あの日、君と Boys の商品レビュー
“久留米はそこでも落ち着き払っていた。「何だかそんな風に、持ち上げてもらってありがたいです」と打点王氏に頭を下げた。「草壁、おまえ、本気にするんじゃないぞ」とも言った。「あくまでもお世辞だからな」 念押しする口調が可笑しかったから、いく人かが笑った。場が和んだといえば、和んだが、...
“久留米はそこでも落ち着き払っていた。「何だかそんな風に、持ち上げてもらってありがたいです」と打点王氏に頭を下げた。「草壁、おまえ、本気にするんじゃないぞ」とも言った。「あくまでもお世辞だからな」 念押しする口調が可笑しかったから、いく人かが笑った。場が和んだといえば、和んだが、わざわざそんなことを言わなくとも、と僕は承服できぬ想いを抱いた。 「先生、でも」草壁が言ったのはそこで、だ。「僕は」 「何だ、草壁」 「先生、僕は」草壁はゆっくりと、「僕は、そうは、思いません」と言い切った。 安斎の表情がくしゃっと歪み、笑顔となるのが目に入るが、すぐに見えなくなった。なぜなら、僕も目を閉じるほど顔を歪め、笑っていたからだ。”[P.68_逆ソクラテス] 「逆ソクラテス」 伊坂幸太郎 「骨」 井上荒野 「夏のアルバム」 奥田英朗 「四本のラケット」 佐川光晴 「さよなら、ミネオ」 中村航 「ちょうどいい木切れ」 西加奈子 「すーぱー・すたじあむ」 柳広司 「マニアの受難」 山本幸久 「逆ソクラテス」が一番好きかも。 「さよなら、ミネオ」の最後も良かった。 “二時間目、三時間目、と授業が進むと、クラスメイトの他者への感心も緩慢になっていく。僕はそれほど緊張することもなく、すっ、と窓際の席で空気になる。 クラスの男子や女子たちが、あちこちでバカみたいに大声で喋っていた。その喧騒の隙間で、誰にも気付かれないように、僕はそっと呼吸をする。存在感のスイッチをオフにして、教室の風景と同化する。 植物のように透明な存在になれば、誰にも顧みられることはない。 「大丈夫?」 と、突然、ミネオが話しかけてきた。 「何がだよ?」 とても小さな声で応える。ミネオはいつからそこにいたんだろう。 「いや、今日も一人だから」 「一人じゃないだろ。今だってお前と喋ってるし」 「ああ、まあね」 ミネオが笑った。”[P.177_さよなら、ミネオ]
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Boysよりもうちょっと年上の男性のお話もあるようだけど。 伊坂幸太郎の「逆ソクラテス」が好き。 中村航の「さよなら、ミネオ」収録。
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集英社文庫35周年を記念して昨年ナツイチの一冊として発行された本。夏らしく、少年らしく、爽やかで汗臭くてとても良かった。 一番の目玉は、伊坂幸太郎による書き下ろし「逆ソクラテス」だけど、さすが伊坂先生。この本のコンセプトに合った、読後感がとても良い話。そして、少し考えさせられる。...
集英社文庫35周年を記念して昨年ナツイチの一冊として発行された本。夏らしく、少年らしく、爽やかで汗臭くてとても良かった。 一番の目玉は、伊坂幸太郎による書き下ろし「逆ソクラテス」だけど、さすが伊坂先生。この本のコンセプトに合った、読後感がとても良い話。そして、少し考えさせられる。自分も、決めつけていやしないか? 自分ブームが来そうな奥田英郎「夏のアルバム」この人は、どうしてこう胸がしめつけられるような、その時の情景が目に浮かぶような光景を書くのが上手いんだろう… そして、最後の山本幸久「マニアの受難」で切なくも笑ったw そりゃ振られるわw
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君、だからボーイミーツガールかと思ったらちがいました! しかも表紙からYAかと思ったら20代対象くらい? おもしろーい いやー前向いて生きていかなきゃなんないよね ちょっと元気でたかも。 キュンとするけど、人生のほろ苦さからだから紹介するときに気を付けなくっちゃ。 「ぼくはそうは...
君、だからボーイミーツガールかと思ったらちがいました! しかも表紙からYAかと思ったら20代対象くらい? おもしろーい いやー前向いて生きていかなきゃなんないよね ちょっと元気でたかも。 キュンとするけど、人生のほろ苦さからだから紹介するときに気を付けなくっちゃ。 「ぼくはそうはおもわない。」
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読書の習慣が途絶えて久しく、お気に入りに至るような作家に出会えればと。 伊坂幸太郎「逆ソクラテス」 さすがの読後感。先入観について。「僕はそうは思わない」草壁が言うシーンのカタルシス。 井上荒野「骨」 なんとなく残るものがあるような、でもぼんやりと言葉にならないような。小説を...
