それをお金で買いますか の商品レビュー
ゼミで輪読しました。 身近にある様々な市場。それはお金で取引されるべきなのかを道徳的観念や市場の腐敗などを盛り込みながら考えていくという本。 実際にアメリカや中国で行われているような市場取引などが取り上げられている。 例がいくつも挙げられているため理解しやすかった。勉強になる一冊...
ゼミで輪読しました。 身近にある様々な市場。それはお金で取引されるべきなのかを道徳的観念や市場の腐敗などを盛り込みながら考えていくという本。 実際にアメリカや中国で行われているような市場取引などが取り上げられている。 例がいくつも挙げられているため理解しやすかった。勉強になる一冊。
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白熱教室で提示された問題事例が、いろいろ。 お金を払って利便性を買うのか、金がある人だけが優遇されるのか・・など、考えさせられる。
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2014/11/24読了。 市場主義の限界というテーマは、非常に奥深い。紹介されている例は議論に適した極端な例、いわば限界の境界に位置すると考えられるものであるが、議論となっている「市場が不平等と腐敗をうむ」というテーマは、全ての商品や経済に通じるものであると感じた。
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市場原理主義に対して、具体的な事例を挙げながら、倫理的な面からの考察をしている。 事例が秀逸で、非常にわかりやすい。 倫理的に許される範囲なのかどうかの線引きは明確にはしていないが、そこはコミュニタリアニズムのサンデルらしい落としどころ。 良著。
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バイアティカルの醜悪さと、生命保険との意外な近さ。それでも厳然としてある違い。等々、お金で評価することそれ自体が価値を壊してしまうお話。
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消費者の立場に立つと、我々の生活が徐々に市場主義に冒されてきたことを思い知らされる一冊です。 その一方で、企業の立場に立つと、市場主義の蔓延の片棒を担いできたことも、思い知らされました。 なお、この本のキーワードは「善」「公平性」「腐敗」。 すべての説明において、これらが...
消費者の立場に立つと、我々の生活が徐々に市場主義に冒されてきたことを思い知らされる一冊です。 その一方で、企業の立場に立つと、市場主義の蔓延の片棒を担いできたことも、思い知らされました。 なお、この本のキーワードは「善」「公平性」「腐敗」。 すべての説明において、これらがしっくりきたわけではないですが、少なくとも、そういう視点から見えてきた市場経済の姿は、今後、消費者の立場としても、企業の立場としても、参考になりそうです。
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マイケル・サンデルの新著。正義について考えた前著に比べて、市場主義が倫理的に(正義的に?)考えて、どれだけ正しいかを検証している本。 前著の方が多くの哲学的な問題を例題を通して考えさせるような気がしたが、今回は市場主義ということで新しいことと、人間の根幹にかかわるよりも、今の少...
マイケル・サンデルの新著。正義について考えた前著に比べて、市場主義が倫理的に(正義的に?)考えて、どれだけ正しいかを検証している本。 前著の方が多くの哲学的な問題を例題を通して考えさせるような気がしたが、今回は市場主義ということで新しいことと、人間の根幹にかかわるよりも、今の少し頭の良い人がお金に換算して、考えてしまう方法についての考察かなと思った。 全5章を通して1つ言えるのは、世の中の事象では、お金に換算してはならない領域があるということは確かだと思った。あとは答えがないグレーゾーンがあることもまた確かだと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初は、「お金を使わず丁寧に生きる」啓もう書の類だと思って、サンデル先生ってそんなことも書いてるんやと読み出したら、ちょっと違う内容。 なんでもお金で買える世の中なんだなぁ、せやけど、それを売ったらアカンのとちゃうか?ってそういう本である ・絶滅危惧種黒サイをハンターが撃つ権利 ・主治医の個人携帯に24時間電話をかける権利 ・名門大学への裏口入学権 ・ジャンキーが避妊手術を受ける ・妊娠代理権 ・遊園地での行列割り込み権 ・渋滞時に優先車線を走る権利 ・消防車やパトカーに広告を載せる権利 ・学校を含ぬ公共施設の命名権 ・高齢有名人がいつ死ぬかをかけるギャンブル ・難病患者の生命保険を買い取る権利 これらすべて実話、金がすべての世の中になってきているなぁとうんざりげんなりしてしまう。先生は何が問題かという考えのヒントはくれるが、解決策を提示してくれるわけではない。そこは考えろという突き放し方なんだろう。 「そこには金を使いたくない、そこに金を注ぎこむあの会社の商品は使いたくない」そういう価値観をもって各個人が金の使い方をしっかり考える。今できることはそれなんだと思う。 そこはもう個人的な価値観の世界である。後は広告に惑わされないようにする。世の中広告が多すぎて俺たちの感性がマヒしてるところは否めない 、意識して広告に浸りすぎない環境に身をおいてみることも大事じゃないかと思う。 良く考えると、冒頭の「お金を使わない素敵な生き方」って類の本も、2000円ほどのお金を使って買うようになっているのが資本主義・市場主義の世の中である。矛盾や違和感なんてどこにでも溢れるぐらいに転がっている。
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本書であげられる事例はかなり論争的なもので、多くの人が不快を感じると思う。 でも「不快だ」で終わってしまわずに、その不快感は何に由来するものなのだろう、と考える。そして、そこにある経済と道徳の本質的な問題を浮かび上がらせる。 それは著者の真骨頂でもあり、哲学のエッセンスだとも思う...
本書であげられる事例はかなり論争的なもので、多くの人が不快を感じると思う。 でも「不快だ」で終わってしまわずに、その不快感は何に由来するものなのだろう、と考える。そして、そこにある経済と道徳の本質的な問題を浮かび上がらせる。 それは著者の真骨頂でもあり、哲学のエッセンスだとも思うんだ。 哲学の「有用性(いい言い方ではないけど)」を感じることができる。 「正義」の頃はなんかタレントみたいな扱いで一般にも「ああ、なんかテレビでてるおじさんね」みたいな雰囲気が漂ってしまった感があるんだけど、実はすごい人なんですよ、サンデル先生は。
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なんでも売れる世の中。売買できるもの、できないもの、できるけどしてはいけないものに分類し、自由、平等・公正、道徳・腐敗の観点から論じている。具体例が豊富でわかりやすい。 幼稚園の迎えに遅刻すると罰金を課す制度にしたら返って遅刻する人が増えたとか。延長料金と解釈されてしまったのね...
なんでも売れる世の中。売買できるもの、できないもの、できるけどしてはいけないものに分類し、自由、平等・公正、道徳・腐敗の観点から論じている。具体例が豊富でわかりやすい。 幼稚園の迎えに遅刻すると罰金を課す制度にしたら返って遅刻する人が増えたとか。延長料金と解釈されてしまったのね。 モラルは下がるのか、道徳の概念が変わるのか、売ってはいけないものの範囲は今後もどんどん狭まるのだろう。
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