SQ(Social Quotient) "かかわり"の知能指 の商品レビュー
IQ,EQからSQ(Social Quotient:かかわり知能指数)の時代へというキャッチコピーに惹かれて読んでみた。震災後1万人の調査から「他人に関わって相手のためになることをしたいと思っている人は幸せな人が多い」、そして「他人に関わろうとする態度は、それがないと不幸になるわ...
IQ,EQからSQ(Social Quotient:かかわり知能指数)の時代へというキャッチコピーに惹かれて読んでみた。震災後1万人の調査から「他人に関わって相手のためになることをしたいと思っている人は幸せな人が多い」、そして「他人に関わろうとする態度は、それがないと不幸になるわけでないが、幸福度が増す要因になる」ことを明らかにした。さらにそこには適切な範囲(自己犠牲的な奉仕より、自分のできる範囲で協力など)があることも指摘している。そして献・広・心・次というキーワードからSQ度という指標を提案している。SQ度というのはマーケティング的かなという気もするが調査結果及び指摘は納得感あるもであった。 著者は76年生まれでTBSラジオ「文化系トークラジオ Life」、NHK「青春リアル」などにパーソナリティーをしている。同年代ということもあり、特に「life」はweb上でアーカイブを聴いたりして、共感することが多かった。それだけに期待が大きかったのであるが、万人向けを目指したのが、「まあそうだよね」というところで終わってしまい残念。もちろん「まあそうだよね」を数値的に示すのはたいへんなのであるが。 今後は、もっと現状を突破するような言論を期待したい(そうなると本は売れないかもしれないが)。
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丁寧でよかった。持続的に持ち続けることができる関りを有する人はより幸福である可能性が高い、という統計に基づいて、これから来るであろう人口減少、消費減少の社会に対しての提言まで、ソフトで読みやすかった。 一番よかったのは、黄金世代、団塊の世代ののちに来る現代までの世代の幸福に関す...
丁寧でよかった。持続的に持ち続けることができる関りを有する人はより幸福である可能性が高い、という統計に基づいて、これから来るであろう人口減少、消費減少の社会に対しての提言まで、ソフトで読みやすかった。 一番よかったのは、黄金世代、団塊の世代ののちに来る現代までの世代の幸福に関する特徴と推移の考察が分かりやすくて、ちょっと別ノートにでも書きだしたい気分。学者たちが次の世代のために必要なアイディアを提言し続けることの大切さを、なんとなく感じられた。 17.4.20
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タイトルに対して読者が期待する内容と乖離が生じる可能性が高いと感じた。戦後からの社会学的な分析は非常に参考になったが、SQという新しい概念への言及などが非常に乏しい。
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p.48図「献・広・心・次」の度合いを(再)確認してみよう。 p.48の図で示された近すぎないか遠すぎないかの度合いをチェックすることで、いまの自分の傾向を知るだけでなく、過去の自分と比べた変化を確認できた。 学生のころはやはり自己犠牲に走りすぎていたり、地球規模の普遍的価値...
p.48図「献・広・心・次」の度合いを(再)確認してみよう。 p.48の図で示された近すぎないか遠すぎないかの度合いをチェックすることで、いまの自分の傾向を知るだけでなく、過去の自分と比べた変化を確認できた。 学生のころはやはり自己犠牲に走りすぎていたり、地球規模の普遍的価値を求めたりしがちだった。よくある若者らしい理想主義や潔癖主義だったし、自分と世界の間に社会が失われたセカイ系の感覚にも近い。端的に意識高い系だったともいえる。 それから数年のらりくらりと生きてきて、学生の頃と考え方がまったく変わっていない自分にすこし危機感を感じていたのだが、この図を通して、今はそこそこバランスのとれた距離感を意識できている、ということで少しは人間的に成長したのかなと及第点をあげてやろうと思えた次第。 ・電源のコンセントをリビング中心に据える提案 ・ソフトカー+電動カートの電気シェア などには心惹かれた。 (集住介護シェアハウスとかもできないかなー。新聞奨学生みたいにちょこっとずつ介護に貢献しながら生活できるみたいな。)
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日本人の絆意識は震災を機に深まったと言われているが、あたかもそれが一般化され、検証されないまま「幸せ=他者への手助け」という普遍構造のごとくまかり通っている感に疑問を感じる。レベッカ・ソルニットは著書「災害ユートピア」の中で、大災害の中に奇妙な共同体が生まれる理由について、平常時...
日本人の絆意識は震災を機に深まったと言われているが、あたかもそれが一般化され、検証されないまま「幸せ=他者への手助け」という普遍構造のごとくまかり通っている感に疑問を感じる。レベッカ・ソルニットは著書「災害ユートピア」の中で、大災害の中に奇妙な共同体が生まれる理由について、平常時の様々な構図が崩壊することによって大多数が兄弟の番人になろうとし、同じ目的意識、連帯感の中に一種の喜びをもたらすからと分析している。つまり「かかわりへの喜びは」ある意味特需的ともいえ、決して普遍の意識とは言い切れない。ただ、そうは言っても、著者自身がかわり度に対してSQというレベル分けしている以上、その前提は大して問題ではないのかもしれない。「100万人に1人の天才よりも100人に1人のそこでしかできないことができる才能」という言葉には納得させられた。
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かかわりの知能指数とは、幸福度を高める他者とのかかわり力のこと。 他人の手助けをすることを幸せの基準とすること。 人は誰かと協力しないと生きてゆけません。縁を大事にすること。 適切な範囲内でできる範囲で手助けすることが一番。 お金で幸せを買う時代はおわり、人との付き合いで幸福感を...
