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獣の奏者(4) の商品レビュー

4.5

281件のお客様レビュー

  1. 5つ

    143

  2. 4つ

    91

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

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2015/02/14

質・量ともに、聞きしに勝る大作だった。 親と子、あるいは夫と妻の間の家族愛、学ぶことの尊さ、生き物を慈しむことの大切さ、そして人と人とが争うことへの根元的な問い掛け…と、内包するテーマは数多い。 とどのつまり、それらを全部ひっくるめて、命を授かってこの世に生きること、に真っ向か...

質・量ともに、聞きしに勝る大作だった。 親と子、あるいは夫と妻の間の家族愛、学ぶことの尊さ、生き物を慈しむことの大切さ、そして人と人とが争うことへの根元的な問い掛け…と、内包するテーマは数多い。 とどのつまり、それらを全部ひっくるめて、命を授かってこの世に生きること、に真っ向から挑んだ作品と言える。 作者の上橋菜穂子氏が言うように、確かに"闘蛇編"と"王獣編"の2巻で、物語は一度きれいに閉じている。 "王獣編"の最終盤を読んでいる時に襲ってくる、あの深い感動は、まさにクライマックスのそれに他ならない。 だから、3冊目の"探求編"以降を読み進めるに当たっては、もちろん期待も充分にあるのだが、それと同時に些少の不安も抱いたことは事実である。 しかし、それは結果的に杞憂に過ぎなかった。 「北斗の拳」が"ラオウ編"で見事過ぎる結末を迎えた後、続く"カイオウ編"でもその価値を失わなかったように。 本書には、"神々の山脈(アフォン・ノア)"や闘蛇と王獣の秘密などにまつわるいくつかの謎が、ミステリーの要素として組み込まれてもいるが、正直、それらが明かされる過程やギミックはシンプルなものであり、それほど読者を驚嘆させるような仕掛けではない。 でも、通常の小説であればクオリティーの本質に拘わり得るそれらのパーツの出来そのものが、この作品の場合は、極論すれば枝葉に過ぎない、それほどまでに極太の本流がド真ん中を貫いており、確実に読者を物語の世界へと引きずり込むことに成功している。 第2巻、"王獣編"のクライマックスと同様に、最終第4巻、"完結編"が終わろうとする時には、抑えようもなく双眸に感情が溢れてしまったわけだが、単純に、そのことがこの作品を読む価値を表している。

Posted byブクログ

2015/02/07

エリンのまっすぐな思いと他の人達の思惑が交錯し、エリンを破滅へと導いていく。 広がる悲しみ。 リランとエリンの最後は悲しすぎる。 もっと違った形を期待していたが、可哀想過ぎた。 この感じが読むことを止められないのかも。

Posted byブクログ

2015/02/03

戦争が始まる。死を覚悟する母エリンに自分を捨てるのかと不安を抱き鬱屈するジュシ。父との語らい。親子の絆の物語。王獣と闘蛇によるカタストロフィとエリンの犠牲。「母はそれから四日生きた」終章冒頭の一文。ジュシのこの言葉が続編を書くときに、最初に浮かんできて、ここへ向かって書いたそうだ...

戦争が始まる。死を覚悟する母エリンに自分を捨てるのかと不安を抱き鬱屈するジュシ。父との語らい。親子の絆の物語。王獣と闘蛇によるカタストロフィとエリンの犠牲。「母はそれから四日生きた」終章冒頭の一文。ジュシのこの言葉が続編を書くときに、最初に浮かんできて、ここへ向かって書いたそうだ。残された人々にエリンが、まだ王獣を飼っているか尋ね、いないと答えられて、ニッコリするシーンが印象的。

Posted byブクログ

2014/11/16

四冊一気読み。久しぶりに夢中になりました。これぞファンタジー。ハリーポッターに負けない壮大なスケールでした。二巻で終わらなくて良かった。

Posted byブクログ

2014/11/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] <1> リョザ神王国。 闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。 母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。 苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける。 <2> カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。 決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく―。 新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。 <3> 愛する者と結ばれ、母となったエリン。 ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった。 夫と息子との未来のため、多くの命を救うため、エリンは歴史に秘められた真実を求めて、過去の大災厄を生き延びた人々が今も住むという遙かな谷を目指すが…。 <4> 闘蛇と王獣。 秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。 過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天に舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。 傑作大河物語巨編、大いなる結末へ。 [ 目次 ] <1> <2> <3> <4> [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2014/11/03

上橋先生いわく、獣の奏者は闘蛇編と王獣編できれいな球体のように完成したイメージがあり、完結した物語であったとか。 なので後付けで余計なものを加えるようなことはしたくなかったのだ。 しかし、周囲の要望により構想が広がり、結果としてきれいな球体をさらにきれいな球体で覆うように再度...

上橋先生いわく、獣の奏者は闘蛇編と王獣編できれいな球体のように完成したイメージがあり、完結した物語であったとか。 なので後付けで余計なものを加えるようなことはしたくなかったのだ。 しかし、周囲の要望により構想が広がり、結果としてきれいな球体をさらにきれいな球体で覆うように再度完結させることに成功した。 と、後書きに書いてある。

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2014/10/09

3巻の終わりからこの物語はどう終わらせるのだろうと気になりながら読了。やはりそうかと言う寂しい気持ちとこれで良かったのだという気持ちが半々。外伝が出ているようなので、こちらもチェック。

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2014/09/20

久しぶりの充実なこの読後感。この作品中に出てくる女性がみな逞しいことが、お話を気に入った最大の理由かも。『守り人』シリーズも読んでみよう!

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2014/06/22

闘蛇と王獣。秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天を舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。傑作大河物語巨編、大いなる結末へ。...

闘蛇と王獣。秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天を舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。傑作大河物語巨編、大いなる結末へ。すっかり著者・上橋菜穂子先生のファンになってしまいましたわ。スバラシイ!

Posted byブクログ

2014/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

そうなるしかない、でも、エリンがジェシに宣言したように、逃げずに向かっていった終わり方であった。 重たいテーマをはらみつつ、最後までそれを背負っていったのはエリンもりっぱだし、作者もりっぱ。 ジェシがりりしい若者に育っていって、まぶしかった。

Posted byブクログ