反ポピュリズム論 の商品レビュー
反ポピュリズムのスタンスで、小泉ブーム、政権交代、橋下現象などを論じている。最後に、「衆愚」の政治と断乎戦うと記す。 一貫した主張は素晴らしいと思うが、大衆迎合という言葉で一蹴するのはどうかと思う。
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社会がマスコミなどのポピュリズムによって左右されていく現実を書いた一冊。 最後は渡邉恒雄氏の考えがつまった一章がある。 原発に対する意見や名古屋の件についてはうなづける部分もあった。 私もマスコミによる渡邉恒雄像に踊らされていたのかもしれない。 この本を読んで一番びっくりしたこ...
社会がマスコミなどのポピュリズムによって左右されていく現実を書いた一冊。 最後は渡邉恒雄氏の考えがつまった一章がある。 原発に対する意見や名古屋の件についてはうなづける部分もあった。 私もマスコミによる渡邉恒雄像に踊らされていたのかもしれない。 この本を読んで一番びっくりしたことは、彼がとても冷静に物事を分析していたということ。
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読了。ナベツネの政治・経済の考え方を象徴する一言「異分子の排除」に全てが出ている。パンとサーカスの話に納得。。
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何かと批判されることの多い独裁者渡辺恒雄氏。排他独善的な主張のオンパレードかと思いきや結構冷静に現代を見つめている。情緒に訴えるのではなく冷徹な事実を基に論を進めており、該博な知識、海千山千の豊富な経験にはただただ圧倒されるばかり。さすがに読売グループの頂点に君臨するだけの御仁で...
何かと批判されることの多い独裁者渡辺恒雄氏。排他独善的な主張のオンパレードかと思いきや結構冷静に現代を見つめている。情緒に訴えるのではなく冷徹な事実を基に論を進めており、該博な知識、海千山千の豊富な経験にはただただ圧倒されるばかり。さすがに読売グループの頂点に君臨するだけの御仁である。とりわけ政局の裏表での暗躍秘話は興味深く行間に無限の想像を馳せることができた。衆愚政治がいかに国を駄目にするか。納得させられる点は非常に多い。終章では国の破綻回避のための処方箋も示している。見事な反ポピュリズムで貫かれている。全てを支持するというわけにはいかないが歯切れのよい正論には清しい爽涼感をおぼえた。
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ナベツネさんがポピュリズム(大衆迎合主義)の背景と問題点を論じた本。世間的にはあんまり評判の良くない人だけど、なかなか説得力のある内容だった。 ポピュリズムの背景には小選挙区制とマスメディア(テレビ・ネット)の影響があり、政治家は国民の支持を得やすい耳触りの良いことばかりを言...
ナベツネさんがポピュリズム(大衆迎合主義)の背景と問題点を論じた本。世間的にはあんまり評判の良くない人だけど、なかなか説得力のある内容だった。 ポピュリズムの背景には小選挙区制とマスメディア(テレビ・ネット)の影響があり、政治家は国民の支持を得やすい耳触りの良いことばかりを言い、本来の政治能力とは無関係な政治家本人のキャラクターや演技力が支持につながるようになってしまった、というのが主な内容。 安易な脱原発をいさめたり、ナベツネさんが関与した大連立構想の詳細も明かされたりして、なかなかお得な一冊。ただ単に批判するだけではなく、キチンと代案を出しているのが偉いところ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
■本書を読んだ理由 ・本屋をプラついていたときに、偶然目に入り衝動買いしたから ・先日に、『Webで政治を動かす』を読んで、リンクする内容、あるいは反対意見を知れるのではないかと思ったから ・帯の著者の写真、口には葉巻を咥え、冷徹に何かを見透かすような視線が魅力的だったから ■概要 【混迷の原因】 ・日本政治がいま混沌となっている原因は、ポピュリズムである。 ・ポピュリズムの原因は、政治家の堕落。その遠因は、小選挙区の選挙にある。 ・テレビとネットは、むしろポピュリズムを加速させている。 ・大きな転機は小泉元総理の登場で、民主党の鳩山・菅元総理は、政治を完全なポピュリズムにした。 【橋下現象】 ・橋下市長がポピュリズムの最新モデルである。 ・既成政党への不満と失望をベースとして、強いリーダーを国民が待望する空気が、橋下人気となって現れている。 ・過去の例では、ヒトラーや近衛文麿、ロイドジョージなどと橋下市長は共通項がある。特に「白紙委任」は、危険な思想である。 ・人気に擦り寄るだけの勢力を排除し、優秀なブレーンを集め、政策本位の勢力結集をできるかどうか、つまりポピュリズムとの決別が橋下市長の今後の課題である。 