まちの幸福論 の商品レビュー
まちづくりのデザインについて。 ここしばらく売れ筋の「コミュニティデザイナー」山崎亮氏。 作中から印象に残ったエピソードを一つ。 岡山県笠岡諸島の総合振興計画策定時。 高齢化が進みコミュニティとして存続が危ぶまれる中、住民に「まちの未来のために新しい計画を考えましょう」と話...
まちづくりのデザインについて。 ここしばらく売れ筋の「コミュニティデザイナー」山崎亮氏。 作中から印象に残ったエピソードを一つ。 岡山県笠岡諸島の総合振興計画策定時。 高齢化が進みコミュニティとして存続が危ぶまれる中、住民に「まちの未来のために新しい計画を考えましょう」と話をしても否定的な意見ばかりが返ってきてまとまらない。 そこで大人ではなく、こどもたちに10年後の笠岡諸島がこうなっていてほしいという像を聞いた。 出来上がった「子ども笠岡諸島振興計画」を子どもから大人に手渡したときに、 子どもたちから出た言葉は 「この計画を実行してくれなかったら、私たちは本当に島に戻らない覚悟です。」 若者がどんどん都会に出ていって過疎化進行→限界集落化→集落消滅 って、出て行ってしまう子どもたちだけに原因があるわけじゃなくて、むしろ維持存続の現状の担い手である大人が頑張らないといけないんですよね。
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「できること」を他者に委ね、「求められること」を拒否し、「やりたいこと」だけに時間と労力を費やす人々の生活からは、成熟した豊かなコミュニティの姿を展望することはできない。p165 このフレーズが今の状況をすべて言い表している。自分でやらなくても自分が住む街も働く街も誰かが掃除し...
「できること」を他者に委ね、「求められること」を拒否し、「やりたいこと」だけに時間と労力を費やす人々の生活からは、成熟した豊かなコミュニティの姿を展望することはできない。p165 このフレーズが今の状況をすべて言い表している。自分でやらなくても自分が住む街も働く街も誰かが掃除してくれる。自分の好きなことや仕事に没頭できる環境はもちろん素晴らしいし、掃除を誰かに委ねることで雇用が発生するならそれも正しいのかもしれない。しかしそれを「自分」と「自分以外」で明確に線引きして生きる世の中ってつまらない。散歩するときにかけられる何気ない会話、自分たちの街は自分たちで作るという共同意識や街へのアイデンティティ。豊かさは間違いなくここに潜んでいると思うんだ。自分もまだまだこれから。街はまだまだおもしろくなる。
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山崎さんの最新著。職場の本屋で平積みされていた。 山崎さんのコミュニティデザインの手法とか考え方には深く共感する。 例えば、東北のワークショップの最初に、幸運な偶然を起こす人たちがもっている5つの特徴、好奇心、持続性、楽観性、冒険心、柔軟性など、深く同感する。 対象...
山崎さんの最新著。職場の本屋で平積みされていた。 山崎さんのコミュニティデザインの手法とか考え方には深く共感する。 例えば、東北のワークショップの最初に、幸運な偶然を起こす人たちがもっている5つの特徴、好奇心、持続性、楽観性、冒険心、柔軟性など、深く同感する。 対象範囲も、最初は有馬富士県営公園のパークマネジメントから、益子町の土祭まで大変参考になる。 ただ、このような地域での取り組みが地域の人たちのために定着し、持続していくためには、やはり、一定の収益をあげ、ビジネスとして最低限の人件費を自らまかなっていくような仕組みが必要なのではないか。 国が公共事業費にくらべてほとんどソフトにお金をだしていないという指摘も山崎さんはされているが、これから、国も地方公共団体もむしろ、公共事業もしかり、ソフトへの支援のお金も財政規律の観点からだしにくくなっていくと思う。 その中で、地域に自立する小さくてもいい、ビジネスとしてまわる取り組みという観点が、重要だと思う。
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