,この本では2007年7月5日まで。そういえば,題字だけは見ていた。話を自分なりに整理すると物語が見えてくるのだが,連載中は見えないだろうなぁ。難解だ。単行本化で加筆修正したらしいが,話の進め方の順番を入れ替えたりはしないだろう。すっきり爽やかとは行かない

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2012/10/18

1巻のみで、未だ序章かもしれないが、これは良い予感がし、先行きが楽しみである。若き日の西行を主人公に据え、共に出世をしようとする平清盛との絡みを主軸とししながら、横軸として、人には見ることができないものを見ることができる、やんごとなき方との情事を絡めながら、わきに据えた人物たちを...

1巻のみで、未だ序章かもしれないが、これは良い予感がし、先行きが楽しみである。若き日の西行を主人公に据え、共に出世をしようとする平清盛との絡みを主軸とししながら、横軸として、人には見ることができないものを見ることができる、やんごとなき方との情事を絡めながら、わきに据えた人物たちをも、実にねっとりと描いている。正体の知れない大道芸人の正体も気になるし、業深き行者となる武者の先行きも気になる。平安時代らしい鬼という存在も、単なる挿話だけではなさそうで、見えないものと、タイトルたる宿神との関係もおいおい語られるのであろう。先が楽しみな作品であるが、唯一の不安は、とりあえず2巻まで一気に発刊されたようではあるが、それで終わるのか、また、終わらないとするならば、最後まで語っていただいて、話を終えていただけるか否かである。よろしくお願いいたします。

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2012/10/14

中宮・待賢門院璋子に恋焦がれる佐藤義清(後の西行)、その友にしてこの世の支配者を目指す平清盛、過ちとはいえ惚れた女の首を斬り落としてしまった遠藤盛遠…人の根源に古代神“宿神”は…待望の第一巻。面白く無いはずがない。しかし、どうエンディングに持っていくのだろう?楽しみ。

Posted byブクログ