小説講座 売れる作家の全技術 の商品レビュー
「新宿鮫」で知られるハードボイルド作家の大沢在昌氏が講師となった作家教室。「野生時代」での連載の単行本化。 デビューの素質がある力のある受講生を選び、本腰を入れた本気の講座集です。 現役作家ということで、自身の経験を交えながら実践的な解説を行っていく様子は本格的。 編集者も数名交...
「新宿鮫」で知られるハードボイルド作家の大沢在昌氏が講師となった作家教室。「野生時代」での連載の単行本化。 デビューの素質がある力のある受講生を選び、本腰を入れた本気の講座集です。 現役作家ということで、自身の経験を交えながら実践的な解説を行っていく様子は本格的。 編集者も数名交え、講師と受講者の本気がほとばしるガチンコ勝負のような講座が毎回繰り広げられていきます。 キャリア30年の大御所である著者ながら、大作家の偉さを見せつけることもなく、受講生に添削と指導を行う様子などから、真摯に取り組んでいる様子が伝わってきます。 彼のようなゆるぎないプロの作家でも、状況に甘んじることなく常に努力し続けており、その姿勢が彼が作家たる所以にもなっています。紹介されるさまざまな技法上のコツは本編に任せて、彼の創作姿勢が何より印象的。受講生にとって大きな刺激になったものと思います。
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もちろん、こういう本を読んだからといって、小説を書いてみようなどという大それたことに挑戦しようことでは毛頭ない。 「新宿鮫」シリーズをずっと読んできて、それを書いた作家が小説を書くということをどのようにとらえているのか(コンセプト)ということに興味があったことと、実際に文章を書く...
もちろん、こういう本を読んだからといって、小説を書いてみようなどという大それたことに挑戦しようことでは毛頭ない。 「新宿鮫」シリーズをずっと読んできて、それを書いた作家が小説を書くということをどのようにとらえているのか(コンセプト)ということに興味があったことと、実際に文章を書くときにどんなことに注意して書いているのだろう(技術)ということを知りたかったのである。 文章を書き、それを自らの生業にしているというのは、あらためて大変なことだと実感させられた。
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小説の書き方はその人の持っている語彙力や観察力からくる引き出し次第。 基本的なことは本を読んでいれば身についている。 文章を書くことをしていこうと思ったので読んでみたが、とりあえず書いてみろ! と最もなことを言われた感じだった。
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作家という職業がいかに厳しいものかよくわかりました。 読んでも読んでもそれでも飽き足らず、それ以上は自分で書くしかない 情熱のある人がなる。今の自分の職業(作家ではなく普通のサラリーマン) はそう感じているものではないので、考えさせられました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小説の書き方をアマチュアにレクチャーした連載をまとめたものだが、読み手を引き付ける文章を書くという点でも有益だろう。プロット、キャラ立て、具体的描写、正しい正確な日本語、語彙の重要性が印象に残る。特に、正確な語彙・日本語という意味で説かれる辞書の重要性は、著者も強調。辞書自体を眺めることは意義深いようだが、過日読破した「取材学」でも類似の指摘があったことからみても、印象深い指摘。なお、アマチュアが小説を書こうとする場合、まず、神の視点を否定し、難しいけれども一人称語りに徹することを説く。
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凄く面白かった。久しぶりに続きをどんどん読みたくなる本に出会った。エンタメ小説を書きたい人は必読で、読むのが好きな人も楽しめるだろう。文庫化熱望。日本推理作家協会「ミステリーの書き方」と合わせて、何回も読みたい。 特に日本文学・海外文学の文章表現の違いなどは実に興味深かった。神...
