おしまいの日 の商品レビュー
みっちゃんは本当に変だったのか? おかしいのは、春さん? なんというか不思議でちょっとゾッとした。 日常ホラー、面白い。 新井素子さんって、扉を開けてとか、そっちの印象だった。 でも、現在の現実をきちんと見据えてるから、それ以外も描ききれるんだ、とこの本を読んで思った。
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再読 なんだかしょーもない女だなぁ、なんて思って読んでいたけどクミの言葉通り、おかしい、変の基準の曖昧さを読後に感じた。彼女のおかしさに気づかない夫 これこそ変。そんな体制の会社も変。と考えていくと彼女の言い分が全うな気がしてきて・・?
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新井素子さんにはまってさっそく2作目。 これもすごかった…。 解説にも書いてあったけど,「誰がおかしいのか」。 春さんの結末をどこかで知っていたから,三津子さんは去ることを決めたんだろうな。
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17/04/05 (26) やー恐怖。でもこんな奥様いらっしゃるのでしょうね。好きすぎるってこわいなあ。やさしいようで全然やさしくなくて、つまりは興味関心がないていう、こんな旦那はいやだわなー。この旦那にしてこの妻あり、な感。
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会社に振り落とされぬよう滅私に努める。ってこの感覚、 当時としてはこれで普通と言うかあるある話だったんでしょうかね。やっぱり。 現代的な目で見てしまうと、どうも誇張され過ぎと言うか芝居がかって見えてしまう印象でした。 それは自分がそういう世代の人間じゃないからなのか、 『小説だから』というフィルターがかかっているだけなのか・・・。 三津子が壊れていく様はじっくり描かれていたので読み応えありましたけどね。 ただ人格崩壊と二重人格を混同させてしまっているような。 久美に宛てた最後の手紙で 『実は三津子は完全に狂った訳じゃなく、非常に不安定な状態にあり自らの意志で姿を消した』 というネタバレがいい具合に後味の悪さを演出しているんだと思いますが、 平常時の三津子がしっかりし過ぎますよね。 この手紙から見て取れるのは、凄く強い意志を持った女性なんですよ。 だったらなぜその強い三津子の時にもっとどうにかしようと動かなかったの?って話。 変になっていってるのも自覚症状あるみたいだし、 本当にギリのギリまで事なかれ主義で流していたのかい?ってね。 まぁ時代が時代だから今で言う心療内科って選択肢が出にくいのもあるだろうけどさ。
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ヤンデレ小説? 此をどう分類したらいいか。悩みました。帰宅時間が遅い夫を待つ妻。妻の夫に対する愛が最初から強く、誰にどんな事を云われても其を最後まで貫く。ある意味芯はしっかりしている。しかし、それは徐徐に崩壊していく。友人の助けもきかず、どんどん悪化していく。最後も後味が良いと...
ヤンデレ小説? 此をどう分類したらいいか。悩みました。帰宅時間が遅い夫を待つ妻。妻の夫に対する愛が最初から強く、誰にどんな事を云われても其を最後まで貫く。ある意味芯はしっかりしている。しかし、それは徐徐に崩壊していく。友人の助けもきかず、どんどん悪化していく。最後も後味が良いとは云えない。
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専業主婦の三津子は多忙な夫・忠春に献身的に尽くす。 夜遅くまで帰ってこない夫を待ちながら段々と壊れていく三津子を描いた物語。 人間ホラーな雰囲気だったけれど、そんな要素は薄かった。 三津子の日記をベースに話は進むが、日記は正常でない三津子の思考が溢れている。 対して三津子や夫、...
専業主婦の三津子は多忙な夫・忠春に献身的に尽くす。 夜遅くまで帰ってこない夫を待ちながら段々と壊れていく三津子を描いた物語。 人間ホラーな雰囲気だったけれど、そんな要素は薄かった。 三津子の日記をベースに話は進むが、日記は正常でない三津子の思考が溢れている。 対して三津子や夫、三津子の友人視点となる部分は三津子の妄想とのギャップを描いた形式。 相変わらず文章は癖があるし冗長であるが、世界の作り方、最後まで突き進む勢いは凄い。 三津子とどこまでシンクロできるかが鍵。 新井さんの文体は得意じゃないのでどうしても距離を置いて読んでしまった。
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仕事が忙しすぎてほとんど家にいない夫に対して、彼を待ち続ける妻がだんだんと壊れていってしまったのかと思いきや、最後の告白では強い女性の姿が現れる。物語の牽引役となっている日記が強い印象を与えている。
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エピローグで一気に畳み込まれて、そこでタイトルの真の意味も判りました。一応ホラーな感じですが、幸か不幸か新井さん独特の文体のせいで、あまり怖い感じはしません。日本の企業社会への批判精神にも満ちていますが、これが書かれたバブルピーク時より現在の方が状況はより深刻かもしれません。
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忙しすぎる夫を持つ主人公が、日々積み重なった『さみしさ』のせいで少しずつ歯車を狂わせていき、とうとう『おしまいの日』を迎えるという話。主人公の書く日記の内容は彼女にとっての現実と幻想が入り混じりつつ(恐らく自分では認めたくない部分に)縦線が入れられ、塗り潰され、最後にはページが破り捨てられるのだが、その過程がとんでもなくホラー。
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