1Q84 BOOK 2(後編) の商品レビュー
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(青豆) リーダーはあくまでリトルピープルにとってのレジヴァ 世界を行き来する道を作るパシヴァを作り出す存在 マザとドウタ (天吾) 2つ目の月の存在に気づく 青豆を見つけ出そうと決意
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全6巻の小説だから最終巻で描かれるんだろなと予想していた出来事が全部もう起きた! これまで読んだ本、観た映画の中でも断トツに醜悪でおぞましい、カルト集団のリーダー そのリーダーの暗殺を請け負った優秀な女アサシン青豆 青豆が同情のカケラもなくリーダーを瞬殺してくれることを信じてここまで読み進めてきた この巻で両者が接触し、青豆との会話の中でリーダーの鬼畜の所業の理由が明かされる それは時空を超え、次元をまたぎ、作用反作用の法則に従うものだった そしてそれを読んでいたら自分でも驚くことに、リーダーを消し去って欲しい気持ちに揺らぎが生じた 物語の青豆も暗殺を躊躇っている 思考の深奥から、闇の奥底から、村上春樹が連れてきた何か(真理なのか狂気なのか?)をこのエピソードに落とし込んだに違いない! そのせいで自分自身の世界観、価値観までおかしくなった気がする 『でもいくつかの視点から自分の立ち位置を眺めることができるようになると、言い換えれば、自分という存在を何か別の体系に託せるようになると、世界はより立体性と柔軟性を帯びてきます。』 (村上春樹『職業としての小説家』新潮文庫) All the events I expected to be reserved for the final volume of this six-part novel have already transpired. Among all the books I have read, among all the films I have watched, never has there been a cult leader so exceptionally grotesque and repulsive. Aomame, the highly skilled female assassin assigned to kill him. Trusting wholly that Aomame would dispatch the leader without a shred of sympathy, I have followed this story until now. In this volume, the two finally meet; through their conversation, the reasons for the leader’s monstrous deeds are laid bare. These motives, transcending time and space, spanning dimensions, are described as following the law of action and reaction. And as I read, to my own surprise, my desire to see the leader erased began to falter. Even within the story, Aomame hesitates to carry out the assassination. From the depths of thought, from deep in the darkness, Murakami has surely drawn forth something—be it truth or madness—and poured it into this episode. Because of this, I feel my own worldview, my very system of values, has been fundamentally unsettled. @A hotel in Santa Clara
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いよいよ、青豆と天吾の世界が重なる展開。 新興宗教団体のリーダーは、本当の「黒幕」ではなかった。 彼もまたリトル・ピープルに利用される存在だったということがわかるのだが… リトル・ピープルは超自然の存在。 ヤギの死体から現れたり、人数も自在に変えられたり。 宗教コミューンの暗部...
いよいよ、青豆と天吾の世界が重なる展開。 新興宗教団体のリーダーは、本当の「黒幕」ではなかった。 彼もまたリトル・ピープルに利用される存在だったということがわかるのだが… リトル・ピープルは超自然の存在。 ヤギの死体から現れたり、人数も自在に変えられたり。 宗教コミューンの暗部に切り込んでいく社会派小説と思っていたので、突然のファンタジー展開にやや戸惑う。 青豆がふかえりの「空気さなぎ」を読むことで、不可解なリトル・ピープルや空気さなぎのこと、1Q84という世界のことが少しわかってくる。 リトル・ピープルは選ばれた少女に空気さなぎを作らせ、そこに彼女とうり二つの「ドウタ」を作らせる。 ドウタはマザ(元の少女)のレシヴァ(受信者)となり、知覚をパシヴァ(知覚者)であるマザに送る。 生きているドウタは、リトル・ピープルの世界とこの世をつなぐ通路となる。 ドウタの眼ざめにより、月は二つになり、それぞれにマザとドウタの心を映すようになる。 ドウタを失うとマザは、心の影を失う。 これが「空気さなぎ」の物語で、「1Q84」冒頭から出てきた二つの月の謎がやっと解ける。 ふかえりの美しい耳の描写がやけに生々しくされるのが気になっていたが、それは彼女がパシヴァだからであり、彼女の父(さきがけのリーダー)が「聴くもの」であったことと関わっているのだとやっと理解した。 天吾が手を入れて公開したふかえりの「空気さなぎ」は、彼らの世界支配への「ワクチン」になりうるために、天吾の周辺の人たちを消していく。 認知症になっていた父が危篤状態になり、駆け付けた天吾は、そこで空気さなぎから青豆が生まれていくのを目にするところで、この巻は終わる。 生身の青豆と天吾はまだ出会えていないが、たぶん早晩出会うことになるだろう。 決して単なるハッピーエンドには終わらないだろうという予感がする。
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美しい抽象的な比喩と引用がやはり凄まじい。 抽象者を残した表現は読者に咀嚼することを要求し,それはある種の煌めきを見つけることや発見に近いなにかを引き出す そして映画の比喩も素晴らしい 時代感とその場の雰囲気のわからなさ それこそがそれをよりそのシーンにしている これは美しい ...