凄く面白かった。久しぶりに続きをどんどん読みたくなる本に出会った。エンタメ小説を書きたい人は必読で、読むのが好きな人も楽しめるだろう。文庫化熱望。日本推理作家協会「ミステリーの書き方」と合わせて、何回も読みたい。 特に日本文学・海外文学の文章表現の違いなどは実に興味深かった。神視点・視点の乱れの問題もとても分かりやすく書かれている。 思ったのは、受講生のレベルが結構低いということ。だから講座として成立するわけだが、彼らの小説のあらすじや一部分を読んでいると、これで大丈夫なの?作家を目指してもいいの?と少なからず思ってしまったのも事実。不倫・死・復讐と、なんだか発想がとても陳腐。中にはおっというポイントがある作品もあるものの、「第二部 受講生作品講評」は少しだけ退屈かな~と思った次第。 作家になる人はそもそも読書量が圧倒的で、大沢氏も年間500~1000冊読むそうだ。とにかく読書して吸収。 ところどころ森博嗣と対極にあるなぁ、と思った。大沢氏の「読むのが好きすぎて読みすぎて書く方に転換した人間のみ作家になれる」という考えはとても正統派で好きだ。だけど、「いきなり文庫化」の効用はやはり森博嗣の方が数字に強いだけあって具体的かな。 ここに書かれた方法や例がすべてのプロ作家にあてはまるわけではもちろんない。「そんな動機で殺人までするかなぁ」という動機ばかりを出してくるプロ作家の石持浅海がいるし、神視点を使う恩田陸だっている。要はやはりオリジナリティ・発想なのだろう。
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雑誌、『野性時代』誌上で行われた、小説講座の内容。 小説で食べている、現役のスタイルが良く分かりました。
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文章の良し悪しを具体的に説明する事が出来なかった為に、読んでみました。 あくまで「小説の作り方」についてなので、文章の良し悪しはあまり詳細にはわかりませんでした。 解説はありましたが、メインは先読みの出来ない物語の展開の仕方、アイデアの生かし方、書きたいテーマにどう貪欲に頭をひね...
文章の良し悪しを具体的に説明する事が出来なかった為に、読んでみました。 あくまで「小説の作り方」についてなので、文章の良し悪しはあまり詳細にはわかりませんでした。 解説はありましたが、メインは先読みの出来ない物語の展開の仕方、アイデアの生かし方、書きたいテーマにどう貪欲に頭をひねるかという事です。 受講生のあらすじの物語や一文を元に、大沢先生が解説していくのが、面白かったです。 文章に対して敏感になることは勿論ですが、基盤として文章の表現力・展開・アイデアを作る事以上にもっと根本的に経験を重ね、感性を研ぎすませる事が結局は重要との事でした。 あまり小説を書くことに関わる事がなくっても、良い本だと思います。 言葉を使う人間として、どう思っている事や考えている事を表現するかということは、日常生活にも必要なので、トーク力に当てはまる事も出来る気がしました。
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これまで沢山のシナリオの入門書などを読んできたが、これは読み物としてもとても面白かった。 そもそもエンタメ小説のトップ作家が、入門書を出すこと自体、めったにないことだがこの本はあらゆる人が読んでも楽しめる良書だろう。
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2015年5月27日読了。大沢在昌が雑誌上で連載した小説講座の書籍化、12人の生徒たちの課題作品を講評し、小説の細かい技術はもとより「この世界で生き残っていく」ための心構えや覚悟について伝える。一番大切なこと、「オリジナリティを持つ」「アイデアが枯渇してもとにかく書く」などのこと...
2015年5月27日読了。大沢在昌が雑誌上で連載した小説講座の書籍化、12人の生徒たちの課題作品を講評し、小説の細かい技術はもとより「この世界で生き残っていく」ための心構えや覚悟について伝える。一番大切なこと、「オリジナリティを持つ」「アイデアが枯渇してもとにかく書く」などのことは結局誰にも教えられないことなのだろうが、推敲の重要性や視点の統一などの技法の解説は参考になるし、各文学賞の位置づけや編集者との付き合い方など「小説を書いた」「デビューした」先を見据えた講座内容には、なんというか大沢氏の誠実さのようなものを感じる。「元・野球選手などはいても、元・作家はいない」というコメントは重い。そういう仕事なのだろう…。
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