日本は再生可能エネルギー大国になりうるか の商品レビュー
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2012年刊。著者は福島原発独立事故調査委員会委員長(元東京大学工学部教授、独法科学技術振興機構元理事長)。◆所謂、フクシマの「民間事故調」トップによる事故報告の概要と再生可能エネルギーに関する現状報告。◆前者は独自の立場で概観できるのがイイ。また、余り言及されない危機管理におけるシステム構築責任(この語は使わないが)に触れている点(歴代内閣はもとより、通産省の責任を想起)、科学的に不明な点は不明と明示する点は割に好感。◆後者はそれほど新奇ネタはない。ただし、①再生可能エネルギーに関する安定性への懸念。 ドイツへの調査に対する回答が、電力が不充分になる時は火力・水力のアクセルをふかせばよい。全発電量に占める割合が20~30%になるまで蓄電池の必要性を感じないという。電力の融通が欧州各国で盛んであるからこういう発言が出るのか、それとも問題はないからなのか…。結局ここでも、電力の国内各地域間融通の重要性を感じるところだ。②火力発電の効率化高性能化で発電効率が40→60%。これくらいは印象的。
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福島原発事故独立検証委員会委員長の手による再生可能エネルギーへの移行の可能性を定量データを基に客観的に論じた一冊。 前半は福島原発事故の分析に充てられており、組織と個人が非常事態においてどのように失敗に至るのか、言い換えれば組織のルールや文化が個人の判断と行動にどのような影響を...
福島原発事故独立検証委員会委員長の手による再生可能エネルギーへの移行の可能性を定量データを基に客観的に論じた一冊。 前半は福島原発事故の分析に充てられており、組織と個人が非常事態においてどのように失敗に至るのか、言い換えれば組織のルールや文化が個人の判断と行動にどのような影響を与え、それらの判断と行動の一つひとつが逆に組織に対してどのように影響するのかがわかる。 後半は再生可能エネルギー移行に向けた分析とシナリオであり、「『原子力はいやだ』という国民感情と、『原子力がないと経済はめちゃくちゃになるぞ』という…経済界からの警告との、二者択一の議論」に対して「もう少し定量的な議論をしなければならない」という筆者のアプローチは、ともすれば感情的な極論に走りがちな日本の現状において、貴重な材料を提供してくれる。 標準的な新書の分量だけれど、前後半で2冊分読んだ気になるほど、それぞれに中身が濃く、読み応えがある。
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筆者は高温超電導の研究で世界的に有名であり、福島原発事故独立検証委員会、いわゆる「民間事故調」の委員長でもある。5章構成の冒頭である第1章は、3.11福島原発の事故の様子を改めて振り返ったものであるが、今まで読んだ原発事故に関する記述の中では最もわかりやすく、かつリアルなものであ...
筆者は高温超電導の研究で世界的に有名であり、福島原発事故独立検証委員会、いわゆる「民間事故調」の委員長でもある。5章構成の冒頭である第1章は、3.11福島原発の事故の様子を改めて振り返ったものであるが、今まで読んだ原発事故に関する記述の中では最もわかりやすく、かつリアルなものであった。この部分だけでも、できれば一読をお奨めしたい。 この事故が、首都圏を含む3000万人の人たちが避難をしなければならないという最悪の事態にまで至らなかったのは、まったくの偶然が重なったからにすぎないという事実には、思わず鳥肌が立つ思いだ。また、エネルギー政策の現状と問題点や今後の展望についても、平易な表現でありながら詳しく丁寧に語られているので、エネルギー問題に関心のある方には、うってつけの良書と言えよう。惜しむらくは、何か他の案はなかったのだろうかという気がしてならないタイトルのイマイチ感がもったいない。
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脱原発なのか、原発存続なのか、二者択一の議論が多いですが、元東大教授、JST理事、原発事故調査委員会の委員長としての立場で書いてあるので、1つの考えとしてはバランスが取れていると思います。 前半は原発事故の問題点で、原発事故調査委員会の委員長としてもかかわっているので感情論では...
脱原発なのか、原発存続なのか、二者択一の議論が多いですが、元東大教授、JST理事、原発事故調査委員会の委員長としての立場で書いてあるので、1つの考えとしてはバランスが取れていると思います。 前半は原発事故の問題点で、原発事故調査委員会の委員長としてもかかわっているので感情論ではなく、科学者としての視点があって面白い。後半は、脱原発として考えるとしたらという諸外国の例や可能性を、ロジックでエネルギーを代替できるのかを考えているのかがわかりやすい。 政治の争点にもなりやすいですが、感情論ではなくて、原発の危機想定が未熟だったように、実際の想定をせずに結論を急ぐのは危ないと改めて感じました。
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【読了レビュー】民間の原発事故調査委員会の委員長による、世界のエネルギー事情を踏まえた、日本のエネルギー戦略についての提言が述べられている。 これを読んで一番思ったことは、「日本を救うためには、世界を救っていくしかない」ということ。 今後発展途上国の発展が進んでいくに連れて、世...
