かっこうの親 もずの子ども の商品レビュー
+++ すべてのお母さん、お父さんと、大人になった子どもたちへ―― 命とは、愛とは、絆とは……子育ての今、子育てのすべてを描く感動の家族小説。 幼児向け雑誌の編集部で働く、シングルマザーの統子。 子どもを保育園に預け、シッターの協力を得ながら、仕事と育児を両立させている。 4歳...
+++ すべてのお母さん、お父さんと、大人になった子どもたちへ―― 命とは、愛とは、絆とは……子育ての今、子育てのすべてを描く感動の家族小説。 幼児向け雑誌の編集部で働く、シングルマザーの統子。 子どもを保育園に預け、シッターの協力を得ながら、仕事と育児を両立させている。 4歳の息子・智康は、夫・阿川の希望もあり、不妊治療の末に授かった子どもだ。 産後、すべてが順調かにみえたが、ささいな喧嘩をきっかけに、阿川と統子は離婚に至った。 予定通りには進まない仕事、智康の突然の病気、実母との気持ちのすれ違い、 園でのママ友との人間関係など、統子に悩みは尽きないが、日々を全力で過ごしている。 そんなある日、統子は旅雑誌のグラビアページに智康とそっくりの、双子の少年が載っているのを見つけた。 それをきっかけに、統子と智康は、五島列島・中通島へ向かう……。 生殖医療、保育園問題など、出産と育児にまつわるテーマに切り込みながら、子どもへの愛と命の尊さを描ききる。 +++ 子育てで煮詰まっているお母さんにまずいちばんに読んでほしい一冊である。だが、そんな時期には落ち着いて本を読むことすらできなかったなぁ、と我が身を振り返ってそう思うので、親になる前の若い人たちにぜひ読んでもらいたい。ちっとも実感は持てないと思うが、やがて親になったときに、「ああこのことか」と膝を打つに違いない。我が子たちはすっかり育ちあがってしまったが、生まれてきてくれたことのありがたさを伝えるのに遅いということはないと思うので、死ぬまで何らかの形で伝え続けたいと改めて思わされた。この子らがいるからこその我が人生である。母とは強くて弱い生き物だといまさらながらに思わされる一冊でもある。
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子どもを一人前に育てるのって、本当に大変なこと。 そんなもの何千年も前から誰もが続けてることだ、と言われるかもしれない。 子どもなんて放っておけば勝手に育つ、と言うかもしれない。 でもこの時代のこの日本で子どもを育てていくのって本当に大変なことなのだ。 児童虐待、特にネグレクトが...
子どもを一人前に育てるのって、本当に大変なこと。 そんなもの何千年も前から誰もが続けてることだ、と言われるかもしれない。 子どもなんて放っておけば勝手に育つ、と言うかもしれない。 でもこの時代のこの日本で子どもを育てていくのって本当に大変なことなのだ。 児童虐待、特にネグレクトが問題化している昨今。たった一人孤独という暗闇の中で子育てしている多くの母親たちに伝えたい言葉。 「子どもは親を選んで生まれてくる」 親のために、親の成長のために、そこに生まれてきたのだという、子ども自身の言葉。 ハっとし、そして思わずそばにいる自分の子どもを抱きしめたくなる。そして深い愛情を自らの中に見つけてホっとする。そんな一冊。
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