感性の限界 の商品レビュー
2018年の一冊目は限界シリーズ『感性の限界』 カーネマン、アリエリー、ヘレン・フィッシャー、ローレンツ、ドーキンス、アーレントからミルグラムなどなど。これがものすごいスピード感で次々と話題が変わるところがシリーズの見どころ。 全2冊と同じく定番がきっちり押さえてある参考文献の充...
2018年の一冊目は限界シリーズ『感性の限界』 カーネマン、アリエリー、ヘレン・フィッシャー、ローレンツ、ドーキンス、アーレントからミルグラムなどなど。これがものすごいスピード感で次々と話題が変わるところがシリーズの見どころ。 全2冊と同じく定番がきっちり押さえてある参考文献の充実ぶりもタイトルだけ眺めてるだけでワクワクすっぞ。
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「限界」シリーズの第3弾です。今回は、会社員氏の結婚式の場でまたしてもくり広げられた登場人物たちの会話を通して、行動主義心理学や人間の認知システム、進化論による心の解明、そして人間の存在がもつ意味についての問題が扱われています。 心理学や認知科学がテーマになっていることは当然に...
「限界」シリーズの第3弾です。今回は、会社員氏の結婚式の場でまたしてもくり広げられた登場人物たちの会話を通して、行動主義心理学や人間の認知システム、進化論による心の解明、そして人間の存在がもつ意味についての問題が扱われています。 心理学や認知科学がテーマになっていることは当然に予想できたのですが、最後のほうではカミュの「形而上学的反抗」など、これまでとりあげられてきたテーマからは少し異色とも思えるような内容が扱われています。ただそのせいで、ほかの二冊に比べると少しまとまりが悪いようにも感じました。
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限界シリーズ3作目。 3作目にもなると、これまで司会者に話を切られてきていたカント主義者や急進的フェミニストがしっかり発言できるようになってきている。 仮想シンポジウムが続いていく中で運動選手と大学生Aの関係が少しづつ進展していくのも気になっていた。 この限界シリーズは俳優に演じ...
限界シリーズ3作目。 3作目にもなると、これまで司会者に話を切られてきていたカント主義者や急進的フェミニストがしっかり発言できるようになってきている。 仮想シンポジウムが続いていく中で運動選手と大学生Aの関係が少しづつ進展していくのも気になっていた。 この限界シリーズは俳優に演じてもらって映像教材にしたらとても面白そうだ。 本書の主題とは違うことばかり言っていると司会者に「そのお話は、また別の機会にお願いします。」言われてしまいそうだ。 限界という越えがたい壁に挑戦し続ける人間の探究心に勇気をもらえる。
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「理性の限界」「知性の限界」に続き、「感性の限界」をついに読了。 限界シリーズのラストを飾るにふさわしい、知己に満ち溢れた、素晴らしい内容。 人間がなぜ、不合理で愚かで不利益な行動をとるのか。自由意志はないのではないか。愛は幻想か。 いや、まさしく今の自分にタイムリーな内容で...
「理性の限界」「知性の限界」に続き、「感性の限界」をついに読了。 限界シリーズのラストを飾るにふさわしい、知己に満ち溢れた、素晴らしい内容。 人間がなぜ、不合理で愚かで不利益な行動をとるのか。自由意志はないのではないか。愛は幻想か。 いや、まさしく今の自分にタイムリーな内容で、そしてこの本が何かの解決につながるわけではなく、むしろ悩みを深めるような(笑)、しかし終盤に書かれていたが、なぜか「心が軽くなるような」素晴らしい新書でした。 大満足。幻想とはわかっていても、やっぱり自分は愛に生きるかな。。。
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限界シリーズも3冊目。 1冊目、2冊目は楽しく読めたけれども、これはいまいちだった。1、2冊目は人に勧めてもいいけれども、3冊目はちょっと勧められないかな。以下簡単にレビュー。 第一章行為の限界:行動経済学は少し前に友野典夫の新書を読んでいたので、大体は知っている話であった。知っ...
