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迷走パズル の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2012/11/03

先月の新刊で、『俳優パズル』というのがあり、「これは面白そうだ!」、と思って手に取ってみたら、パズルシリーズの第2作目ということで、ということは、まずは1作目から読まなきゃじゃんか、ということで律儀に読んでみた1作目が、こちら、『迷走パズル』になります。 仕事がなくてアルコール...

先月の新刊で、『俳優パズル』というのがあり、「これは面白そうだ!」、と思って手に取ってみたら、パズルシリーズの第2作目ということで、ということは、まずは1作目から読まなきゃじゃんか、ということで律儀に読んでみた1作目が、こちら、『迷走パズル』になります。 仕事がなくてアルコール依存症になった演劇プロデューサが、療養所で出会った怪奇な殺人事件、というミステリ。 全体的に、軽めです。 ライトミステリというか、読むのにちょうど良いです。 全体的にも、シリーズの最初としては、手堅くキャラクターも描かれてて面白かったのではないかな、と思います。 最終的に、シリーズの開幕を思わせるラストも、けっこういい読後感を提供してくれます。 さあ、これで第2作目の『俳優パズル』を読めるぞ!と意気込んではみたものの。 ただいかんせん、翻訳物なのである程度は当たり前だと思いつつも、お値段が結構するので……。 どこかのち○ま文庫もけっこうなお値段がいたしますが、創元推理文庫は、良作が多いので大好きなんですが、いかんせん、こちらのお財布事情というものもありまして……。 この『迷走パズル』は、\861(税込み)、『俳優パズル』は、\1,050(税込み)……。 文庫でまさかの\1,000超え……! うん、もうちょっと間を開けてから、そのうち買いますね……。 楽しみは、あとにとっておくものだ、と、かの偉大な、えーと、ほら、誰かが言ってた気がするので。たぶん誰か言ってるよ。 うん。

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2012/09/07

ピーター・ダルースを探偵役とするパズルシリーズの第一弾。妻を火災で失った衝撃からアルコール依存症となったピーターが、入院先の療養所内で起きた不審な死亡事件の真相究明にあたる本格ミステリー。関係者を一同に集めての謎解きで迎えるラストは必見です!

Posted byブクログ

2012/07/02

アルコール依存症で精神的な療養所で入院加療中のピーターは、逃亡を促す己の声を聞く。 療養所内では不穏な出来事が続き、所長はリハビリも兼ねてピーターに事件の捜査を託すのだが…。 ものすごくオーソドックス。 伏線が張られ、ミスリードがあり、関係者一同を集めての謎解きがあり。 舞台の...

アルコール依存症で精神的な療養所で入院加療中のピーターは、逃亡を促す己の声を聞く。 療養所内では不穏な出来事が続き、所長はリハビリも兼ねてピーターに事件の捜査を託すのだが…。 ものすごくオーソドックス。 伏線が張られ、ミスリードがあり、関係者一同を集めての謎解きがあり。 舞台の割には明るい作風で、ページ数も多くないので楽しんで読めた。 次作が楽しみ。

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2012/06/16

「迷走パズル」 アルコール依存症の治療もそろそろ終盤という頃、妙な声を聞いて恐慌をきたしたピーター。だが幻聴ではなく療養所内で続いている変事の一端と分かった。所長は言う「ここの評判にも関わる、患者同士なら話しやすいだろうから退院に向けたリハビリを兼ねて様子を探ってもらいたい」。 ...

