花々 の商品レビュー
「日本ラブストーリー大量」を受賞した「カフーを待ちわびて」の姉妹編。「カフーを待ちわびて」は明青と幸の結末がわからず、クリフハンガー的な終わり方でした。本作は続編ではなく、スピンオフ作品という印象。「カフーを待ちわびて」の主人公、明青と幸の周辺の人々とともに、旅人の純子が経験する...
「日本ラブストーリー大量」を受賞した「カフーを待ちわびて」の姉妹編。「カフーを待ちわびて」は明青と幸の結末がわからず、クリフハンガー的な終わり方でした。本作は続編ではなく、スピンオフ作品という印象。「カフーを待ちわびて」の主人公、明青と幸の周辺の人々とともに、旅人の純子が経験する日常がホウセンカ、サガリバナ、ハンカチの花といった「花々」が添えられて描かれます。 本作の主人公の純子は、いわゆる沖縄病。都会で働く三十歳前後の女性が生活や人生やなんだかんだに飽き飽きして、沖縄にやってきていつのまにか居着いてしまう「病気」です。ただ、純子には母親との非常に辛い過去があり、その過去に振り回されています。 本作の主題はちょっとテンパってしまった三十前後の女性が再生のためのきっかけ探しですが、小説の出来としては「さいはての彼女」の方がずっと上と思います。また、本の長さはたった218ページ。しかも、1行の文字数が少ない割に価格は692万円。宝島社の商業主義を感じます。 それでも、私はこの小説が気に入りました。大好きな「カフーを待ちわびて」の世界観を再び体験できるというのは大きいです。明青と幸の顛末も触れられています。2人を見守っていた私としては2人の消息が知れたことに満足しました。 本作は小品であり、この本単独であってもそこそこの心地よさは得られると思います。でも、やはり、「カフーを待ちわびて」を読んでから本作を読むべきです。そして、本作を読んだら、また「カフーを待ちわびて」を読みたくなり、沖縄に行きたくなりました。
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それぞれ良いが、“千と一枚のハンカチ”が特に秀逸。知花子のストーリーにのめり込む...。前作を読んでいなくても楽しめるが、読んでいた方がより楽しめる。 相手を思う気持ちと自身の大事にしてきたものを紡ぎたい思い...。すっと胸に染み入る。
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純子と成子がこれまでの人生で向き合ってきたもの。奄美諸島の島々を旅(取材)しながら見つけたそれぞれが背負う「宿命」を選択。 *「千と一枚のハンカチ」が、特に良かった♪ 小高い丘の上にいっぱい咲く白いハンカチーフの景色は、想像するだけで幻想的。 木綿一の言葉にはホロリ。 そしてラ...
純子と成子がこれまでの人生で向き合ってきたもの。奄美諸島の島々を旅(取材)しながら見つけたそれぞれが背負う「宿命」を選択。 *「千と一枚のハンカチ」が、特に良かった♪ 小高い丘の上にいっぱい咲く白いハンカチーフの景色は、想像するだけで幻想的。 木綿一の言葉にはホロリ。 そしてラストの短編『花だより』のタイトルの意味を知り、嬉しさと温かい気持ちに包まれました♪
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沖縄の島を舞台にした恋愛小説「カフーを待ちわびて」の主人公の傍らでくりひろげられていたサイドストリー。じわりとくる感動の中で、それぞれが人生の主人公だということがわかる。改めて著者の高い構想力には感服する。 それにしても「カフーを待ちわびて」は素晴らしいタイトルだ。18年の前にな...
沖縄の島を舞台にした恋愛小説「カフーを待ちわびて」の主人公の傍らでくりひろげられていたサイドストリー。じわりとくる感動の中で、それぞれが人生の主人公だということがわかる。改めて著者の高い構想力には感服する。 それにしても「カフーを待ちわびて」は素晴らしいタイトルだ。18年の前になるが、サッカーブラジル代表の有名選手「カフー」を横浜Fマリノスが獲得するという噂が流れた。しかし、なかなか正式発表はない。FC東京のサポーターが、マリノスとの試合の前に「カフーはどうした!」とコールして挑発したことがあった。当時、横浜Fマリノスのサポーターは、文字通り「カフーを待ちわびて」いたのだった。 昨年、当のカフーはインタビューの中で「マリノスとは入団の合意があったが、ACミランから急遽オファーを受けて、マリノスとの契約をキャンセルした」と明かしている。その違約金で獲得した選手が活躍し、2003年シーズンに続いて、2004年シーズンもマリノスはリーグ優勝した。結局「カフー」(幸せな報せ)がもたらされたと考えるようにしている。
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「カフーを待ちわびて」のサイドストーリーで、様々な境遇で強く生きる女性たちの視点で描かれています。出てくる女性たちは皆んな、応援したくなる素敵な人たちです。「カフーを待ちわびて」の気になるラストもスッキリしました。携帯メールが主流の今ですが、手紙を書きたくなりました。
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ラブストーリー大賞シリーズなんですね。 ラブストーリー?まぁそうかもしれませんが。 恋愛重視ではない良い本を探していた私には良い本でした。
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沖縄の離島を旅した感覚。離島の匂い、風を感じられた。 かみさんの実家が沖縄の離島だから、本当に懐かしい感じがした。これぞ本が持つ醍醐味。 全て女性目線でかかれているのだけど、男でも清々しさに浸れる内容になっている。 原田マハの描写は本当にすごい。とあらためて感じた。
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ストーリーの節々に出てくる色々な花、見てみたいな。というより、これを読んだら沖縄の離島を旅したくなった。温かい一冊だった。
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奄美諸島の島々を舞台に女性たちが出会って、涙する。 純子さんにも成子さんにも共感できる部分があって、沖縄の自然豊かな空気を感じながらあったかい気持ちで読めた。 『カフーを待ちわびて』とつながりがあったのは知らなかった。 こちらも読んでみたい。
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『カフーを待ちわびて』のサイドストーリー。 原田マハさんの小説ばかり続けて読んでいると、似たような登場人物が多いと気づく。仕事で多忙を極め、キャリアを積む一方で、私生活でつまづいたり、時にはその職から離れることになったり。人生でいちばん大事なものを大切にして下さい、というメッセ...
『カフーを待ちわびて』のサイドストーリー。 原田マハさんの小説ばかり続けて読んでいると、似たような登場人物が多いと気づく。仕事で多忙を極め、キャリアを積む一方で、私生活でつまづいたり、時にはその職から離れることになったり。人生でいちばん大事なものを大切にして下さい、というメッセージが所々に散りばめられているような気がする。原田さんの経験を踏まえてなのかな。分からないけれど、そんな気もする。
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