あの日、君と Boys の商品レビュー
8編収録のアンソロジー。 集英社文庫創刊35周年記念の文庫オリジナルだそうです。 初出はすばるが多いけど、もともとこのテーマで書いたのかな。伊坂さんのは書き下ろし。 「逆ソクラテス」伊坂幸太郎 やはり別格で、すごくよかった~ほとんど覚えてしまったぐらい。 転校してきた男の子・安...
8編収録のアンソロジー。 集英社文庫創刊35周年記念の文庫オリジナルだそうです。 初出はすばるが多いけど、もともとこのテーマで書いたのかな。伊坂さんのは書き下ろし。 「逆ソクラテス」伊坂幸太郎 やはり別格で、すごくよかった~ほとんど覚えてしまったぐらい。 転校してきた男の子・安斎君が、教師に何かと軽視されている級友を守ろうとする。 いくつか面白い手を考え出し、そして当人には「僕は、そうは思いません」と言うんだよ、と。 多くの人に読んでもらいたい内容。 出来れば子供の頃に! でも大人でもいい‥ 「骨」井上荒野 幼馴染の陽と幸太。 骨がみしみし音を立てるような成長期だ。 サイクリングでキャンプに行くという計画だったが、幸太が来るかどうか陽はあやぶんでいた。 サッカー部の出場辞退という件に関わったため、幸太は怪我をしているのだが‥ 「夏のアルバム」奥田英朗 小学2年の雅夫は、自転車の補助輪無しで乗れるようになるのが目標。 親がまだ早いとはずしてくれないのだったが‥ その夏、母の姉が入院していて、従姉妹たちは自分で家事をしているという。 「四本のラケット」佐川光晴 太二はテニス部。 朝練で荒れたコートを昼休みにならすのは、1年生の役目。 当番はグーパーじゃんけんで決めるのだが、ある日‥ 「さよなら、ミネオ」中村航 学校では透明人間のように孤独な自分。 ミネオという友達だけがいれば、いい‥ 「ちょうどいい木切れ」西加奈子 やたらと大きな身体にコンプレックスを抱いてきた青年が、ある日、電車の中で出会ったのは、とても小さな人。 風変わりでとても面白く、印象に残りました。 この本のテーマとしては、かなり変化球だけど。 「すーぱーすたじあむ」柳広司 元野球部の竜次が補導された。 小学生のときに地元の少年団でスターだった彼。 ところが身長が伸びず、弱くなったのに気ばかり強くて、持て余しものになってしまったのだ。 ヤケか嫌がらせかという感じの、破天荒な行動の意味は‥?! 「マニアの受難」山本幸久 昭和が終わりかかっていた頃。真輔は22歳になった。 映画が大好きで、やはり映画が好きだという女の子と付き合っていたが。 真輔の選ぶ映画はマニアックすぎて、不満を抱いた彼女にはきっぱりフラれる。 映画雑誌への就職を考えるが‥ 男の子たちって面白いなあ。 女の子の話は出なさすぎなぐらい? 運動部の話が多く、テーマとしてはかなりまとまっている印象でした。
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+++ あの日、君との出会いで、僕の人生は少しだけ変わった。不思議な聡明さで、教室に流れるいじめの空気を変えた君。風変わりな振る舞いで、僕のコンプレックスをほんの少し溶かしてくれた君。誰よりもがむしゃらに、夢を追いかけていた君―。人気作家8人がこの一冊のために描いた、不器用で、ナ...
+++ あの日、君との出会いで、僕の人生は少しだけ変わった。不思議な聡明さで、教室に流れるいじめの空気を変えた君。風変わりな振る舞いで、僕のコンプレックスをほんの少し溶かしてくれた君。誰よりもがむしゃらに、夢を追いかけていた君―。人気作家8人がこの一冊のために描いた、不器用で、ナイーブで、ひたむきな「少年たち」の物語。胸をわしづかみにする青春が、ぎゅっと詰まっています。 +++ 「逆ソクラテス」伊坂幸太郎 「骨」井上荒野 「夏のアルバム」奥田英朗 「四本のラケット」佐川光晴 「さよなら、ミネオ」中村航 「ちょうどいい木切れ」西加奈子 「すーぱー・すたじあむ」柳広司 「マニアの受難」山本幸久 +++ 少年というのは、いい題材になるものだ、というのが第一印象である。大人になりきっていない男の子というものは、自分はとげとげなのに傷つきやすくて、そのくせ妙に無防備だったりする。自分のことが好きなのか嫌いなのかさっぱりわからないし、おそらくそのときどきでころころ変化するのだろう。そんなさまざまな――だが根底は同じのような気もする――男の子たちの物語集である。愛すべき一冊。
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伊坂幸太郎『逆ソクラテス』★★★★★ 奥田英朗『夏のアルバム』★★★★ こういうアンソロジーは普段なら読まない作家の小説を読むきっかけになって良いと思う。新しいお気に入り作家が見つかればラッキーだと思う。でも今回は残念ながら新たな発掘なし!