美しい抽象的な比喩と引用がやはり凄まじい。 抽象者を残した表現は読者に咀嚼することを要求し,それはある種の煌めきを見つけることや発見に近いなにかを引き出す そして映画の比喩も素晴らしい 時代感とその場の雰囲気のわからなさ それこそがそれをよりそのシーンにしている これは美しい また,父親と青豆とふかえりと。 それぞれが単調に進んで変わっていく様がとても美しい。 空気さなぎは何を指し示すのか,どうして我々の前に現れるのか.精神的な弱さが弱点な人間は果たしててんごだけなのか. 物語の濃淡は驚くほどに濃く,ストーリーは単調である. そのキャップがある種時間の経過間隔を危うくさせてしまうのがすごくリアルで鮮明な読書体験を産んでいる。 変化は進化を指し示すのか,それとも退化を指し示すのか。 何かの形がいじられるということはどのような影響を及ぼすのか. また,ここにきて鮮明に描かれたメタ構造がとても美しい. 創作をするという行為の当事者意識や,それを描くことでそれに否応なく関わってしまうということを自覚させられた村上春樹の哲学が読み取れる。 そして,それがある種、雷であるとか雨であるとか,はたまた曇りであるとか。 そんなものが指し示す物語のいく先を理解した人物が存在するということがとても面白い 危うい存在がその危うさを言語化できないのもリアルで良い。 物語の当事者はどうして物語がそのように転がるのかそこまでは認知できないのがこの物語の展開において親切なガイドであり且つその奇妙さを深掘りさせている。素晴らしい技法である
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この巻で話がかなり壮大になったと思う。今までの4作中、際立って良かったポイントは思いつけないものの、青豆と天吾の再会に身を焦がれ続け、ページを繰る手が止まらなくなるような面白い一編だった。またすぐに5を買いに出向こうと思う。
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(全巻同じレビューを入れています) ・・・ なんだか本作、キャラの作り・彩りが他の作品より豊富かつ精緻であったと感じました。 ・・・ 一番感じたのは天吾。 天吾は、これまでの村上作品でいうところの「僕」に当たると思います。 たいてい「僕」は文筆・広告関連、或いは飲食関連を生業にしつつ、音楽好き・思想や文学をそらんじ、気怠く生きつつも(あるいは彼なりに模索をしつつ)女性と交わりつつ、そして世の中のフシギと対峙し、最終的に大団円を迎える、みたいな感じでした。そんな彼ですが、不思議とどういう背格好かとか、そういうのは記述がなかったんですよね。まあそれはそれで味がありました。自分を重ねて読むこともできました。 でも今回の天吾は家族構成、身体的特徴(柔道耳!)、大柄でスポーツも数学的センスも(実際は音楽センスも)あり、とにかく器用であることなど、非常に細かい設定であったと思います。よくも悪くも、自分を投影するキャラではなく、外から眺めるべき主人公でありました。 ・・・ もう1人の主人公青豆はややラフな作りこみで、彼女の家族の話は余り描かれず、むしろ柳屋敷の女主人やタマルなど、遊び友達の中野あゆみなど、周囲の際立ったキャラとともに物語を彩り深いものにしていたと思います。 もう1人、やはり出色のキャラは牛河でしょう。本作で一番印象深いトリックスター(という程ではない!?)だったかと。実は司法試験合格者とか医者の家の子だとか。こういうのは初めて読んだときに記憶に残りませんでした。 でも彼のこと、他の作品でどっかで読んだ気がしたけどどこで見たんだろうと、気になって仕方なく、googleで検索したら『ねじまき鳥クロニクル』 (1994)で出ていました。そうそう、「僕」の元を離れた奥様の兄の綿谷ノボルの秘書としてでした。 ・・・ その他、ふかえりの育ての親の戎野先生、編集者の小松など、かなりエッジのたったキャラが自然な形でそのポジションを占めていたと思います。 あと、17歳で文学賞を受賞したふかえり、あれは綿矢りささんが高校生で芥川賞を受賞したことの影響じゃないかとか、さきがけ・あけぼのってのもオウムの影響じゃないかとか、諸々想像させるところがありましたね。 ・・・ もう一つ。終わり近くまで殆ど考えませんでしたが、タイトルについて。 本タイトル、もちろんかのディストピア小説の『1984』を承けたものでありますが、本作は「9」「Q」になっており、一種のパラレルワールドへ迷い込んだという設定です。実際にはパラレルではないとの説明がありましたが。 で、天吾と青豆は会えそうで会えないすれ違いを、結構延々と、最後の最後まで繰り返すのですが、最終巻の第三巻に至ってまだ会えないところで、私気づきました。 そう、この物語は年末までに終わらねばならない。なぜならば、タイトルがそうだから。85年を跨がないように、タイトルが84年となっている。 実は第一巻は4-6月、第二巻`は7-9月、第三巻は10-12月とサブタイトルが振られています。そしてキチンをけりをつけるべく、収束していったことに感心した次第です。 上手く表現できませんが、何というか、タイトルの制約を内容に反映させた?ような作りが面白いと思いました。 ・・・ ということで村上作品でした。いやー長かった。10日間弱、読むのにかかりました。 ところで、私の初めて読んだ村上作品は『ノルウェイの森』(1987)でした。そして帯には『究極の純愛』とか何とか書いてあったと記憶します。 そこから20年を経て上梓された本作、これもまた『究極の純愛』と呼んでも良い作品であったと思います。 堪能致しました。
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物語は進んでいるが、オハライや青豆の生死、天吾の空気さなぎなど、謎が多すぎる。4冊目ということもあって少し読むペースが落ちてしまった。クライマックスで多くの謎にすっきりとした答えが得られることを期待したい!
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▼あらすじ 老婦人からの暗殺依頼を受け、”さきがけ”のリーダーとの面会に成功した青豆。しかし、リーダーは既に青豆が自分を暗殺しようとしている事に気づいており、2つの運命を唱えるー「青豆が生き残り、天吾が死ぬ運命」「天吾が生き残り、青豆が死ぬ運命」。彼女は、どちらを選択したのかー。 一方の”さきがけ”から狙われている天吾は、ふかえりと”オハライ”をする。その中で何故か青豆との体験を思い出す。そして、過去の清算をするために認知症の父親に久々の再会を果たすー。 迷い込んだ1Q84の世界の中で、青豆と天吾はそれぞれの事を想い、巡り会う事を渇望する。果たして彼らは望み通り巡り合えるのか、物語は続いていくー ▼感想 著者の思考の根柢はニヒリズム思考である。この世界に価値はなく何かしても意味がないと考えているため欲もない。しかし、そんな中でこの世界に価値を感じられるものが「愛」である。青豆と天吾は、お互いがお互いを想い愛する事で、世界に生きる意味を見出している。人が人を想い繋がりを実感している事こそが幸福だと考えている点において、この考えは共感できた。
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この巻から専門用語が急に増えてきた。ちょっと整理して読まなくてはならないぞ、、 銃が物語に出てきたらどこかで発砲されなくてはならない だったか、の言葉好き。頭に残る。 物語も佳境に入ってきてどんどん村上ワールドの混沌とした現実と幻想の境界が曖昧になるような感覚が味わえて、これ...
この巻から専門用語が急に増えてきた。ちょっと整理して読まなくてはならないぞ、、 銃が物語に出てきたらどこかで発砲されなくてはならない だったか、の言葉好き。頭に残る。 物語も佳境に入ってきてどんどん村上ワールドの混沌とした現実と幻想の境界が曖昧になるような感覚が味わえて、これこれ~となった。
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さあ、青豆はどうなるのか。 この世界はいったい何なのか。 ようやく、空気さなぎやリトルピープルの姿が見えてきたけれど、それがいったい何を意味するのかは不明です。残り2冊を楽しんでいきます。
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