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「本当のこと」を伝えない日本の新聞 の商品レビュー

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81件のお客様レビュー

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2021/01/14

日本のあらゆる分野に閉塞感が蔓延しているのは、1940年体制とか55年体制とか言われる「体制の硬直性」に起因するのだろうが、より本質的には「学歴主義」偏重によるのかもしれない。 官界・産業界・学界そしてマスコミ界も含めて、東大を頂点とした絶対的ヒエラルキーを作っているのは不思議な...

日本のあらゆる分野に閉塞感が蔓延しているのは、1940年体制とか55年体制とか言われる「体制の硬直性」に起因するのだろうが、より本質的には「学歴主義」偏重によるのかもしれない。 官界・産業界・学界そしてマスコミ界も含めて、東大を頂点とした絶対的ヒエラルキーを作っているのは不思議な光景と言わざるを得ない。あたかも徳川江戸幕府のような堅牢さを見せている。 本書のポイントもその東大ヒエラルキーと記者クラブ制度の世界標準から見た可笑しさを厳しく指摘している。しかし原発問題にみられるように、国民の実害の大きさを踏まえると到底笑って済ませるものではない。もしかすると、戦前の亡国への道を再現することになることが危惧される。国家戦略レベルについては「無謬性」が確固たるものとされ、小さな失敗を学習する健全さが機能しないと、最終的には「破綻」へまっしぐら、とならざるを得ない。 細かいDataにこだわる瑣末主義より、大きなストーリーを大事にすべき 世界でも稀に見る「記者クラブ」制度 韓国は2003年盧武鉉ノ・ムヒョン大統領が廃止 ジャーナリズムは番犬watch dog =権力の監視者 →日本では官僚制度の番犬 日本のジャーナリストはエリート 高学歴・高収入 考えてみると、どの業界もヒエラルキーになっていて、上層部は高学歴・高収入 新卒・年功序列はヒエラルキーを支えている  多様なキャリアと実績を踏まえてプロフェッショナルを育てていく仕組みがなく、 日本のエリートは純粋培養で、結局ひ弱さが克服できない海外のエリートと比べると歴然 戦後体制の既得権=特権層を見直すことにより、 新産業・新アイデアを現実化する活力を実現する 若者・チャレンジャーが成長できる 政治体制変革の第二幕 93年と同じで自民に戻っては、歴史が逆回転し体制が戻るだけ それでは未来は拓けない!

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2020/12/12

著者はアメリカの大手新聞社「ニューヨーク・タイムズ」の東京支局長を2005年から6年間に渡って務めたジャーナリスト。2011年に起こった東日本大震災と原発事故という国難に際して「権力者の代弁」をたれ流す日本のマスコミに異を唱えつつ、新聞の無力さの裏側に潜む「ジャーナリズムの欠落」...

著者はアメリカの大手新聞社「ニューヨーク・タイムズ」の東京支局長を2005年から6年間に渡って務めたジャーナリスト。2011年に起こった東日本大震災と原発事故という国難に際して「権力者の代弁」をたれ流す日本のマスコミに異を唱えつつ、新聞の無力さの裏側に潜む「ジャーナリズムの欠落」という根本的な問題を深堀りしながら「新聞不信」の真実を暴く。

Posted byブクログ

2020/06/01

記者クラブは数十年も前から良識ある記者たちの間で問題視されてきたが依然健在である。著者のジャーナリズムに対する理念や情熱には頭が下がるが、恐らく新聞社がことごとく潰れるまで記者クラブがなくなることはないだろう。 その理由は3つある。一つは記者クラブのインサイダーたちは自分たちが行...

記者クラブは数十年も前から良識ある記者たちの間で問題視されてきたが依然健在である。著者のジャーナリズムに対する理念や情熱には頭が下がるが、恐らく新聞社がことごとく潰れるまで記者クラブがなくなることはないだろう。 その理由は3つある。一つは記者クラブのインサイダーたちは自分たちが行き詰っているなど露ほども感じていない。抜いた抜かれたの厳しい競争から守ってくれるありがたい身内同士の寄り合い所帯である。誰がわざわざこれをなくそうと思うか。 2つ目は記事の質が上がろうとも新聞が売れることがないから。自動車や家電なら画期的な新商品がでれば誰もがその違いが分かるし、欲しいと思う。しかしジャーナリズムの良し悪しがわかる人はそうはいないし、新聞を記事の品質で購読する人も少数派だ。何となく社の論調が自分の考えに合っているとか、果ては巨人戦のチケットがもらえるだとか、そんな理由で購読している人が大半ではないだろうか。もし発表ジャーナリズムから決別した新聞が売れるのなら、週刊文春は売れまくりだわな。 最後の理由はニュースのリリース側にとって都合がいいから。先日も朝日、産経記者と検察幹部の麻雀が「文春砲」に攻撃されたが、マスコミとの良好な関係は官僚にとってもメリットが大きいのだ。記者クラブの特権を与えて飼殺した方が良いに決まってる。 残念なことだが、この国には健全なジャーナリズムが報われる土壌はない。

