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「本当のこと」を伝えない日本の新聞 の商品レビュー

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81件のお客様レビュー

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2012/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

発表内容を只載せることに価値はあるのか? 数日後には分かることを知るために企業の重役などと懇意になる必要などあるのか? という意見を読むと、日本のニュースを見て、ニュースとはそういうものだと思っていた身からすると、「欧米のジャーナリストはこうなんだろうな〜」というのをわからせてくれて、面白かった。 ただ、日本の報道の姿勢が良いのか?欧米が良いのか?それをこの本の意見のみで判断するのは早計な気もする。 書かれていることの多くは納得できるけど、恐らく日本の報道にも欧米より良い所もあるだろうから。 ところでこの本、訳者が記載されていないということは、ご本人が書かれたんでしょうね。日本語達者だなぁ。

Posted byブクログ

2012/10/28

 日本で活躍する海外メディアのジャーナリストの目を通して見た日本の新聞をはじめとするジャーナリズム評論。  彼が主に指弾するのは,記者クラブを通じて得た情報を転載するだけの日本の新聞である。  彼は,日本の新聞が自分の足で目で耳で尋ね求めるのではなく,ただ記者クラブに投げ込まれる...

 日本で活躍する海外メディアのジャーナリストの目を通して見た日本の新聞をはじめとするジャーナリズム評論。  彼が主に指弾するのは,記者クラブを通じて得た情報を転載するだけの日本の新聞である。  彼は,日本の新聞が自分の足で目で耳で尋ね求めるのではなく,ただ記者クラブに投げ込まれる情報や企業にとりいって与えられる情報だけを頼りに新聞を作る日本の新聞にジャーなリズムとして一番基本的な大事なものが欠けているとみている。  そこには真実を暴く姿勢や,権力と真に戦う姿はない。しかしジャーナリズムは政府や強者をいつも批判しまくっているようにみえる。  そのパラドックスはなんなのだろう。  この本が私に考えさせたのはその点である。    私は日頃,日本のメディアは,戦前戦中に戦争を翼賛したことを食材するかのように,戦後はその逆になんでもかんでも万年野党の様に政府や権力者や利権を叩きまくり,それでジャーナリズムの使命を果たしているかのようにはき違えた行為を取り続け,その結果,日本政府批判そのものが目的化し,結果的に日本憎しの韓国や中国の論調に迎合することになってきたという捉え方をしてきている。  つまり日本のマスコミは日本を貶める方向にちからをかけ続けてきているというのが私の印象である。  それに対して,この本は日本のマスコミは批判精神が足りずに,与えられた情報を垂れ流し続けてきているだけであるというトーンの主張である。  これは裏を返すと批判精神が足りないというふうにも受け取れる。つまり私の捉え方と真っ向から対立するようにも思えたのである。  しかし記者クラブ制度というものに対する弊害については多くの識者が同様の主張をしている。  わたしはこの本をきっかけに,二つの見方はどちらが正しくどちらが間違っているのか・・・あるいはどう両立しうるのかを考えてみるハメに陥ったのである。  結果から言えばわたしはこういう理解をすることにより両方の見方は両立するのではないかと考えるに至った。  新聞記者は戦後直後は革新的な考え方を標榜し,戦前前中の反省も含めて確かに政府批判を意識して主張を組み立ててきたのだが,戦後次第に社会が豊かになり,マスコミ業界自体に安直に現状に安住しようとするサラリーマン根性の人たちが増殖し,記者クラブを通じて入手するニュースソースに依存を強めていったのではないか。その結果として活力を失っていったのではないかと思う。  しかしそれでもマスコミやメディアの存在証明としての批判精神を失ってはならないという意識から批判姿勢だけは維持した。  言われた通りに書いていながら,批判する。政府や権力に対して無条件に脊髄反射で批判・反対し,その逆に弱者とみなせるものへは盲目的に迎合していった。  つまり彼らの批判は,批判する対象を意識し,何かの思想や見識に立脚して批判したり支援したりするのではなく,「それらしそうなもの」を批判し,「それらしそうなもの」を支援するというだけのマスコミになり下がっていったのである。  この推論が外れてくれていればむしろ日本にとってはいいのことなのだが,残念だが・・・・こう考えると,きわめて残念なことになんだかとてもすっきりと理解できるように思うのである。

Posted byブクログ

2012/10/25

ニューヨーク・タイムズ東京支局長の著者から見た日本の新聞メディアの実態。なかなか細かいところまで書き記されていてとても興味深かった。 官僚と記者クラブの癒着が、日本の新聞メディアからジャーナリズムを奪ったと激しく批難。そしてこれからのソーシャルメディアの時代で、新聞メディアがあ...

ニューヨーク・タイムズ東京支局長の著者から見た日本の新聞メディアの実態。なかなか細かいところまで書き記されていてとても興味深かった。 官僚と記者クラブの癒着が、日本の新聞メディアからジャーナリズムを奪ったと激しく批難。そしてこれからのソーシャルメディアの時代で、新聞メディアがある姿とは?という提示も。 本書読書中、読売のiPS細胞報道問題、週刊朝日の橋下氏の連載問題など、日本の新聞メディアのブザマさが露呈されていたが、本書を読むとそりゃそうなるよなと思えてくる。 印象的だったのは、アメリカやフランスなど諸外国は市民革命の経験があり国民やメディアが権力を監視しようとする意識が高いのに対し、日本は市民による革命が起きたことがないから、国民もメディアも権力に対して受け身であるという指摘。なる程な、と。

Posted byブクログ

2012/10/28

ニューヨーク・タイムズ東京支局長である、マーティン・ファクラー氏の著書。 3.11東日本大震災にまつわる一連の報道に関わった自身を含む東京支局スタッフがピュリッツァー賞国際報道部門のファイナリスト(次点)に選出された。これは過去に例の無い画期的なことらしい。 この本は、その3.1...

