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復興の書店 の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

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2022/09/12

本屋さんの存在意義を改めて知る事が出来た。 近所には個人店の本屋さんは無くなってしまった。 子供の頃に本屋さんへ入った時のワクワク感は覚えているのに。 この本は震災で被害を受けた本屋さんの復興の話しだけれどもそれだけではなくて本屋さんは何故必要なのかを教えてくれた。 ネットで購入...

本屋さんの存在意義を改めて知る事が出来た。 近所には個人店の本屋さんは無くなってしまった。 子供の頃に本屋さんへ入った時のワクワク感は覚えているのに。 この本は震災で被害を受けた本屋さんの復興の話しだけれどもそれだけではなくて本屋さんは何故必要なのかを教えてくれた。 ネットで購入するのは便利だけれども、これからは個人店の本屋さんをなるべく利用しようと思う。

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2017/07/17

東日本大震災で、現地の本屋はどうなったか。 災害があったとき、「本」なんて後回しでいい!と考える人も多いかもしれない。だけどこの記録を読むと、本がいかに人々の生活に根付いているものなのかがよくわかる。本は被災地での生活に希望や笑いを取り戻す役割の一端を担ったと思う。自らの家も被災...

東日本大震災で、現地の本屋はどうなったか。 災害があったとき、「本」なんて後回しでいい!と考える人も多いかもしれない。だけどこの記録を読むと、本がいかに人々の生活に根付いているものなのかがよくわかる。本は被災地での生活に希望や笑いを取り戻す役割の一端を担ったと思う。自らの家も被災して大変な中、書店の復興に奮闘した方達を心から尊敬します。

Posted byブクログ

2016/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「新しい雑誌なんてね、なんにも入っていないんだよ」口元を緩めてそう語る大内さんの表情には、書店という仕事への愛情がにじみ出ていた。 「それでもね、店が開いていること自体をとても感謝されてね。そのことに本当に励まされたんです。やっぱりやらなきゃ、って。もう商売ができないんじゃないかと諦めていたから、もう一度ここで店をできるのかもしれないと思ったら嬉しくてね……。だってコンビニエンスストアだって何の雑誌も本もないんだ。続けることは自分の責任でもあるし、これまでだってそうして本を届けることをやりがいにしてきたんじゃないか、って」(p.78) ちょうど沿岸部を取材してきたという朝日新聞に記者が店の様子を取材し、<やっと読めたワンピース><一冊100人立ち読み>という記事が3月26日の夕刊に掲載された。 「店を開いて良かったと思ったのは、マンガを読んだ子供たちが安心して笑ってくれたことでした。子供たちが笑うと、心配していた親たちもやっと安心した表情になるのが私には嬉しかったんです。なかにはヤフーに転載されたニュースを見て、一時間半かけて来られたお母さんもいました。余震におびえている子供の気持ちを落ち着かせたいという一心だった、と。だから『ジャンプ』が求められたのは、連載の続きを読みたいというニーズだけではないんです。ショックを受けて震えていた彼らが、マンガを読むうちに少しずつ子供らしい子供に戻っていく様子は、一冊の本の持つ力を新手馬手実感させるものだったと思います。(塩釜書店、塩川祐一、p.111) 「それに本屋というのは神社の大木みたいなものでね。伐られてしまって初めて、そこにどれだけ大事なものがあったかが分かる。いつも当たり前のようにあって、みんなが見ていて、遊んだ思い出がある場所。震災が浮かび上がらせたのは、本屋とは何となくあるようでいて、そんなふうに街の何かを支えている存在なのだということなのではないか。僕はそんなふうに思うんです。(丸善アエル店元店長、五十嵐裕二、pp.127-128)

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2015/08/23

震災直後から、自らも被災しながらも書店の再開に向けて奔走した人々のルポ。 想像を超えた悲惨な体験、突然奪われた当たり前の暮らし、避難生活という苦しい究極の非日常の中にあって、忍耐を強いられた人々に必要なものは、静かに一人の世界に浸り、何気ない日常のひと時をもたらしてくれる活字の...

震災直後から、自らも被災しながらも書店の再開に向けて奔走した人々のルポ。 想像を超えた悲惨な体験、突然奪われた当たり前の暮らし、避難生活という苦しい究極の非日常の中にあって、忍耐を強いられた人々に必要なものは、静かに一人の世界に浸り、何気ない日常のひと時をもたらしてくれる活字の世界だった。 ここに登場する書店経営者たちはみな、まだ食事の確保もままならないような時期から活字を求める被災者たちに、本の持つ力、地域の書店の役割を強く感じたという。店の片づけ、商品の整理発注から顧客の管理と、全財産を失いながらも必死に駆けずり回る彼らのひたむきな姿が描かれている。 震災時の描写は、実際に体験していない私でさえ、いまだに何を見ても読んでも泣けてくる。 そんな極限の中にあっても、人を思い、前を向いて進もうとする姿に、人はなんと逞しくしなやかな生き物なのかと思わずにいられない。 すべての人々に、心休まる日常が訪れますように。

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2015/01/22

震災から復興していく街の書店。 活字がこれほどまでに震災のまっただ中にあった人たちに必要とされていたとは思いもしなかったとういうのが正直な気持ち。 私自身も本も好きで、本に携わる仕事をしてみたいと常々思っているだけに、あの街の中の本屋さんがすごい決意で本屋さんを再会していく様子...

