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トータル・リコール ディック短篇傑作選 の商品レビュー

4.1

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

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2017/11/10

フィリップ・K・ディックのSF短編集。ディックは初めてだったが、生協で「トータル・リコール」を立ち読みしてハマったので買ったのがたぶん一年前くらい。やっと読んだ。 SFはあまり読んだことがないけど、この「そうくるか」というか、思わずニヤッとさせられてしまうラストはたまらなく好き...

フィリップ・K・ディックのSF短編集。ディックは初めてだったが、生協で「トータル・リコール」を立ち読みしてハマったので買ったのがたぶん一年前くらい。やっと読んだ。 SFはあまり読んだことがないけど、この「そうくるか」というか、思わずニヤッとさせられてしまうラストはたまらなく好き。面白かった。 次は(ディックの作品では)やっぱり「アンドロイドは〜」か、もしくはこれと同じく生協で気になった「時は乱れて」「ヴァリス」を読みたい。短編もいいかも。

Posted byブクログ

2017/07/01

■トータルリコール 「自分の記憶は本物なのか」誰もが一度は考えたことがあるようなことが設定となっている話。 何が本物で偽物か?フィリップ・K・ディック作品に通ずるテーマが本書にも埋め込まれています。 ■出口はどこかへの入り口 自分の夢を、正しいことをせず、ただ権力に従う。その結...

■トータルリコール 「自分の記憶は本物なのか」誰もが一度は考えたことがあるようなことが設定となっている話。 何が本物で偽物か?フィリップ・K・ディック作品に通ずるテーマが本書にも埋め込まれています。 ■出口はどこかへの入り口 自分の夢を、正しいことをせず、ただ権力に従う。その結果としての評価が「いい人」である。 「いい人」という評価は誰の視点からかのものか、それが内包する意味は? この評価はむしろ「くそったれ!」なものではないかと考えさせるお話 ■地球防衛軍 設定としては米ソによる世界戦争という、作品の書かれた当時の冷戦の影響を強く受けている。 人類は永遠と戦争を続けるがそれは人類が一つになる過程で必要であったものであると語られる。 人類が人類自身では戦争を終わらせられないであろう諦めと、全人類が一つになったときに何を成しえるかという希望の両方を感じさせる。 ■訪問者 核戦争後の世界を描く話。もはや”人間”にとっては故郷は帰る場所ではなく訪れる場所となる。 なんとなく切なくなるラスト。 ■世界をわが手に 孤独な世界は諦めと狂気を育むだけか。 この世界も誰かの娯楽のために作られただけなのでは? ■ミスター・スペースシップ 機械の体に人間の精神。ありがちな話ではありますが、面白い。 ■非O この作品は正直理解できなかった。特に非Oの存在と設定が。 論理的であるということが正しいことではないといういうことか。 ■フード・メーカー 他人に思考を読まれる息苦しさを感じる。 インターネットの検索内容や個人を特定できない情報としてでも思考を読まれるというのはいい気分じゃないよね。 そして情報が集まるところに権力が形成される。 秘密とは弱さであり、武器である。 ■吊るされたよそ者 始まりには終わっていて、終わりにまた始まる。 ■マイノリティ・リポート 抽象化されされ生み出された「多数」という結果は真実を表しているのか。 神は細部に宿る。

Posted byブクログ

2016/10/03

映画化されたトータルリコール、マイノリティレポートを含む短編集。名作と言われているのは聞いていたが、読むのは初めて。面白い。時代背景からか、核戦争に絡んだ話が多いのも興味深い。 子供の頃、SFはよく読んだが、ここしばらくはご無沙汰。人生後半にたくさんの楽しみが残されている感じがし...

映画化されたトータルリコール、マイノリティレポートを含む短編集。名作と言われているのは聞いていたが、読むのは初めて。面白い。時代背景からか、核戦争に絡んだ話が多いのも興味深い。 子供の頃、SFはよく読んだが、ここしばらくはご無沙汰。人生後半にたくさんの楽しみが残されている感じがして嬉しいかも。

Posted byブクログ

2015/11/26

全体的に読みやすい。翻訳がこなれているからだろう。古い作品なのだがどれも古さを感じさせない。元のアイデアが良いからだ。個人的に印象に残ったのは、「出口はどこかへの入口」「地球防衛軍」「訪問者」「世界をわが手に」の4作品。人の良心を試されているかのようなもの作品が多い。 以下、個...

