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名著講義 の商品レビュー

4.5

18件のお客様レビュー

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2025/05/05

お茶大の新入生向けゼミ、藤原先生と文庫本を読む。人気の授業だったらしい。収録されているのは先生最終年度のゼミ。文庫は『武士道』『武家の女性』『逝きし世の面影』『代表的日本人』……ラインナップを見て、最初は引いてしまった。 一方的に講義するだけなら、魅力に欠けたかもしれないが、授業...

お茶大の新入生向けゼミ、藤原先生と文庫本を読む。人気の授業だったらしい。収録されているのは先生最終年度のゼミ。文庫は『武士道』『武家の女性』『逝きし世の面影』『代表的日本人』……ラインナップを見て、最初は引いてしまった。 一方的に講義するだけなら、魅力に欠けたかもしれないが、授業はゼミ形式。重要なポイントを学生が引き出してくれる。学生と先生のやりとりがおもしろく、読ませる。 チョイスされた文庫11冊は、どれも保守的で、古臭い印象があったが、実際にはまったくそうではなかった。目からウロコ、それに生きる上で肝心かなめのことを教えてくれる。 ボーナストラックは藤原先生の最終講義。半生をコンパクトに語っている。小学4年の時に教わった数学好きの図工の先生、安野光雅先生の話も出てくる。

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2025/03/18

私の大好きな藤原正彦先生。 本書はお茶の水女子大での読書ゼミ(11冊+α)の模様を収録したもので、藤原先生の教養と学生たちの感受性がぶつかり合う、楽しくもタメになる一冊。 名著の数々に描かれる江戸時代から昭和初期までの日本において、当時の人々たちはじつに逞しく、そして気高く生き...

私の大好きな藤原正彦先生。 本書はお茶の水女子大での読書ゼミ(11冊+α)の模様を収録したもので、藤原先生の教養と学生たちの感受性がぶつかり合う、楽しくもタメになる一冊。 名著の数々に描かれる江戸時代から昭和初期までの日本において、当時の人々たちはじつに逞しく、そして気高く生きてきたことがよく分かります。 本書に収録された名著のうち、恥ずかしながら読んだことがあるのは「学問のすゝめ/福沢諭吉(明治5年)」と「武士道/新渡戸稲造(明治32年)」の2冊のみ。 それ以外の名著では、「代表的日本人/内村鑑三(明治27年)」、「逝きし世の面影/渡辺京二(平成10年)」、「山びこ学校/無着成恭(昭和26年)」、「福翁自伝/福沢諭吉(明治32年)」あたりを是非読んでみたいと思いました。 日本人として、先人たちの営みがとても誇らしく感じられます。

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2023/02/12

毎週、課題の本を読んで議論しあう講座のお話 幕末、明治と日本人はどう生きたのか 日本人とは?真の独立とは? 書籍を通じて考える 深く心に突き刺さる内容でした

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2022/08/21

お茶の水女子大1年生20人限定の読書ゼミ内容を紙上公開。毎週1冊の課題図書(岩波文庫)を買って読みレポートする。 課題図書の選定がイイ。どの本も読めば、戦後日本人が無くしたモノに気づくことになる仕掛け。 例えば、内村鑑三「代表的日本人」に出てくる上杉鷹山(や保科正之など)の合理性...

