エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 の商品レビュー
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時代を感じる怖さで好きでした。 怖いけれど、面白かったです。 挿絵だけでも、ゴーリーの不気味さがありありと伝わってきます。 ・R・H・モールデン「十三番目の木」 ・B・ストーカー「判事の家」 ・W・W・ジェイコブス「猿の手」 ・M・R・ジェイムズ「古代文字の秘法」 が特に好きでした。 判事の家以降は全部怖かったです。 「判事の家」、ボスネズミの正体は明言されるけれど、ほかのネズミたちはこれまでの犠牲者なんじゃないかと思いました。 ロープに取り付いて引っ張ってくれるし。間に合わなかったけれど… 「死体泥棒」のモチーフはジョン・ハンター先生からかなぁ。大好きな解剖学者だから嬉しかった。 そういえば現地の方が喋る言葉、「十三番目の木」では九州弁、「大理石の骸」では関西弁なのが面白かった。訳者の宮本さんの特徴なのかな?
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シニカルというよりブラックな作風の絵本作家(挿絵画家)であるゴーリーが編んだ名作怪談集。過去に借りて読んだが、入手出来たので再読。 「空家」A・ブラックウッド オーソドックスな幽霊屋敷もの。 「八月の炎暑」W・F・ハーヴィ 画家ジェイムズが散歩の途中偶然立ち寄った石碑工房で...
シニカルというよりブラックな作風の絵本作家(挿絵画家)であるゴーリーが編んだ名作怪談集。過去に借りて読んだが、入手出来たので再読。 「空家」A・ブラックウッド オーソドックスな幽霊屋敷もの。 「八月の炎暑」W・F・ハーヴィ 画家ジェイムズが散歩の途中偶然立ち寄った石碑工房で見つけた墓石には偶然にも自分の名と今日の日付が刻まれていて……符号が不気味すぎる有名な短編。結末が秀逸。 「信号手」C・ディケンズ 谷間にあるトンネル出口の詰所で信号手をしている男の恐怖譚を主人公が聞く。青空文庫でも読める、あまりにも有名な話。が、しかし、未だに理解出来てない部分があるかも。 「豪州からの客」L・P・ハートリー 作者名から期待したほどではなく……幽霊が復讐しにくる系の話。ホテルでの誕生パーティの描写が不気味。 「十三本目の木」R・H・モールデン 代々直系男子が早死にする家とその屋敷から見える十三本の木の幻覚(亡霊?)の話。 「死体泥棒」R・L・スティーヴンスン 外科教授の助手らが解剖用の遺体入手に苦慮し、不幸な偶然から犯罪に手を染めていく。 「大理石の軀」E・ネズビット 田舎の格安の家に越してきた新婚夫婦が、教会にある大理石の彫像にまつわる怪異に襲われる。関係ないけどお手伝いさんが一週間休む位でこの世の終わりみたいに嘆く新妻に苦笑。そんなに家事苦手なのか(笑)。 「判事の家」B・ストーカー さすがストーカー。『吸血鬼ドラキュラ』を読んだときも思ったけど、すごく視覚化した描写をする人なんだよね。悪辣な判事だった男の住まいを借りた学生の話。終盤かなり恐ろしい。 「亡霊の影」T・フッド 女性と恋人の間に横恋慕した男とその顛末。この男がなんとも言えず自分本位なやつで気持ち悪い。男の影が二つあるのに主人公が気づいた描写は不気味だった。 「猿の手」W・W・ジェイコブズ 何度か読んだけど、あらためてお手本のように上手い怪奇短編。ただ、曹長はそもそも猿の手をホワイト家族に見せるべきじゃなかった。もしかしたらわざと興味を惹くようなことを言って、この幸せな家族の壊れる様を見たかったのではとまで深読みしてしまう。 「夢の女」W・コリンズ こちらも何度か。夢で殺されそうになった女とそっくりな女性となぜか結婚してしまう主人公。お母さんがあんなに反対したのに…… 「古代文字の秘法」M・R・ジェイムズ これは面白かった。古代文字にたぶん呪いがこもっていたのだと思うけど、邪悪な錬金術師に逆恨みされた博物館職員らが対抗手段に出る。
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ホラー?怪談?ミステリー? いや、怪奇小説というのがしっくりくる。 いわゆる「怖い話」とは違う。短編でありながら、どの物語も世界観や時代の空気感が強く感じられ、ひとつひとつの物語がとてもシリアスでリアルなのが良い! なんだかんだ、正統派の「空き家」、ゾクゾクするよねぇ…「死体泥...