「迷走パズル」 アルコール依存症の治療もそろそろ終盤という頃、妙な声を聞いて恐慌をきたしたピーター。だが幻聴ではなく療養所内で続いている変事の一端と分かった。所長は言う「ここの評判にも関わる、患者同士なら話しやすいだろうから退院に向けたリハビリを兼ねて様子を探ってもらいたい」。 1940年代に書かれた推理小説「迷走パズル」です。この「迷走パズル」の特徴は以下です。 1.変わった主人公 主人公であるピーターはアルコール依存に悩んでいるということ、アルコール依存から脱する為に精神療養所にいること、そして探偵として活動すること、この3つの特徴を持っています。この3つが揃う主人公による探偵小説は初めて読んだ気がします。 また、事件の真相を探る舞台が常に療養所であること、犯人が常にピーターの傍にいる可能性があることも大きな特徴です。 2.馴染む時代性 この作品は随分昔に書かれていることから普通は時代を感じることもあると思います。例えば、日本文学でよくあるように文法使いや表現に違和感を感じたり、登場人物が妙にしっくりこなかったりなどなど。しかし、この「迷走パズル」ではそのような時代性を感じませんでした。 理由としては舞台が療養所から出ないことやピーターが常に療養所内の人間について思案してくれていること、そして訳者が昔の良い表現(外国作品で良く登場するウィット感)を生かしてくれていることなどがあると思いますが、最も大きいと思うのが、まさに推理に迷走していることです。 療養所内で起こる殺人事件やそもそものきっかけと思われるピーターや他の患者も聞いたとされる声の謎など破格の値段がつきそうな謎をいくら患者同士なら調べやすいからと言っても探偵なんかしたことの無いピーターが解けるのだろうか?と読者に思わせる迷走ぶりにまず惹きつけられます。 そして、そんな迷走ピーターが傍にいるかも知れない犯人と事件の真相を追い求める捜査も様々な要素を巻き込みながら進み、とても心地よいです。話のテンポ自体は速いとは言えないと思いますが、それぞれの登場人物の拝啓とピーターの思案が描かれているので、テンポの速さよりも内容の中身に惹きつけられます。 以上2つがこの「迷走パズル」の魅力だと思います。当時の流れを考えると、精神病の小説でこれだけ穏やかな要素を含んでいる作品は珍しいのではないか?とふと思いました。 次回も読んでいきたいと思わせる作品です。しかし、もう少し長くてもいいかな。

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2012/05/15

心のケアが必要な人々が集う療養所で不可解な出来事が多発し、ついには殺人事件が発生。 当初は所長からの依頼でリハビリがてら内部調査を始めたアルコール依存症のピーターでしたが、やがて容疑者とされたアイリスの無実を証明する為に奔走します。 辛い出来事に落ち込み酒に溺れ、自分自身をコント...

心のケアが必要な人々が集う療養所で不可解な出来事が多発し、ついには殺人事件が発生。 当初は所長からの依頼でリハビリがてら内部調査を始めたアルコール依存症のピーターでしたが、やがて容疑者とされたアイリスの無実を証明する為に奔走します。 辛い出来事に落ち込み酒に溺れ、自分自身をコントロール出来ずにいたピーターが、事件を通して徐々に自信を取戻していく姿が清々しいです。 療養所が舞台ですが暗さや重さはまったくありません。様々な症状の患者達の言動が事件を複雑にしたり解決に導いたりとどこかコミカルです。 最初は幻聴を聞いたりする患者達の言葉を信用出来ないと思っていましたが、妄想と現実がはっきりしていくにつれ、患者達よりも職員達の方が疑わしくなってきました。 ピーターの症状がよくなっていくにつれて、事件もよりはっきりと見えてきます。療養所ならではの物の見方が事件に大きく影響していくのがおもしろいです。 事件のトリック自体は微妙でしたが、一同を集めての解決場面はとても楽しく、とくにあの人にはまんまと騙されたり惑わされたりしました。 犯人の正体や卑劣さには苦いものがありますが、読後感も良く最初から最後まで楽しい1冊でした。

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2012/05/03

楽しく読了。精神の調子を狂わせた方々が入院する療養所での事件が舞台なので、チャカポコチャカポコ風だったり、シャッターアイランド風だったり、三狂人風だったり、といろいろ妄想してました。が、それほどダークな感じはなく、ちょっと変わった患者のいる病院レベルでしたね。 自らアルコール依存...

楽しく読了。精神の調子を狂わせた方々が入院する療養所での事件が舞台なので、チャカポコチャカポコ風だったり、シャッターアイランド風だったり、三狂人風だったり、といろいろ妄想してました。が、それほどダークな感じはなく、ちょっと変わった患者のいる病院レベルでしたね。 自らアルコール依存症で病院の入院患者でもある素人探偵ピーター・ダルースが、この「変わった人達」と「病院の職員」の中から犯人を洗い出す過程は、ミステリ洋画のようでとても楽しかった。 驚愕の真相とか、すごいドンデンとかを期待するとアレかもしれませんが、次作の刊行も楽しみな作家さんですね。

Posted byブクログ