【読了レビュー】民間の原発事故調査委員会の委員長による、世界のエネルギー事情を踏まえた、日本のエネルギー戦略についての提言が述べられている。 これを読んで一番思ったことは、「日本を救うためには、世界を救っていくしかない」ということ。 今後発展途上国の発展が進んでいくに連れて、世界でエネルギーが足りなくなることは目に見えている。 そんな中で資源も頭数もない日本が、侵略されずに世界で認められていく為には、省エネ・再生エネルギーに関するアイディアや技術力でいち早く成功を収めて、世界へとその技術を普及させていくことが肝要であると思うし、何よりもそういった夢や目標を持った国家の一員でありたいと願う。
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疑問形の『日本は再生可能エネルギー大国になりうるか』というタイトルに対して、著者が出す答えはYES。再生可能エネルギー技術による発電量の増加、それに対する投資の拡大を検討するにあたり、本書で紹介されているいくつかの技術情報は参考になるかもしれない。例えば、風力発電用の発電機に用いられるギアレス、超電導を用いた直流超高圧送電幹線、風力レンズ等。 一方で、再生可能エネルギー技術による発電量が、原子力のそれに置き換えられるかどうかについては、見通しは甘いのではないかと感じる。私も勉強中の身だが、例えば、 ・風力や太陽光による発電量変動に伴う需給バランスを、本当に水力や火力で調整可能なのかどうか。 ・太陽光発電の効率は、半導体のように、線形的に上昇するものではないのではないか。 ・企業の保有する自家発電にかかるコストを誰が負担するのか。 など。それから、「ドイツは」「ノルウェーは」このように言っているという記述が多くあるが、どこの組織の人間が発言しているのかがわからず、その国の公式見解なのか、それとも個人の考えなのかを読み取ることができない。 参考になるデータや技術情報はあるものの、著者本人の再生可能エネルギー展開に関する分析は浅く、どちらかというと情報を集めて、それに対して著者がどう思うかを書かれた本という印象を受けた。
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日本が今後、どのようにエネルギーの舵取りをしていったらいいかを、諸外国との比較によって示されていたので、分かりやすかった。 驚いたのは、外国が原発を廃止する方向へ進んでいるかと思ったら、そうでもないことが書かれていたことだ。 スウェーデンなどは、化石エネルギーはほとんど使ってい...
日本が今後、どのようにエネルギーの舵取りをしていったらいいかを、諸外国との比較によって示されていたので、分かりやすかった。 驚いたのは、外国が原発を廃止する方向へ進んでいるかと思ったら、そうでもないことが書かれていたことだ。 スウェーデンなどは、化石エネルギーはほとんど使っていないが、4割近くの原子力を使っている。 日本の原発が全て止まったので、世界もそうかと思ったらそうでもないようで、興味深い。 本書はもっと難しいかと思ったら、僕でも分かりやすくて、3日で読むことができた。
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福島原発事故独立検証委員会の委員長の著書で、中身の半分近くが、原発と事故対応に割かれています。ちょっと、タイトルと違うぞ。 肝心の「再生可能エネルギー」の中身ですが、ざっくり言うと、省エネで総量を減らし、海外に流れているマネーを再生可能エネルギーに向かわせればいける、ということ...
福島原発事故独立検証委員会の委員長の著書で、中身の半分近くが、原発と事故対応に割かれています。ちょっと、タイトルと違うぞ。 肝心の「再生可能エネルギー」の中身ですが、ざっくり言うと、省エネで総量を減らし、海外に流れているマネーを再生可能エネルギーに向かわせればいける、ということ(ざっくり言い過ぎた)。洋上風力は漁業と、太陽光発電は農業と、地熱発電は温泉産業と、それぞれ兼業すればよい、と。 走り方というよりも、スタートラインに立つ覚悟、のような、そんな感じ。
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原発事故について民間事故調の見解、今後の再生可能エネルギーのメリット、デメリットなどが図、表を用いて論理的に書かれていると思います。東電批判、政府批判ばかりせず、自分たちがどう動きたいか代替案を示す材料になるのでは⁈
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福島「民間事故調」委員長の新刊。前半は震災後の政府・東電・科学者による情報処理、事故対応の総括と問題点を客観的に要約。後半は、今後数十年単位の視点で、再生可能エネルギーの導入をどのように進めていくべきかを、政策インセンティブ・コスト・諸外国の状況も考慮しながら分析。昨今のエネルギ...
福島「民間事故調」委員長の新刊。前半は震災後の政府・東電・科学者による情報処理、事故対応の総括と問題点を客観的に要約。後半は、今後数十年単位の視点で、再生可能エネルギーの導入をどのように進めていくべきかを、政策インセンティブ・コスト・諸外国の状況も考慮しながら分析。昨今のエネルギーに関する言説や主張は、ともすれば感情的・断定的・即時的になりがちだが、より多くの人たちにこの本を読んで欲しいと感じた本。
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