【現実路線】 ・2007年の大連立構想が成功していれば、現在の政治混迷は回避できたかもしれない。 ・国会は、過半数256議席では安定しない。常任委員会で決定できる安定多数、あるいは絶対安定多数283議席で、初めて政策決定ができる。 ・民主党の異質な人、自民党らしくない人を排した民・自の中型連立こそ現実的な路線である。 ・55年体制のときの緒方竹虎「欄頭声明~時局を案ずるに、政局の安定は、現下欄頭の急務であって、、」は、いまの政治に全くあてはまる。 【ポピュリズム】 ・ポピュリズムの行きつく先は、古代ローマの「パンとサーカス」に見られる国民の堕落である。 ・米国大統領のテレビ討論(ケネディVSニクソン)で決め手となったのは、メーク技術や、質問に即答し二分三十秒以内で解答する能力でしかなかった。 ・小選挙区は、ポピュリズムを進め、マニフェストは政治を机上の空論にした。 【メディア】 ・テレビの問題点は、「時間的制約」である。ワンフレーズやワンセンテンスの弊害を起こす。 ・一方、新聞は十分は紙面と論理的、体系的な説明が可能である。 ・ツイッターは、140文字の制約から断片的かつ瞬間的な情報しか伝えることができない。 ・社説は、社内で熟議を経ており体系的、論理的である。これは、ツイッターの対極にある。 【ギリシャ化】 ・ギリシャの破綻は、ポピュリズム政治による政治家と国民の堕落の連鎖が原因である。 ・日本の消費税は20%台が妥当であり、増税までの間は無税国債発行によるタンス預金30兆円を引き出し、財政再建の起爆剤とする。 ・社会保障への投資による経済成長策を実行。 ・原発は、地震・津波対策を万全にすることで再稼動するべきである。 ・ポピュリズムとの決別が最大の課題である。
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ナベツネさんが執筆した本書。ポピュリズム型の政治を、過去の日本やアメリカの政治状況を踏まえて、批判している。中選挙区制への回帰を中心とした政治家の劣化は、聞き飽きた議論でもあった。福田内閣時代の大連立構想の内幕も語っていた。今の日本の政治を何とかしないといけないという志はよく理解...
ナベツネさんが執筆した本書。ポピュリズム型の政治を、過去の日本やアメリカの政治状況を踏まえて、批判している。中選挙区制への回帰を中心とした政治家の劣化は、聞き飽きた議論でもあった。福田内閣時代の大連立構想の内幕も語っていた。今の日本の政治を何とかしないといけないという志はよく理解できた。漠然としたもやもやは残る。過去はよかったという回帰論や賢人めいた言葉は、響いてこない。
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いわゆる「政治仕掛け人」のなべつねさんの本なのだが、本当に80代後半の方が書いた文なのかと驚いた。そうとう賢い方なのであろう、流石読売新聞主筆。 内容は納得させられる部分が多い一方、他者他説を批判して自説の正当性を持ち出すというロジックなので、自分の主張の論拠が本文においてはあや...
いわゆる「政治仕掛け人」のなべつねさんの本なのだが、本当に80代後半の方が書いた文なのかと驚いた。そうとう賢い方なのであろう、流石読売新聞主筆。 内容は納得させられる部分が多い一方、他者他説を批判して自説の正当性を持ち出すというロジックなので、自分の主張の論拠が本文においてはあやふやであり、批判・検証が必要であると思う。今僕のその力はないので★4としておく。
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ナベツネってこんなこと考えてたのか。我田引水的なところなしとしないが、今の政治状況に関する危機感、そうなったいきさつなど、頷ける点多し。中選挙区制復活の提案は賛成。
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もうすぐ選挙.私は政治に関わりたくはないが,今回はあまり政治を任せたいとは思えない人が政権をとりそうな予感がして本当に怖い.(私が嫌だなと感じる人は必ず当選する気がする.....)というわけで私の本棚にはあまりない傾向のこの本を手にとった. のだが,この本にも「なんだかなー」とい...
もうすぐ選挙.私は政治に関わりたくはないが,今回はあまり政治を任せたいとは思えない人が政権をとりそうな予感がして本当に怖い.(私が嫌だなと感じる人は必ず当選する気がする.....)というわけで私の本棚にはあまりない傾向のこの本を手にとった. のだが,この本にも「なんだかなー」という感じを抱いてしまった.もちろんいいこともいっているのだが,自画自賛がちょっと多すぎ.私にとって新聞はすっかり過去のメディアなので,読売新聞がいかに素晴らしいか書かれても実感は全くわかない.
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