ニューヨーク・タイムズ東京支局長である、マーティン・ファクラー氏の著書。 3.11東日本大震災にまつわる一連の報道に関わった自身を含む東京支局スタッフがピュリッツァー賞国際報道部門のファイナリスト(次点)に選出された。これは過去に例の無い画期的なことらしい。 この本は、その3.11東日本大震災にまつわる現地取材と、その後、発生した原発事故に対する取材をどのように行ったのかについて詳細に書いている。 対して、その当時日本の大手新聞社はどのように情報を得て記事を書いていたのか。それは記者クラブでの会見から情報を得て記事にしていた事、さらにその情報が必ずしも真実とは言えない事、結果どの新聞社の記事も、本当か分からない内容を同じように書いていた事、今では実感として理解できる。 そして今、大手新聞の発行部数が急激に減少していること、この原因の一つに、記者クラブがあると指摘している。この流れを止めるには、与えられた情報ではなく、独自に取材をして得た、信頼できる記事を書き続ける事が必要との事。 今、中国との尖閣諸島問題、韓国との竹島問題それにオスプレイの沖縄配備等、いろいろな情報が錯綜しているが、真実はどこにあるのか?アメリカは何を求めているのか。。。 真実はどこにあるのか?

Posted byブクログ

2012/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本のマスコミがダメダメなのはわかっているけど、海外メディアからこうもハッキリと言われてしまうと、なんだか情けなくなってくる。 しかし、彼らにはもう自浄作用も自助努力も期待できないだろうなぁ。 こういう風にしか思えないところが、もはや末期的なのだが。はぁぁぁ…。

Posted byブクログ

2012/10/04

震災以降、今までにないほど海外紙の存在感を肌で感じるようになった。自分の興味の向く先が変わったところもあるんだろうけど、日本の報道が構造的に持つ、根の深い問題があるのは感じ取れる。 感じたことを一つだけ。 記者クラブに代表される硬直化した日本のマスコミが変わるのを待つよりも、...

震災以降、今までにないほど海外紙の存在感を肌で感じるようになった。自分の興味の向く先が変わったところもあるんだろうけど、日本の報道が構造的に持つ、根の深い問題があるのは感じ取れる。 感じたことを一つだけ。 記者クラブに代表される硬直化した日本のマスコミが変わるのを待つよりも、英語ソースの報道を読めるようになるほうが、自分の英語力を考えたとしてもまだ早そうだ。 いずれにしろ時間が必要なことだけども、少なくとも自分の問題である限りは、後戻りはない。

Posted byブクログ

2012/09/29

思い浮かべて見る限り、著者の言うように主要新聞は何処も同じようなニュースが一面を飾ってる気がする。ジャーナリズムをもっと広く捉えれば、TVでは新聞の紙面を利用して時間を使ってる。今ではアプリで全国の地方紙の社説を読める物もあるので、そういった物に目を向けて見ようかという気になった...

思い浮かべて見る限り、著者の言うように主要新聞は何処も同じようなニュースが一面を飾ってる気がする。ジャーナリズムをもっと広く捉えれば、TVでは新聞の紙面を利用して時間を使ってる。今ではアプリで全国の地方紙の社説を読める物もあるので、そういった物に目を向けて見ようかという気になった。気骨あるジャーナリストに出会えるチャンスがそこに有るかもしれない。

Posted byブクログ

2012/09/28

過激な内容ではなく、至極真っ当なことが書かれていると思った。ほとんど新聞やテレビからしか情報を得ていない方々が、他のメディアに触れるきっかけになればなと思う。

Posted byブクログ

2012/09/22

東日本大震災における日本メディアの報道では、遺体に関する映像、描写は意図的に避けているが、NYタイムズ紙では遺体の写真を載せたようで、本書でも車中に取り残された遺体、高所に引っかかってっている遺体、波にもまれ裸となった遺体について断片的に記述している。

Posted byブクログ

2012/09/22

日本駐在の記者として経験してきた、筆者の記事の集大成と言う趣きの新書です。URLがたくさんあります。 ジャーナリズムは、政府のWatch Dogであるべき。なのに記者クラブなどという枠組みを維持する日本の新聞は、ジャーナリズムの風上にも置けない。という観点から彼の取材活動の紹介を...

日本駐在の記者として経験してきた、筆者の記事の集大成と言う趣きの新書です。URLがたくさんあります。 ジャーナリズムは、政府のWatch Dogであるべき。なのに記者クラブなどという枠組みを維持する日本の新聞は、ジャーナリズムの風上にも置けない。という観点から彼の取材活動の紹介をしています。市民VS体制側という構図があるのは分かるのですが、あまりにシンプルに考えすぎていないか?と思います。 読み物としては情報がたくさんありますので、この数年のニュースの集大成と考えるとよい参考書なのかもしれません。

Posted byブクログ