全体的に読みやすい。翻訳がこなれているからだろう。古い作品なのだがどれも古さを感じさせない。元のアイデアが良いからだ。個人的に印象に残ったのは、「出口はどこかへの入口」「地球防衛軍」「訪問者」「世界をわが手に」の4作品。人の良心を試されているかのようなもの作品が多い。 以下、個別作品の感想。 ◎トータル・リコール 同名の映画の原作。主に映画の前半部分が本編である。この作品では記憶を取り戻した後のストーリーが異なる。淡々とした感じではあるが、しっかりとしていて面白い。昔のSFだなと感じるのは、記憶媒体にテープを使っていること。火星に人類が行ける時代になれば、テープは一般的な記憶媒体ではなくなってると思う。 ◎出口はどこかへの入口 素直に楽しめた。サイバーパンクではないブレードランナー(『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』ではない)の世界観に近いかもしれない。人を試す展開がたまらない。 ◎地球防衛軍 読み始めて戦争の目的に疑問を持った。戦争によって地表が放射能で汚染され、人類は地下で生活するようになり、戦争は完全にロボット兵士が続行するようになった。ある日、地表から放射能汚染されていないロボットが見つかった。それをきっかけに人類が動く。地球を守ったのは誰だろうか、地球を破壊しようとしたのは誰なのか、考えさせる作品だ。 ◎訪問者 人間は地球を破壊しなければ気がすまないのかと思わせる作品だ。ただ破壊しても生き物はしぶとく生き残る。それがかつて人類と呼ばれていた種だとしても。また破壊しても新天地を求める行動を人類はするだろう。フロンティアを求める行動と言えば聞こえはいいが、新たに破壊するものを探しているだけかもしれない。懲りないなあ、人類は。 ◎世界をわが手に 多元宇宙論が元ネタだと思われる。人々が盆栽を育てるように宇宙を育てる機械を持っている世界。人々はまるで神のように宇宙を育て、破壊する。やはり天罰がくだるよね。 ◎ミスター・スペースシップ 膠着状態になっている戦争を打開するために人間の脳をコンピュータ代わりに宇宙船に載せるプロジェクトが実行された。ネタバレになってしまうが、ノアの方舟のような話だ。いい話だと思う。 ◎非(ナル)0 すべてのモノ(オブジェクト)を破壊することが論理的だというのはあまり理解できなかった。非0はストートレックのバルカン人と似たような考えを持つ人々だと自分は考えたが、バルカンがすべてを破壊する行動に出るとは思えないので、あくまでも作者の思考実験と思うことにした。 ◎フード・メーカー 先の展開ができるようにしたある程度見えてしまったので、特筆するのものはない。 ◎吊るされたよそ者 電車の車内で気持ち悪そうにしている人などに手を差し出した方がいいかなと思うときがあるが、何もしないで通りすぎることがある。この話を読んで、もしかするとエイリアンに試されているのかも知れないと考えたら何もしないのが正解となる。冷たい世の中というが、もしかしたら我々はすでにエイリアンの支配下にあるのかもしれない。 ◎マイノリティ・リポート 未来予知ができるようになり、犯罪者を事を起こす前に逮捕できるようになった。一見、素晴らしいように思えるが、使いようによっては人を陥れることもできる。アイデアとして面白く、ストーリー展開もテンポがいいので読みやすい。まあ、未来予知ができなくても、今の政治家は政敵を嵌めるために何でも工作するからなあ。現代の方がよっぽどマイノリティ・レポートを必要としているのかもしれない。

Posted byブクログ

2015/09/26

1990年のほうのトータル・リコールと、マイノリティー・リポートは映画を先に観ていたので比較しながらとなった。全編面白かった。マイノリティー・リポートが特に面白かったかな、予言に振り回される主人公、そして結末も意外だった。

Posted byブクログ

2015/03/22

ディックの短篇は、長篇に比べて読みやすくて解りやすい。そして、とっても面白い! 本書は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「トータル・リコール」(最近はリメイクもされました)やスティーブン・スピルバーグ監督により映画化された「マイノリティ・リポート」の原作を含む全10篇収録の...