震災から復興していく街の書店。 活字がこれほどまでに震災のまっただ中にあった人たちに必要とされていたとは思いもしなかったとういうのが正直な気持ち。 私自身も本も好きで、本に携わる仕事をしてみたいと常々思っているだけに、あの街の中の本屋さんがすごい決意で本屋さんを再会していく様子にはほんと心打たれる思い。

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2014/10/30

地震や津波による甚大な被害があった、東北三陸海岸の書店の復興への記録。 インターネットやキンドルが普及した現在だからこその「紙の本」の重要性を再認識させる。売れたのは震災関連の本よりもむしろ普通の本、児童書、学習参考書、地図だという。 書店で働く人たちがこれほど使命感を持っている...

地震や津波による甚大な被害があった、東北三陸海岸の書店の復興への記録。 インターネットやキンドルが普及した現在だからこその「紙の本」の重要性を再認識させる。売れたのは震災関連の本よりもむしろ普通の本、児童書、学習参考書、地図だという。 書店で働く人たちがこれほど使命感を持っているとは知らなかった。書店は日常生活の象徴であり、その地域にあること自体に存在意義があるようだ。

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2014/01/25

震災直後でも、本を求めて書店に来る人があとを絶たなかった。 震災後、なんとか再開にこぎつけた書店には、震災以前より多くの人が押し寄せた。 この本でたびたび紹介されるそうした情景を、私は今まで全く知らなかった。 震災に遭い、本当に大変な人たちは、本など必要としていないのではないか...

震災直後でも、本を求めて書店に来る人があとを絶たなかった。 震災後、なんとか再開にこぎつけた書店には、震災以前より多くの人が押し寄せた。 この本でたびたび紹介されるそうした情景を、私は今まで全く知らなかった。 震災に遭い、本当に大変な人たちは、本など必要としていないのではないか――ずっとそうした思いが胸にあった。 この本で書店を再開した人たちも、みな最初はそんなふうに不安を抱いていた。けれどいざ開店すると、本を求める人が多いことに驚いたという。 本は生活必需品なのだ。 人がひしめき時間だけはある避難所で一人の時間を有意義に過ごしたい。 購読していた雑誌の続きを読みたい。 震災や津波の情報を得たい。 失われた風景の載っている本を手に入れたい。 流されてしまった思い出の本を再度手元に置きたい。 理由はそれぞれさまざま。 それでも「本」は必要とされている。そのために「書店」が被災地に建ち続ける。どの書店も、自分たちなりの意義や心意気をもって書店を続けている。 それはこの上ない希望である気がした。 東日本大震災からもうすぐ3年を迎える今も、それでも本を作るのか?本に未来はあるのか?と迷い続けていたけれど、この本に出会えてよかった。

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2013/08/21

被災地の書店の復興という切り口が面白い。人はパンのみに生きているわけじゃない、精神を保つパワーのために本が必要であることが分かった。どの書店も書店は必要なのかということを煩悶されていたようでその葛藤が伝わってくる。それでも実際に開店すると店は人で溢れかえる。「人が活字に飢えている...

被災地の書店の復興という切り口が面白い。人はパンのみに生きているわけじゃない、精神を保つパワーのために本が必要であることが分かった。どの書店も書店は必要なのかということを煩悶されていたようでその葛藤が伝わってくる。それでも実際に開店すると店は人で溢れかえる。「人が活字に飢えている」こうして書店の役割を実感する店主、店員がいて初めて「復興の書店」になるのだ。

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2013/06/17

震災時の書店や、読者を取り巻く状況がどうだったのか、正直全く想像したことがありませんでした。。。趣味的なものは生活必需品ではないので人々から求められるとは思いませんが実際はこんなにも異なるとは、人の考えはさまざまですね。ますます本をたくさん読みたくなりました

Posted byブクログ

2013/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

帰りの電車で、稲泉連『復興の書店』小学館、読んだ。先の震災で被災した書店は391店(岩手、宮城、福島)、3県の書店数の約9割。本書は全てが寸断された渦中に営業再開させた書店についてのルポルタージュ。人々が求めたのはパンではなく活字だった。本は情報ではなく「生活必需品」。 本書は、被災地における書店の歩みをつぶさに記録することで、密林や電子書籍が一般化しつつあるなか、紙媒体の書籍の「尊さ」を再発見する一冊。「人はパンだけで生きるのではなく、~」と言われればそれはイエスだ。そして「文学は飢えた子どもの前で何ができるか」と誰何されればイエスだ。 勿論、人々が求めるのは字義通りの「活字」だけではない。『ジャンプ』であり『マガジン』であったりもする。しかし、それによってひとは生きる力を得ているということをつぶさにスケッチしている。ひさしぶりにいいノンフィクションを読んだ。 4分前  私自身、仕事で要する本はほとんど密林で住ませる。しかし本書が指摘しているように「街の書店」とは家族の「共有できる空間」なんだとは確かに!と思った。夫は趣味の本、妻はファッションと実用本、子どもは漫画を探す……その場所。しかし、一人一人の関心が違う家族が集うことのできる場でもある。

Posted byブクログ