神様のカルテ(3) の商品レビュー
この小説の登場人物はみんな優しい。優しいからこそ、安心して読めるし、何度も読みたくなる。 また医師としての普遍的課題を登場する医師それぞれが自分の解を苦しみながら見つけていく。こういう人間臭いところもすごくいい。
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2013/03/20読了 文庫版の2を読了後、既出巻が読みたいと呟けば、後輩が持っていて未読なのに貸してくれた。本当にありがたいことです。 そういうわけで再び、すばらしい作品を読了することができた。 患者やその家族らの人情、よりかは、医療に挑む現場の「救い手」に重きを置いた巻...
2013/03/20読了 文庫版の2を読了後、既出巻が読みたいと呟けば、後輩が持っていて未読なのに貸してくれた。本当にありがたいことです。 そういうわけで再び、すばらしい作品を読了することができた。 患者やその家族らの人情、よりかは、医療に挑む現場の「救い手」に重きを置いた巻であったように思う。 現代の医療や、そうでなくても何らかの仕事につく労働者の意義を問うような、そういったフレーズが多かった。 一止に転機が訪れる。 そこに到るまで、頭痛と共にいくつもの問いかけがある。自分に無かった、忘れていた考え方や信念が登場する。 一止曰く ――天動説を前提に懸命に科学を探求していたところに、突然、ガリレオの地動説を叩きつけられたような心持ち―― 人生は回転し、学問や仕事も日々進み、止まることは無い。 その流れに逆らうも、流れるも、個々人の信念に委ねられる。 この流れを考えることが、人生の転機、とでもいうのだろうか。 本作でもまた新しい人物 小幡先生 が登場する。 彼女の信念や生き方は、読んでいくうちに明かされる。 最初は苦手だったけれど、頁を繰るにつれ、好きになる。 「食えない人間」ほど、噛み砕けば味があるとはまさにこのことであろう。 スタッフの隠れた一面が多く見られるこの巻は、1、2を読了した人ならきっと楽しめる。 細君ハルの、一止へ行った、心遣い、思いやり、そして――― 彼女のような女性こそきっと、「美しい人」なのだろう。 以降、続巻するならば、新天地という事になるがどうなのだろう 持ち続けた愛読書が姿を一新したのなら、ここがある意味、ひとつの幕引きという形になるのでは。 良い作品であった。 後輩と読書論評をしたいものである。
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3作目も心温まるお話でした。友情、愛情、信頼は信念あればこそ。一止にも転機が訪れ、次作も楽しみです。
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医者の葛藤。独特の語り口だからこそ重いテーマもするっと受け止められる気がする。読後感がとてもよい。いい本読んだなって思える。
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アル中話と分かったとたん、飽きた。 「神様」だなんて人間が行っている医療を神的にするのは勘違いさせてる気がする。
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小気味いい。 毎回出会うキャラクター、別れるキャラクターが中心となり、主人公一止の心をノックし、それに揺れながら、妻のハルや変わらずそこにある自然に包まれながら、一止の真摯な生き様が展開される。 それらの調和とテンポの良さが本当に印象的なシリーズ。 今回も出会いあり別れあり試練...
小気味いい。 毎回出会うキャラクター、別れるキャラクターが中心となり、主人公一止の心をノックし、それに揺れながら、妻のハルや変わらずそこにある自然に包まれながら、一止の真摯な生き様が展開される。 それらの調和とテンポの良さが本当に印象的なシリーズ。 今回も出会いあり別れあり試練ありの内容。 最後の東西さんや大狸先生からの粋なはからいに感動。
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この表紙の絵と一止のイメージがしっくりきていいです(*^^)v 医者という仕事に真正面から向かう一止とその周りを取り囲む人々の優しさに、心が癒されます。温かい気持ちになれる1冊です。
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うーん、これ好きなシリーズなので期待して読みました。しかし、なんだか次の本へと続くイントロ部分としか感じられずにちょっと残念です。また次回作に期待します。
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現実の医療現場のえぐさを柔らかな文章で緩和している気がする。 1、2巻で物足りないと思った事が、3ではちゃんと向き合っている。人の命を預かる気持ちは大切だけど、やはり最新の知識や技術も必要。 送別会での大狸先生の「医師は続ける事が大切」は真理だとおもう。
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主人公の古風な喋り方が、とても好きだ。額に入れて飾っておきたい文章が沢山。 主人公は何も間違えていないと思う。それでも、彼は悩み、悔しがり、物語は転機を迎える。 患者の為に自分自身を犠牲にするような主人公。日進月歩の医療の進歩についていくことが正しいという小幡。患者より幼い自分...
主人公の古風な喋り方が、とても好きだ。額に入れて飾っておきたい文章が沢山。 主人公は何も間違えていないと思う。それでも、彼は悩み、悔しがり、物語は転機を迎える。 患者の為に自分自身を犠牲にするような主人公。日進月歩の医療の進歩についていくことが正しいという小幡。患者より幼い自分の娘を選ぶと云う新藤。 「今でも夫の主治医が許せないの」 「僕達はどこに向かってあるいていくべきなんだ」 正しい答えなんて判らないが、頑張っている医師を糾弾する患者には自分はなるまいと思う。 なんでも飲み込んでくれる大狸先生がいつにも増して素晴らしかった。そして優しく見守る妻ハルがいて、友人との別離と再会があり。大きなふくらみのある物語に、だいぶ涙腺が緩んでしまった。 僕の信州出の知人は、「これは〇〇林檎園のリンゴ」と利きリンゴをする。この小説の林檎への拘りも信州らしくてよかった。
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