ディックの短篇は、長篇に比べて読みやすくて解りやすい。そして、とっても面白い! 本書は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「トータル・リコール」(最近はリメイクもされました)やスティーブン・スピルバーグ監督により映画化された「マイノリティ・リポート」の原作を含む全10篇収録の短篇集です。 地下に潜った人類に代わって、ロボットが地上で戦争を繰り広げる「地球防衛軍」やテレパス(精神感応者)による監視社会を描く「フード・メーカー」、地球外生命体の侵略物として非常にサスペンスフルな「吊るされたよそ者」、そして、プレコグ(予知能力者)により犯罪を未然に防ぐ社会を題材とする「マイノリティ・リポート」などなど、とにかく陰謀を扱った作品が目立ちます。疑心暗鬼とはディックの作品に共通する一種のテーマですが、これらの下地にあるのは、行き過ぎた管理社会や科学技術への痛烈な批判、人類の闘争本能への皮肉であると読み取れます。 ところで、核戦争後の地球を描く「訪問者」や神林長平の「戦闘妖精」を髣髴とさせる「ミスター・スペースシップ」などを読んでいると改めて気づかされるのですが、ディックの作品には先にあげた疑心暗鬼や科学技術への痛烈な批判にあたまが行ってしまうのですが、純粋にオチやアイデアが秀逸な作品が多いですよね。

Posted byブクログ

2014/02/01

映画化された「トータルリコール」、「マイノリティー・リポート」含む10篇の傑作短編集。 ディックの映画化されたものは「ブレードランナー」を除いてつまらないので、この短編集も期待しないで読み始めたのですが・・・ やるではないですか!ディックにサイエンスは期待しませんが、人間(自...

映画化された「トータルリコール」、「マイノリティー・リポート」含む10篇の傑作短編集。 ディックの映画化されたものは「ブレードランナー」を除いてつまらないので、この短編集も期待しないで読み始めたのですが・・・ やるではないですか!ディックにサイエンスは期待しませんが、人間(自分)は何をもってして人間(自分)と呼べるのか?という観点でいろいろな要素に分解して執拗に描くことにかけてはディックは最高です。これは、確かに精神を病んでしまうでしょう。 3.11後の現在に読んでも古びた感じがしないばかりか、今読むからこそ実感できる作品があるということはすごいことです。

Posted byブクログ

2013/10/20

 ≪サイコパス・PSYCHO-PASS≫で引用されている著作を探しているときにたまたま偶然手に取る。あとはまぁ二回ほど映画化されていますし、ね。  ≪トータル・リコール≫は五十ページくらいの薄い薄い作品でこれが二度も映画化されるほど引き伸ばされるなんてすげーとおもいました。  ...

 ≪サイコパス・PSYCHO-PASS≫で引用されている著作を探しているときにたまたま偶然手に取る。あとはまぁ二回ほど映画化されていますし、ね。  ≪トータル・リコール≫は五十ページくらいの薄い薄い作品でこれが二度も映画化されるほど引き伸ばされるなんてすげーとおもいました。  ≪フード・メーカー≫はなんかまんまサイコパス・PSYCHO-PASSやなぁと。アニメはヘルメットでしたがね。これに感銘を受けたのでしょうか。  ≪マイノリティ・リポート≫もこの作者さんが書いていたということでびっくらたまげました。  なんだこのフィリップ・K・ディックという人は……。  脳味噌どうなってんだ……。

Posted byブクログ

2013/06/16

トータルリコールって全50ページの短編だったのか・・・ ってことで読始。  SFよむならフィリップKディックの作品読まなきゃ。 ってのもあって、半信半疑で読みすすめたけど、1960年代にこれ書いたのがすごいよなーと感動。

Posted byブクログ

2013/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いろんな世界観の短編集。ロボットに戦争を任せる話が好きです。 酷評の初翻訳作品も面白かった。ハリウッド映画っぽいオチとか。SF素人ゆえでしょうか。

Posted byブクログ