ホラー?怪談?ミステリー? いや、怪奇小説というのがしっくりくる。 いわゆる「怖い話」とは違う。短編でありながら、どの物語も世界観や時代の空気感が強く感じられ、ひとつひとつの物語がとてもシリアスでリアルなのが良い! なんだかんだ、正統派の「空き家」、ゾクゾクするよねぇ…「死体泥棒」は完全に犯罪の怖さだし「亡霊の影」「古代文字の秘宝」は、ヒトコワでもある。 「判事の家」「大理石の躰」はムナクソだった。 恐怖にも色々あるもんだなぁ、と感心しながら読んだ。 江戸川乱歩、アガサ・クリスティ、シャーロック・ホームズ、そのへん好きなら面白く読めると思う。 全体的に暗くて、昼も夜も灯りの届かない場所が必ずあって、建物は石造りで固く冷たい。 一流の作家が揃ったいかにもイギリス!な感じの短編が、エドワード・ゴーリーの挿絵とともに楽しめる贅沢、ぜひ堪能してほしい。
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「猿の手」(W・W・ジェイコブズ)目当てに買ったのですが、てっきり「憑かれた鏡」という掌篇が収録されているのだと思って、鏡の話は好きだからわりと楽しみにして、本を開いて目次を見たら、なかった。「憑かれた鏡」はどこ? 挿絵は載っているからエドワード・ゴーリーの作品にあるのかな?(エドワード・ゴーリーは名前だけ知っていて、読んだことはないオタク) 「憑かれた鏡」読みたいな。 以下、12編のとてもふわっとした感想メモ (自分は海外のホラー作品に造詣が深くないというかほとんど読んだことがないので、見当外れの感想になっているかも) 「空き家」A・ブラックウッド 甥と叔母が「幽霊の出る家」へ夜に行って、その家で、恐怖体験し、終わる、という正統派の肝試し話。収録されているなかではいちばん普通のホラーなかんじ。 「八月の炎暑」W・F・ハーヴィ 解説とかネット書店のレビューではこれが傑出していると書かれている一編。本当に短い掌篇だが、12編のなかでは抜きん出て「これから何が起きるかはっきりしている(と読者は感じる)」不穏な終わりで、これがいちばん好きという人が多いのもわかる、筆致の空気感(?)。 「信号手」C・ディケンズ ネットのレビューでは上の「八月の炎暑」とともに評価が高いかんじの一編。これも正統派のホラーのように思った。未来に起こることの警告、つながり。 「豪州からの客」L・P・ハートリー これもわりと正統派のホラー……だと思った(自分はわらべ歌が出てくるホラーにあまり怖さを感じないオタクなので、感想が弱い)。 「十三本目の木」R・H・モールデン わりと好き。ワンシーンが。夜に、屋敷の窓から見えた庭の景色の描写が。 「死体泥棒」R・L・スティーヴンソン このかんじ、好みのほう。語られる昔の、解剖用の死体を調達するという行為の果てに、起こったこと。 「大理石の躯」E・ネズビット この空気、好みのほう。教会にある二体の横臥している石像(残忍な悪漢であった騎士)が、諸聖徒日の前の晩にだけ、動くという。 ただ、この話、なぜ前情報で、この晩に像が動くらしいということを聞いておきながら、その晩に妻を家に一人にして、のんきに散歩に行くんだという一点が気になってしまい、いや、なんで、よりによってその晩に愛する妻をおいて出歩くんだよ、なんで……としつこく思うオタク。 いなくなったシーン、欠けていた、握られていた指のあたりのギミック(?)は好き。 「判事の家」B・ストーカー 最終的に、ふるえる学生相手に幽霊が物理的に凶行に及んで、成し遂げている一編。絵画が出てくる話は好きなので、好き。なんとも力強い、凶悪な判事。 「亡霊の影」T・フッド 12編のなかではいちばん好み。 絵画が変化するとか影に異変があるとか好きなオタク。 「猿の手」W・W・ジェイコブス 正式に、これが読みたくて買いました。願いが、怖ろしい形で叶ってしまうアイテム「猿の手」。ギミックも好きだけど、話のラストのもの悲しい光景が好き。 「夢の女」W・コリンズ 容赦なくナイフを振りかざしてくる夢の女がまず怖いが、そこからの人生の流れ(現実的にも、その女と思われる女に囚われる)もつらい。 けどこの話、最後が第三者の「実際、誰にもわかりませんよね」「誰にもわからないよね」という漫才みたいな会話でしめられるのがよくわからなくてちょっとおもしろい(何か意味がある会話なのかな? 伏線を見逃している?) 「古代文字の秘宝」M・R・ジェイムズ 呪いのかかった紙切れを巧妙にさりげなく渡されたので、それをどうにか相手に気づかれないように返すチャレンジ。この話は、ホラーというより、紙を返すという物理アタック対抗手段に出るのが、よかった(?)。 個人的な好みでは、「亡霊の影」がいちばん好きかな。話の感じもなんとなく、いちばん心に残った。 自分でも、変化する絵画が出てくる話はよく考える。絵が変わる話、いいよね。
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空家★★★ 八月の炎暑★★★ 信号手★★ 豪州からの客★★ 十三本目の木★★ 死体泥棒★★★ 大理石の軀★★★⭐ 判事の家★★★ 亡霊の影★★★ 猿の手★★★★ 夢の女★★ 古代文字の秘法★★ どれも古典的な怪奇小説で、やはり古さは否めなかったです。怖さを期待するよりは、雰囲気...