かかわりの知能指数とは、幸福度を高める他者とのかかわり力のこと。 他人の手助けをすることを幸せの基準とすること。 人は誰かと協力しないと生きてゆけません。縁を大事にすること。 適切な範囲内でできる範囲で手助けすることが一番。 お金で幸せを買う時代はおわり、人との付き合いで幸福感を得る。 高齢者と若者が出会う場としての中規模地方都市の活性化を目指す。
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これからの社会を生きていく一つの指標として、SQという概念を提示、それを説明、それがもたらす理想、について。 なんていうかね、わかるんだけどね、なんかちょっとしんどそう、って思えてしまうダメな私。
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面白かった。第二章の、ポスト黄金時代の説明にすごく納得できた。第三章の、つくられた地域のまつりが、地元にもあるが、20年やってると根付いた感がある。SQは結構たかかった。貧乏だからかなぁ
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「かかわり」を通じてコミュニティのありかた、これからの価値観を考えていく本。 「モノを作ったり消費したりすることによる幸福感はいまの若者にとって魅力的じゃなくなったよ、その代わりに人とのかかわりを基にした幸福感が魅力的にとられているし、そっちのほうが持続可能だよ!」といったところ...
「かかわり」を通じてコミュニティのありかた、これからの価値観を考えていく本。 「モノを作ったり消費したりすることによる幸福感はいまの若者にとって魅力的じゃなくなったよ、その代わりに人とのかかわりを基にした幸福感が魅力的にとられているし、そっちのほうが持続可能だよ!」といったところか(大雑把に要約)。 俺自身がまさにそういう感じで、画一化された消費物より、人間関係から生まれる一回限りのもののほうが好きですね。 お金で簡単に買えるものにそこまで魅力感じないし、それよりも考え方とかをおたがい共有して何かするほうが楽しいし。 ただ、自分の周囲を見ているとあながち昭和型の価値観も健在なのかな?と感じることも多いかも。旅行といえばドライブ!って人も少なくないし、記号的にブランド物を消費する人も多いし。 ただ、個人的にここ数年は伝統とか重んじる組織との関わりが強かったし、そのせいってのもあるのかな。 俺自身、「居場所づくり」を当面のテーマと考えているし、こういう考えを起点にして具体的な計画を練っていきたいです。
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SQとはSoceial Quotientの略で、幸福度を高めるような他者(=社会)へのかかわりの力を表す指標のこと。知能指数を表すIQのような概念らしい。 9.11以降、世界的に消費社会からSQ型の社会へと移行する動きがある中で、3.11以降、日本においてもその傾向が顕在化してき...
SQとはSoceial Quotientの略で、幸福度を高めるような他者(=社会)へのかかわりの力を表す指標のこと。知能指数を表すIQのような概念らしい。 9.11以降、世界的に消費社会からSQ型の社会へと移行する動きがある中で、3.11以降、日本においてもその傾向が顕在化してきている。ただ、日本はSQ型の社会構造がまだ整備されておらず、人々の根底にある価値観も追いついていない。そのミスマッチから様々な社会問題が起きていて、このままだと10年後取り返しのつかないことになるからSQがどうして必要なのかを説明します。というのが、この本の雑な概要。 高度成長期からバブル崩壊までの社会構造の変遷を少しクドいほど丁寧に説明しており、このあたりは社会学を学んでいる人には退屈かもしれない。でも、この変遷を過不足なく拾っているからこそ、「SQ、大事だよね」の説得力が増すのであり、最終章での著者の(衝撃の?)告白にも迷いなく頷けるのだろう。 「いい学校」「いい会社」の階級上昇が約束されていたり、モノや消費活動によってアイデンティティの構築が可能だったりした「黄金時代」が崩壊したにもかかわらず、今の日本社会の制度や多くの日本人の価値観が、旧来の「黄金時代」から抜け出せていない。という指摘は、教育や広告に関わる中でひしひしと感じていること。インフラの整備だけでなく、コンテクストの構築にまで言及しているところは、身の引き締まる話でもある。 付録のSQ診断のようなコーナーのイラストが超ステレオタイプ(アニヲタとかセレブ)なのが気になる(俯瞰的なわかりやすさは大事だが、定型からあぶれてしまった人たちまでをカバーするのがSQ型社会が目指すべき到達点ではないの?SQを広める本がステレオタイプのイメージ訴求に追従するのは、浸透しやすい一方で、かつてのエコやロハスのように消費されてしまう危険性もある)が、ぼんやりと抱えていた「SQ的なものって大事だよね」の背景の部分を丁寧にまとめてくれているので、考えるきっかけとして多くの恩恵を受けた一冊。
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