読書の習慣が途絶えて久しく、お気に入りに至るような作家に出会えればと。 伊坂幸太郎「逆ソクラテス」 さすがの読後感。先入観について。「僕はそうは思わない」草壁が言うシーンのカタルシス。 井上荒野「骨」 なんとなく残るものがあるような、でもぼんやりと言葉にならないような。小説を読んだ、という気持ち。体育会系こわい。 奥田英朗「夏のアルバム」 自分もなかなか自転車乗れなかったなあ。従姉妹ともよく遊んだし、そういうことを少し思い出した。 佐川光晴「四本のラケット」 思い出のVサイン、グーパーで出したチョキ。晴れやかな話。 中村航「さよなら、ミネオ」 二重のどんでん返しは面白かったけど、前半の描写や判明するところにもう少し綿密な計算があったらもっとよかった。 西加奈子「ちょうどいい木切れ」 でっかいのミーツちっさいの、という発想は面白い。でもせっかくの縁なら、小さいほうにも何か変化が欲しかった。 柳広司「すーぱー・すたじあむ」 私の前に竜次がいたら、きっと私は理解できない側だろう。これも先入観か。 山本幸久「マニアの受難」 ここで採用が決まらないのが現実か。彼女の言い分は一般的によくある要求だろうし、お付き合いって厄介だなあ。
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伊坂さん目当てで、選んだアンソロジー。 「逆ソクラテス」、よかったよぉ~、 最高に好きだ。 「僕はそうは思わない」 と云う、小さくて大きな『爆弾』を炸裂させる、 転校生『安斎』くんは、少年テロリストだ。 教師の『決めつけ(生徒に対する評価)』が、 クラスの『ヒエラルキー』...
伊坂さん目当てで、選んだアンソロジー。 「逆ソクラテス」、よかったよぉ~、 最高に好きだ。 「僕はそうは思わない」 と云う、小さくて大きな『爆弾』を炸裂させる、 転校生『安斎』くんは、少年テロリストだ。 教師の『決めつけ(生徒に対する評価)』が、 クラスの『ヒエラルキー』に、微妙に影響を与える。 そんな世界を、木端微塵にしようと、 彼は、さまざまな爆弾をしかける。 それに加担する僕たち。 大人になった「幻」の安斎くんは、 「ちっちぇ人間」土田の云うような『チンビラ』 なんかじゃ、絶対ないね。 きっと、ハードボイルド系伊坂作品に出てくる 『蜜柑』や『檸檬』たちみたいに、 ちょっと可笑しく、かっこいい~ one of 「よからぬ職業」の人たち・・・ …に決まってるのさぁ。 『チンピラ』呼ばわりしやがって。 土田の、っぶあ~かっ! 詳細は、⇒ http://tschuss12.jugem.jp/?eid=412
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いろんな作家さんを読みたいと思い読んだ本 初、伊坂幸太郎 逆ソクラテス 佐川光晴 四本のラケット 山本幸久 マニアの受難 がよかった。
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「少年」がテーマのアンソロジーです。 全体的に私の好みではないのが多かったです・・・ ただ「逆ソクラテス」伊坂幸太郎さん、めちゃくちゃ良かったです!!かなり好きです。この1編が読めただけで大満足。 「僕はそうは思いません。」ってセリフ、子供に教えたい(笑) 後は、奥田英朗さん...
「少年」がテーマのアンソロジーです。 全体的に私の好みではないのが多かったです・・・ ただ「逆ソクラテス」伊坂幸太郎さん、めちゃくちゃ良かったです!!かなり好きです。この1編が読めただけで大満足。 「僕はそうは思いません。」ってセリフ、子供に教えたい(笑) 後は、奥田英朗さん・佐川光晴さんが良かった。 柳広司さんも「少年」というテーマにピッタリで中々良かったです。 それ以外はあまり好みではなかったです。 皆さんお名前はよく聞く方ばかりなので、良い出会いがあるかなぁと思ったのですが今回は残念でした・・・
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人気作家8人が描く「少年たち」の物語. 面白い作品もあったけど,なんだろう,タイトルとストーリが一致してないような違和感を感じる一冊でした.うーん,Girls編も積読であるんだけど,同じかな・・・
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オムニバス?形式の短編集なので、何だか大きな動きもなく、山場もないものが大半。 だからこそ、今みたいな、冬が明けて夏に向かう春のうららかな陽気の時期に読むよりも、夏のうだるような暑さの日に木陰の涼しい場所で小休止のお供に読んだほうがいいと思う。 よかったのは伊坂幸太郎(贔屓目ア...
オムニバス?形式の短編集なので、何だか大きな動きもなく、山場もないものが大半。 だからこそ、今みたいな、冬が明けて夏に向かう春のうららかな陽気の時期に読むよりも、夏のうだるような暑さの日に木陰の涼しい場所で小休止のお供に読んだほうがいいと思う。 よかったのは伊坂幸太郎(贔屓目アリ)、山本幸久。西加奈子氏のは途中まで楽しかったけど何か中途半端なまま終わった気分。
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