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2019/03/25

良書。現在なのか、過去からなのか、日本は職業上の矜持を失いつつあるのではないかと思う。昨今、心を撃つ記事が少なくジャーナリズムの躍進に期待したいし、自分自身もそこに助力したい。

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2018/11/25

なぜ、日本の新聞は本当のことを伝えないのか、アメリカと比較して述べている。ジャーナリストの姿勢、市民とマスメディアとの関係、記者クラブ問題を取り上げている。メディアが権力の監視機関としての役割を果たすためには、我々市民がメディアに対して働きかけが必要だと思う。権力におもねるメディ...

なぜ、日本の新聞は本当のことを伝えないのか、アメリカと比較して述べている。ジャーナリストの姿勢、市民とマスメディアとの関係、記者クラブ問題を取り上げている。メディアが権力の監視機関としての役割を果たすためには、我々市民がメディアに対して働きかけが必要だと思う。権力におもねるメディアは見たり、読んだり、買ったりせずに、しっかりとしたメディアを支援すべきだろう。Video News.comの神保哲生氏、IWJの岩上安身氏を私は支持します。

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2018/10/09

確かに取り上げるニュースの重さは各紙違うけれど、全国紙は似たり寄ったりの記事で、全紙読んでも意味ないかもなぁ。

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2018/01/15

★あわてて全体像を書こうとしても無理。初期報道には小さな物語やディテールが重要 ★記者はWatch Dog ★関係機関の発表の横流しはノーバリュー

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2017/06/16

記者クラブ制度に象徴される日本の大手新聞の閉鎖性、大政翼賛会的意識を嘆く。NYタイムスの東京支局記者。発刊が2012年オバマ政権時代なので、9.11の時のアメリカマスメディアの行動を反省しつつも、報道の自由を信じて疑ってない。現在のアメリカ第一主義風潮の中でのメディア動向が知りた...

記者クラブ制度に象徴される日本の大手新聞の閉鎖性、大政翼賛会的意識を嘆く。NYタイムスの東京支局記者。発刊が2012年オバマ政権時代なので、9.11の時のアメリカマスメディアの行動を反省しつつも、報道の自由を信じて疑ってない。現在のアメリカ第一主義風潮の中でのメディア動向が知りたいところ。

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2017/03/23

記憶に新しい、東日本大地震。 あの日以来、日本の新聞、テレビなどの情報隠蔽体質が如実になった。 現地の人々にいち早く知らせなければならない内容を隠し、遅らせていた。 日本の各記者クラブは政府、当局から流されたプレスリリースを右左で垂れ流すだけであった。 だからこそ、あの時、新た...

記憶に新しい、東日本大地震。 あの日以来、日本の新聞、テレビなどの情報隠蔽体質が如実になった。 現地の人々にいち早く知らせなければならない内容を隠し、遅らせていた。 日本の各記者クラブは政府、当局から流されたプレスリリースを右左で垂れ流すだけであった。 だからこそ、あの時、新たなメディア、特にソーシャルメディアが一早い情報源となった。もちろん、情報の信憑性もあったが。 あの時、ソースは?ソースは?という言葉が跋扈した。 しかしながら、それが本来、ジャーナリズムの基本。当時、一般人のスタンスがジャーナリズムになっていた。 いつの時代もだが、非日本人によって日本のことを書かれたものは、実に端的に書かれるな。 本作は、日本の新聞、またそこに蔓延る閉鎖的、封建的な日本の記者クラブ、果ては日本のメディア全体に警鐘を鳴らす、有難い助言的な一冊。 良書でした。

Posted byブクログ

2016/05/31

アメリカの記事が署名入りで、自ら取材、意見を述べることに共感。 日本の記者は現場に来ず、電話取材をして、もし誤りがあれば責任転換する実例を思い出した。

Posted byブクログ