その日東京駅五時二十五分発 の商品レビュー
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初年兵で玉音放送より前に終戦を知ってしまった人がいた、 という事実に先ず驚き。 戦争を知らない自分たちからするとけっこうな大事だと思えるのに それを淡々とした筆致で語る辺り、逆に迫るものがあった。 淡々と語っているにも拘わらず 掛井中尉や伍長や益岡、干しバナナの母娘、広島の火事場泥棒姉妹など キャラが立ってる人が多いのもすごい。 この方の小説は初めて読んだ(実は映画も見たことがない)が、 語り口とキャラのバランスが魅力なんだろうと思った。 そして装丁がすごくかっこいい。モールス信号と時刻表。 装丁を担当した方の名前がどこにも記載されていなかったのが残念だった。
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実際の祖父の手記を基にした「全てに乗りそびれてしまった少年」の空疎な戦争体験というテーマに惹かれた。 でも、主人公の多くの感情は俺でも頭の中でも想像ついてしまう感情だった。悔しい。 本当に素晴らしいテーマなんだけど 戦争がすぐそばになかった者が戦争の人を描く難しさ。
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広島出身で、徴兵3ヶ月目に終戦を迎えた19歳の若者。彼の8月15日の東京から広島までの旅行きを、彼の一人称で描く。クールだが艶のある文体は、西川映画の肌触りと同じ。彼女にかかると、終戦がこんな風に描けるんだ、と思った。
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戦争の話、と身構えて読み始めたが、まさにそのさなかにありながら、こんなふうに外側にぽんと置かれてしまったような、「全てに乗りそびれてしまった少年」のような人もいたのだなあ、とやけにからりと明るい気持ちで読み終わる。気持ちが寄り添って、こころにぴたりとくる感じ。いい作品だなあ。あと...
戦争の話、と身構えて読み始めたが、まさにそのさなかにありながら、こんなふうに外側にぽんと置かれてしまったような、「全てに乗りそびれてしまった少年」のような人もいたのだなあ、とやけにからりと明るい気持ちで読み終わる。気持ちが寄り添って、こころにぴたりとくる感じ。いい作品だなあ。あとがきもあわせてひとつの作品と思う。
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著者の伯父の戦争体験を小説にしたもの。 全体的にふわふわした感じは、著者の小説の特徴か。 映画監督としての「西川美和」は一流だが、小説はどうかな。
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ため息が出る。巧いなぁ。押しつけがましさが全くないというか。あの話はここで来るかぁとか。ねりにねられてるんだろうなぁと思う。しかし朝日の書評を読み直したけど「終戦当日、ぼくは故郷広島に向かった。この国が負けたことなんて、とっくに知っていた」という帯文は,あぁやっぱり広島なんだ,と...
ため息が出る。巧いなぁ。押しつけがましさが全くないというか。あの話はここで来るかぁとか。ねりにねられてるんだろうなぁと思う。しかし朝日の書評を読み直したけど「終戦当日、ぼくは故郷広島に向かった。この国が負けたことなんて、とっくに知っていた」という帯文は,あぁやっぱり広島なんだ,と思い着く過程が何ともよかった私にはあまりにも違う気がするのだが,西川美和=広島・広島弁が分かる身でないとそれはないものなのか。「巻末に辿(たど)り着くのが惜しく、いつまでも読み続けていたいと思った」はとても同感。
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所謂「マッチョ」ではない自分にとっては勇気付けられるような一冊。「弱者が弱者として生きる」ことを描いた小説、なんてことが斎藤美奈子女史の書評に書いてあったが、それがこの本を手にとったきっかけ。戦争というとどこかセンセーショナルな書き方が(良くも悪くも)されがちだけど、終始淡々とし...
所謂「マッチョ」ではない自分にとっては勇気付けられるような一冊。「弱者が弱者として生きる」ことを描いた小説、なんてことが斎藤美奈子女史の書評に書いてあったが、それがこの本を手にとったきっかけ。戦争というとどこかセンセーショナルな書き方が(良くも悪くも)されがちだけど、終始淡々としたような主人公の心情は逆にリアル。そんなリアルな戦争を生き抜いた主人公にささやかな希望が見えるような終わり方はとても気持ちがいい。
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私にはだめでした。 読みとれなかっただけかもしれないけれど、「鬼気迫る」ものも「入魂」も分からなかった。 あとがきからも、何も見えなかった。 しばらくしてから再読すれば何か違うのかな。
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終戦をいち早く知らされ故郷へ帰る通信兵の話。 途中ファンタジー寄りなのかと思ったがさにあらず 終始淡々とした展開&ラスト。 でも現実ってこんなものかも。 とあとがきを読んだら 著者の叔父の体験記を基にしたらしい。 【図書館・初読・9/26読了】
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日本が降伏したことを世間より早く知った情報兵の話。 すべてが淡々と進んでいく。実話をもとにした内容。 あとがきが印象的でした。
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