空家★★★ 八月の炎暑★★★ 信号手★★ 豪州からの客★★ 十三本目の木★★ 死体泥棒★★★ 大理石の軀★★★⭐ 判事の家★★★ 亡霊の影★★★ 猿の手★★★★ 夢の女★★ 古代文字の秘法★★ どれも古典的な怪奇小説で、やはり古さは否めなかったです。怖さを期待するよりは、雰囲気を楽しんだ方が良いかもしれません。 ただ、その中でも「猿の手」は群を抜いて面白かったです。
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全ての作家が19世紀生まれなので、かなりクラシックなホラー作品ばかりで、今のホラーと比べると怖さの点では大したことはない。 最初の「空家」なんて、正統派すぎて、これでいいの?という感じさえする。変わり者の叔母と甥が百年前(そんなに前か!)人殺しのあった、幽霊が出るという噂の空家に...
全ての作家が19世紀生まれなので、かなりクラシックなホラー作品ばかりで、今のホラーと比べると怖さの点では大したことはない。 最初の「空家」なんて、正統派すぎて、これでいいの?という感じさえする。変わり者の叔母と甥が百年前(そんなに前か!)人殺しのあった、幽霊が出るという噂の空家に、夜中に忍びこんで、その殺人に立ち会う(音だけ)という話。でも、昔はこれが十分怖かったのだろうし、なかなか緊迫感のある描写である。 ディケンズ、スティーブンスン、ブラム・ストーカーなど長編で世界文学史に名を残す作家の短編が読めるのも嬉しい。 前にも何度も読んだ作品「猿の手」「八月の炎暑」「信号手」も入っているので既視感もあるが、柴田元幸さんの「猿の手」はやはり名訳だと思う。 何度も読んだ「猿の手」「八月の炎暑」「信号手」を除き、よかったのはスティーブンスンの「死体泥棒」。スティーブンスンは「ジキル博士とハイド氏」が有名で、あれはジョン・ハンターがモデルなのではと言われているが、これもジョン・ハンターのような医者が出てくる。主人公ではないが。解剖学が最もアツかった頃、あまりに学生が熱心に解剖するので解剖用の死体が不足して…となればあとはもう想像つく感じだが、評価の高い医学教師がなぜ高いかというと死体を切らさないから、というのが面白い。時代の雰囲気が伝わる作品だった。 ブラム・ストーカーの「判事の家」も、邪悪な判事が死後も強烈な力を持ち、知的で理性的な主人公が精神的に追い詰められていく描写が上手い。 ウィルキー・コリンズの「夢の女」は外し方が絶妙な味わい。 今時はトラウマになりそうなホラー小説もあるけど、これくらいがちょうどいい気もする。 ゴーリーは、挿絵としての能力も高いのだなと感心した。
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ホラーの短編集。 ふむ、私が読解力が足りないのかそこまで恐怖は感じなかった。所々、現代の社会の問題にも障るように感じた。 また数年後に読んで感じ方を確認しようと思う。
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気軽に読める 短編集なので、好きなテイストとそうでもないものがあるけれど、日本のミステリーを読みがちな私としては新鮮な印象の作品がいくつかあった。
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ホラーって読みにくかったり難しいイメージがあるけれど…この本はすごく読みやすかった。 それにゾクゾク、鳥肌が立つ怖い話がいっぱいです!
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怪奇小説で、背筋も凍るような怖さを感じる事は無い。 怪奇小説よりゾッとするような話なら実話怪談の方が、よっぽど恐い。 怪奇小説は何となく恐そうな雰囲気を楽しむものだ。 恐怖は、長編で語るより短編の方が恐いものだ。 この短編集でも、まだ長い。だから殆ど恐い事は無いが、「猿の手」だけ...
怪奇小説で、背筋も凍るような怖さを感じる事は無い。 怪奇小説よりゾッとするような話なら実話怪談の方が、よっぽど恐い。 怪奇小説は何となく恐そうな雰囲気を楽しむものだ。 恐怖は、長編で語るより短編の方が恐いものだ。 この短編集でも、まだ長い。だから殆ど恐い事は無いが、「猿の手」だけは、やっぱり凄い。 10代の頃から何度か読んだ事も有るし、海外ドラマや映画でも、放送されてるし、「世にも不思議な物語」でも放送されてストーリーは覚えているけど、新たに読んでも結末が分かっていても、何とも言えない。 これだけでも読む価値は有る。 実際、恐い訳では無いが、退屈しない程度に各作品とも面白みが有る。
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