お茶の水女子大1年生20人限定の読書ゼミ内容を紙上公開。毎週1冊の課題図書(岩波文庫)を買って読みレポートする。 課題図書の選定がイイ。どの本も読めば、戦後日本人が無くしたモノに気づくことになる仕掛け。 例えば、内村鑑三「代表的日本人」に出てくる上杉鷹山(や保科正之など)の合理性と先見性や西郷隆盛のあふれる人間愛、日蓮上人の強い信念と実行力など。 また、英国外交官の妻、キャサリン・サンソムが東京赴任中に書き記した「東京に暮らす」の時代は、世界恐慌や満州事変、国連からの脱退、二二六事件や日中戦争など平穏とは真逆の激動の時代でした。そんな暗い世相の中でも、日本人の陽気さや礼儀正しさを賛美する本書の内容は、当時の来日外国人の多くが「貧困でも幸せな国民」という形容の普遍性を証明するものでしょう。ゼミのディスカッションで「当時はうつ病になる人が少ない」という文章に着目した藤原氏は、翻って現代日本は「(核家族化に伴い、)家族やコミュニティーの絆を失った人々にとって、自由選択、自己責任、競争社会という重荷を背負います。絆を断ち切ると自由が得られます。家族を捨て個人主義に走ると自由が得られます。その反作用が、不安、孤独、そこはかとない精神の疲労です。自由というものの光と影を見極め日本的なものを取り戻さない限り、うつ病が減ることはないでしょう」と鋭い。 本書で紹介された本すべて魅力的ですが、あえて1冊のみを選べば、最終講義での課題図書、福沢諭吉「福翁自伝」でしょうか。

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2019/10/17

著者が指定する本(主に岩波文庫)を題材に学生たちとディスカッションしていく様子をまとめた本です。 著者の数学者としての活動についてはわからないのですが、知識量と言葉の選び方に関しては素晴らしいと思いました。 また、学生たちの純粋な疑問や感想も新鮮さが溢れており、この本自体に堅苦し...

著者が指定する本(主に岩波文庫)を題材に学生たちとディスカッションしていく様子をまとめた本です。 著者の数学者としての活動についてはわからないのですが、知識量と言葉の選び方に関しては素晴らしいと思いました。 また、学生たちの純粋な疑問や感想も新鮮さが溢れており、この本自体に堅苦しさをなくす効果が出ているようです。 ただ一つ気になるのは、何かに付けて「かつての日本人は素晴らしかった。それに比べて今の日本人は…」のような話の展開に持っていこうとするのが残念でした。 日本が西欧の自由主義を積極的に取り入れたせいで、日本人はだめになった(もしくはだめになりつつある)と述べていますが、西欧というのも幅が広すぎますし、 題材本内で日本人の素晴らしさを褒め称えている箇所を挙げて、「このように当時の日本人は素晴らしく、西欧の人はだめだった!」といったような話をしていますが、 その当時の日本人というのも江戸自体から昭和までと幅が広いのも気になります。 昔の日本と今の日本を比べると、今はより個人が尊重されるようになりその分横の繋がりが薄くなったというのはその通りだと思いますが、 それを個人主義が日本のマイナス点のように持っていくのはなかなか厳しいのでは。 素晴らしい行動をしている日本人と、豊かな生活をしているが精神的には野蛮(のように見える)な西欧人を比べるのであれば、 その逆の、素晴らしい行動をしている西欧人と、豊かな生活をしているが精神的には野蛮(のように見える)な日本人についても考えなければフェアではないですし、結論への過程が足りないのではと思いました。 面白い本であることに違いはないので、面白く読ませていただきました。

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2025/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019年5月頃 「国家の品格」や「国家と教養」には、納得する点は多いものの内容が浅いところがあったのであまり期待してなかったけど、これはメモが止まらない良い本だった。 明治〜昭和初期に書かれた古典に初めて触れるお茶大生の様子がリアル。 高校で学ぶような、温もりのない事実の羅列に終始する日本史のなかではどうしてもイメージできない生の歴史ー当時の情景や空気ーを古典のなかに感じ、そして思いを馳せる学生たち。時には戦没学生の手記に触れて涙を流すことも。 近代化の波に飲みこまれながらも、まだ日本人のなかに刻み込まれていた「日本人らしさ」の健気で純粋な美しさに胸が詰まる。もちろん良いことばかりではなかったはずで、安易に思い出補正に捉われるべきではないが、忘れてはいけないものがこの国には確かにあったことを思い出させてくれる。 大学にいると、社会的地位やカネ、他者からの賞賛といったものが幸せの基準として非常に強いように感じる。東京カレンダーとかを立ち読みしてると自分は圧迫感と息苦しさを感じるが、そういう感じの。 しかし、ここで取り上げられる本のなかで生きている100年前の日本人たちは等身大の幸せのなかで生き生きと描かれている。そこには大切な人との繋がりや物事に忙殺されない余裕のある時間からくる心の豊かさがあるように思う。 また、歴史や文化に触れることで自分という人間の生きる文脈を知り、戦争や差別といった過ちを繰り返さないことが一人一人の人間にとっていかに大切かということを感じる。