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以下8点の短編集。 「逆ソクラテス」by伊坂幸太郎 「骨」by井上荒野 「夏のアルバム」by奥田英朗 「四本のラケット」by佐川光晴 「さよなら、ミネオ」by中村航 「ちょうどいい木切れ」by西加奈子 「すーぱーすたじあむ」by柳広司 「マニアの受難」by山本幸久 短編の切れの良...
以下8点の短編集。 「逆ソクラテス」by伊坂幸太郎 「骨」by井上荒野 「夏のアルバム」by奥田英朗 「四本のラケット」by佐川光晴 「さよなら、ミネオ」by中村航 「ちょうどいい木切れ」by西加奈子 「すーぱーすたじあむ」by柳広司 「マニアの受難」by山本幸久 短編の切れの良い雰囲気は結構好きのようで、どれもそれなみに楽しめた。「さよなら、ミネオ」がちょっとわたし的には引く素材だったけど。
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お気に入りは『逆ソクラテス』『四本のラケット』『さよなら、ミネオ』『すーぱー・すたじあむ』。 『逆ソクラテス』は、もう、さすが伊坂さん、と思わずにはいられなかった。説教臭さは感じるけど、それが直球に響く。カッコいい。 『さよなら、ミネオ』の不安定な学校生活の描写でどうしようもなく...
お気に入りは『逆ソクラテス』『四本のラケット』『さよなら、ミネオ』『すーぱー・すたじあむ』。 『逆ソクラテス』は、もう、さすが伊坂さん、と思わずにはいられなかった。説教臭さは感じるけど、それが直球に響く。カッコいい。 『さよなら、ミネオ』の不安定な学校生活の描写でどうしようもなく切なくなった。ちょっと、分かるよ、その気持ちってつい言いたくなる。頑張ろうって思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
伊坂さんの「逆ソクラテス」がやはり抜けてよかった。これ教科書に載せたい…でも教師的には嫌だろうね…。// 「逆ソクラテス」伊坂幸太郎、 「骨」井上荒野、 「夏のアルバム」奥田英朗、 「四本のラケット」佐川光晴、 「さよなら、ミネオ」中村航、 「ちょうどいい木切れ」西加奈子、 「すーぱー・すたじあむ」柳広司、 「マニアの受難」山本幸久。
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そうそうたる作家たちによる短編集。 評価5にしたくなる話もあるし、んーっ?て思う話もあったかなと。 各作家さんの文体とか言葉の使いまわしに違いが出てて、そこが面白いなーと思ったり。 個人的には西加奈子さんの話の内容というより、その言葉や登場人物の気持ちの表現の仕方が、...
そうそうたる作家たちによる短編集。 評価5にしたくなる話もあるし、んーっ?て思う話もあったかなと。 各作家さんの文体とか言葉の使いまわしに違いが出てて、そこが面白いなーと思ったり。 個人的には西加奈子さんの話の内容というより、その言葉や登場人物の気持ちの表現の仕方が、初めて出会うもので、よかったのかなと思いました。
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「さよなら、ミネオ」が好き。 繊細で不格好で、強がりな寂しがり。 なんか可愛くて、「がんばれ」って言いたい。
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Girls編より好きだな。 『逆ソクラテス』『四本のラケット』『すーぱー・すたじあむ』『マニアの受難』が特によかったなー。
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伊坂幸太郎、西加奈子、柳広司目当て。 でも西さんと柳さんはこういう爽やかな青春系はちょっと違うんじゃないかな、と思った。 案の定西さんはなんか浮いてるし(笑)私は好きだけど、この中ではめっちゃ浮いてる。 柳さんは20代までの男子じゃなくて、それ以降の青年〜中年くらいの話のが多いん...
伊坂幸太郎、西加奈子、柳広司目当て。 でも西さんと柳さんはこういう爽やかな青春系はちょっと違うんじゃないかな、と思った。 案の定西さんはなんか浮いてるし(笑)私は好きだけど、この中ではめっちゃ浮いてる。 柳さんは20代までの男子じゃなくて、それ以降の青年〜中年くらいの話のが多いんじゃないかな?で、そっちのがおもしろい。 伊坂さんはこの中ではやはり別格って感じ。西さんと柳さんはステージが違えばよかったんだろうけど、このアンソロジーじゃかなり見劣りしてる。 ちょっと説教くさくてそんな子どもいるかな、って感じだけど、伊坂さんのは大体そうですよね。説教くさいこと言うけど、かっこいい、みたいな。
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