奇貨 の商品レビュー
題名の『奇貨』って珍しい品物や人材のこと。女性しか愛せない七島と恋愛とは程遠くなった貧乏小説家との奇妙な共同生活がベースのお話。何となくもっとドラマティックな展開を予想してたけど、ホンワカしてる。誤解や恨みを感じても、やっぱり心地よい二人の関係っていうのは題名通りなのかな?
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中編『奇貨」と短編『変態月」 どちらもレズビアンの複雑な心理を、一つは小説家の年上の男の視点から、一つは揺れ動く高校生の友情とも恋愛とも未分かな視点から描いて、感情移入は出来ないながらも面白かった。
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表題作はよく理解できない男と女の関係を述べている.小説を書いている本田は七島と一緒に住んでいるが、通常の男女の関係ではない.七島はレズビアンで本田は一般の女に性的魅力を感じないが、重要な人物と感じている.それを奇貨と表現していた.本田の盗聴行為で二人の関係は破綻するが、心の内面描...
表題作はよく理解できない男と女の関係を述べている.小説を書いている本田は七島と一緒に住んでいるが、通常の男女の関係ではない.七島はレズビアンで本田は一般の女に性的魅力を感じないが、重要な人物と感じている.それを奇貨と表現していた.本田の盗聴行為で二人の関係は破綻するが、心の内面描写が緻密で何か異様な感じがした.「変態月」も女高生同士の愛情に絡んで殺人が起こる話だが、私(順子)は淳美を殺した喜久江にその徴候を感じ取っていた.
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作者とは合わない。作風もだし文章もなんだけど、短絡的に性を持ち出しているようにしか思えない。しかも短絡的に持ち出したものが物語中にインパクトを与えたか?とは感じないし。引き込まれるものは何も無かった。次は無いな。
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不能の中年男本田とレズビアンの七島の奇妙な同居生活。 お互い心地よい関係を築いていたが、あるとき七島の新たな友人の存在をきっかけに本田は越えてはいけない一線を踏み外す。 普通に考えたたら盗聴なんて気持ち悪いとしか思えないけれど、二人のセクシャリティーや関係を丁寧に綴っていて七島も...
不能の中年男本田とレズビアンの七島の奇妙な同居生活。 お互い心地よい関係を築いていたが、あるとき七島の新たな友人の存在をきっかけに本田は越えてはいけない一線を踏み外す。 普通に考えたたら盗聴なんて気持ち悪いとしか思えないけれど、二人のセクシャリティーや関係を丁寧に綴っていて七島もそこを理解して接していたから、割とすんなり受け入れられた。 男だけど女性的な感覚を持ち、女同士の友情に自分も入りたくて嫉妬してしまう。 そして最後には自身が同性同士の友情に飢えていたことに気づく。 確かに著者が語るように友愛小説だった。 ただ中年男の視点でジェンダー的な要素が強い表題作の奇貨よりは、小学生時代から高校生まで持ち越された想いと関係が絡まる変態月の方が百合的で好き。
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人の感情の中で 嫉妬というのが一番抑えられない気持ちのような気がする。 恋愛感情ではなく、同姓同士の結びつきに嫉妬心から盗聴へと行動がエスカレートしてしまう。 人の嫉妬心については冷静になれるのに、自分の嫉妬心にはどんなに馬鹿げた思いでも止められない。
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おもしろかった。けどさらに読もうとまでは思わない,が読んだ後の感想だったけど,朝日の書評を読み直しやはり読んでみようかと思った。往復書簡を読んだ後だからかもしれないけど,私はこういう本の方が好きだ。
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図書館にて。 中学生の頃に読んだ「親指Pの修業時代」以来久しぶりにこの人の本を読んだ気がする。 いろんな雑誌に紹介されていたので手に取ってみた。 恋愛よりももっと切実な、必要とされたい気持ちがダイレクトに伝わってきた。 だからといって電話を盗聴するような、プライバシーに踏み込んだからといってなにがわかるというのだろう。 その先に何が待っているかだって主人公にはわかっていたはず。 どうしようもないし、どうにもならない。 お互いわかりあえている相手と、たわいもない会話を交わすかけがえのない日常。それは決して簡単に手に入るものではないのだということを思い知らされる。 ラストもこの小説にふさわしい。 表題作の次に入っていた「変態月」も良かった。 これもラストが秀逸。題名はこんなんじゃなくてもいい気がするが。
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+++ 男友達もなく女との恋も知らない変わり者の中年男・本田の心を捉えたのは、レズビアンの親友・七島の女同士の恋と友情。女たちの世界を観察することに無上の悦びを見出す本田だが、やがて欲望は奇怪にねじれ―。濃く熱い魂の脈動を求めてやまない者たちの呻吟を全編に響かせつつ、男と女、女と...
+++ 男友達もなく女との恋も知らない変わり者の中年男・本田の心を捉えたのは、レズビアンの親友・七島の女同士の恋と友情。女たちの世界を観察することに無上の悦びを見出す本田だが、やがて欲望は奇怪にねじれ―。濃く熱い魂の脈動を求めてやまない者たちの呻吟を全編に響かせつつ、男と女、女と女の交歓を繊細に描いた友愛小説。『親指Pの修業時代』『犬身』で熱狂的な支持を得る著者5年ぶりの新作。著者26歳の時に書かれた単行本未収録作も併録。 +++ 著者の作品を読むのは初めてである。なので評価はよく判らないのだが、、少なくともこのテーマはわたしの好みからは外れており、別の作品を読んでみたいという気持ちにはさせられなかった。マジョリティではない生き方をせざるを得ない人々の懊悩のようなものが、静かにさりげなく描かれているとは思う。個人的には、まあそんなこともあるかな、という感じの一冊。
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同性の友達同士の睦まじさに興味を抱くのが変か?金とか権力とかセックスが興味の中心だったら年相応なのか?幼稚さの現れ方が人それぞれ違うだけだろ? 81
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