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2018/10/27

"お茶の水大学で教える藤原正彦さんの読書ゼミを書籍化したもの。 私は、毎朝トイレ(失礼!)で1作品づつ読んでいった。眠気を覚ますのにちょうどよく、刺激も受けるし1作品読み切る時間もトイレ時間的にもぴったりだった。 ここでゼミのテーマとなった本11冊が紹介されている。 全...

"お茶の水大学で教える藤原正彦さんの読書ゼミを書籍化したもの。 私は、毎朝トイレ(失礼!)で1作品づつ読んでいった。眠気を覚ますのにちょうどよく、刺激も受けるし1作品読み切る時間もトイレ時間的にもぴったりだった。 ここでゼミのテーマとなった本11冊が紹介されている。 全ての書物を読みたく(読み返したく)なる。日本国を近代化に導いた人々に触れることで、現代社会を見つめなおすことになる。 江戸後期から明治時代を生きた人の書物が中心にテーマ本に選ばれている。読書ガイドとしても秀逸。"

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2018/07/12

 お茶の水大での授業の本。著者が新田次郎のご子息であることは知っていたがお茶大の先生とは知らなかった。は、さておき、講義自体をもし聴講したら、恐らく「古い昭和のおっさんやな」と思うだろう。それが最終講義で一変。これがダントツで面白い。数学と文学の対比は実にぐっときた。  あと若干...

 お茶の水大での授業の本。著者が新田次郎のご子息であることは知っていたがお茶大の先生とは知らなかった。は、さておき、講義自体をもし聴講したら、恐らく「古い昭和のおっさんやな」と思うだろう。それが最終講義で一変。これがダントツで面白い。数学と文学の対比は実にぐっときた。  あと若干気になった点としては氏が何とか?場を和ませようと笑いをいれてくるのだが、これがまだ土屋氏には及ばないようだ・・というところか。

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2014/10/27

学問のすゝめやわだつみのこえなど,名前を聞いたことはあるけど読んだことはない,そういう明治~昭和時代に書かれた名著を大学生が読んで討論した授業をまとめた本。 学生の臆面なく言う若々しいアイディアと,それを受け止めて返答する先生の知識量に圧巻。 難しくて読みづらいものもたくさんある...

学問のすゝめやわだつみのこえなど,名前を聞いたことはあるけど読んだことはない,そういう明治~昭和時代に書かれた名著を大学生が読んで討論した授業をまとめた本。 学生の臆面なく言う若々しいアイディアと,それを受け止めて返答する先生の知識量に圧巻。 難しくて読みづらいものもたくさんあるでしょうに,この本読んでみたい!と思わせるものがいくつも出ました。

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2013/12/10

初の藤原本。お茶大生のレベルが思った以上に低くて驚くのだが、女子大ってこういうもんなのかな?という気も。よく言えば純粋無垢という事なのだろうが。先生と学生のやりとりはお笑い漫才のようにもなっており、本としては面白く読める。藤原先生の情熱とユーモアと優しさが伝わってくる内容。 最近...

初の藤原本。お茶大生のレベルが思った以上に低くて驚くのだが、女子大ってこういうもんなのかな?という気も。よく言えば純粋無垢という事なのだろうが。先生と学生のやりとりはお笑い漫才のようにもなっており、本としては面白く読める。藤原先生の情熱とユーモアと優しさが伝わってくる内容。 最近思うことだが、本書を読んであらためて戦後教育によって刷り込まれた価値観というのはあるのかな?と感じる。ある程度意識して価値観をニュートラルにしていく必要があるのかもしれない。未読の本も多々あり、紹介された本は全て読んでみたいものばかりである。並行して藤原本もいろいろ読んでみようかと。

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