限界シリーズも3冊目。 1冊目、2冊目は楽しく読めたけれども、これはいまいちだった。1、2冊目は人に勧めてもいいけれども、3冊目はちょっと勧められないかな。以下簡単にレビュー。 第一章行為の限界:行動経済学は少し前に友野典夫の新書を読んでいたので、大体は知っている話であった。知っている話なので少々物足りなさはあったが、導入としてはまあいいのでは。 第二章:意思の限界 行動経済学の話としては、権威への服従がシステム1とシステム2のジレンマであるという情報。これは今回目新しい情報だった。それ以外はいままでのシリーズもののまとめ的な立場なのかな? 第三章:存在の限界 この章はだいぶ微妙。観念的な話が多く、いまいちしっくりこなかった。はっとしたものは「小集団の論理」くらいか。この論理はさまざまなところで実感しているので、学術的根拠を得られたことはよかった。今までのシリーズではさまざまな実験で証明されてきた事象を扱っていて、この章はそういかないという事情を考慮しても、だいぶ情緒的な話に終始した印象。あとがきを読む限りでは、東日本大震災の後に刊行されたようだが、その影響があるのだろうか。 前2冊は読み返すかもしれないが、これは読み返さないと思う。
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一つの問題に対して,いろいろな分野から,いろいろなアプローチがあるのはわかるが,どれも確かな問題解決に結びつかないのがもどかしい.それはここで扱われた問題が本質的に孕んでいるものなのかもしれない. このシンポジウム形式に飽きてきたのもある. やはり1冊目が一番刺激的だった.
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人間の本質、傾向を知る。 ・アンカリング ・自律的システムと分析的システム ・小集団への帰属 ・ミーム
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「感性の限界」高橋昌一郎 哲学思考ディベート。無色。 講談社現代新書。 「限界シリーズ」の3冊目では最も哲学的な命題、人間に関わる根源的なことがらについて取り上げられています。即ち、愛(行為)・意志(自由)・死(存在)の限界について。 誰にとっても最も身近な問題で、かつ考えても...
「感性の限界」高橋昌一郎 哲学思考ディベート。無色。 講談社現代新書。 「限界シリーズ」の3冊目では最も哲学的な命題、人間に関わる根源的なことがらについて取り上げられています。即ち、愛(行為)・意志(自由)・死(存在)の限界について。 誰にとっても最も身近な問題で、かつ考えても考えても答えのでない問題というのは、面白いんだけれども、面倒くさい。安直に逃げてしまいがちな命題です。 前二作同様、架空のシンポジウム形式で多くの異なる視座をもった出席者達のディスカッションを通じ、命題を切り開いていきます。 生理学者、神経生理学者、社会心理学者、行動経済学者、動物行動学者、認知科学者、ロマン主義者、行動主義者、実存主義者、進化論者、哲学史家、科学史家、フランス国粋主義者とフランス社会主義者、カント主義者、論理実証主義者、形而上学者(!)、急進的フェミニスト、会社員、運動選手、大学生…、 等々。 いろいろなセオリーや学史のつまみ食いなので、興味を持ったことはさらに自分で深めていくことができる、てつがくの入門書です。 また3冊通して読みかえしたい。 (5) ----- 以下メモ 行為の限界のパートに出てきた二重過程モデルについて。 システム1=直感的、素早い、無意識。 システム2=分析的、熟考する、顕在的。 計算機科学分野においては、ヒューリスティクス処理システム(システム1)と系統的処理システム(システム2)という用語が使われている。 問題点。人間は、理性的に判断すれば合理的と分かっていても直感的に判断した不合理な事柄に対して、”後付けの理屈”をつけて矛盾を軽減しようとする(認知的不協和)。 つまり、人間の行為には直感という認知バイアスによる限界がある、という論旨。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シリーズ三部作の最後をいきなり手に取ってしまいました。 順番に行くべきなのでしょうが、興味を持ったのがこちらからだったので。 できるだけわかりやすく、そしてトライしやすいようにシンポジウム形式で書かれているのでしょうね。 話の種的な、知的な考察についてのいろんな引き出しを増やすための本のように感じました。 これを読んで何かを深く理解したり納得したりというよりは、こちらを取っ掛かりにして深めていくためのきっかけ本なのでしょう。 内容は難しいですが、すごく工夫をしてできるだけ噛み砕いてという意図で書かれたことが伝わってきます。 「実存は本質に優先する」という言葉。初めて自分は知りましたが、ここに書かれたガリレオの例がとてもわかりやすい。そういうことかと納得。 そして生きている以上は何らかの生きてる証を残したいと考えるのが人の常なのではないかと常々思っていましたが、「人間にとって最も崇高なのはむしろ自分を捨てる『無私の行為』なのではないか」という言葉と、その言葉と共に書かれた史実に衝撃を受けました。 コルベ神父のお名前は耳にしたことはありますが、きちんと史実の内容を記憶していませんでした。 生きてる証を残すことばかりが崇高であるわけではないのですね。確かに、無私の行為はなかなかできることではないです。 難しく感じる内容もそれについての事例や説明がたくさんなされていて(そして時々脱線もしていますがそれもまた面白い)読み応えがあります。 あとがきの内容にも考えさせられました。 誰にでも薦められる本ではないですが、多くの人に読んで欲しい内容です。
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これまで読んだ本と知識がつながっている部分がありすらすら楽しく読むことができた。 もっと本を読みたくなった。
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