1,800円以上の注文で送料無料

饗宴外交 の商品レビュー

3.9

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/11/21

各国の迎賓館や首相官邸で行われる饗宴のメニューや趣向からわかる外交の舞台裏や人間ドラマ。これがすごくおもしろかった!北方領土問題をアピールするためにわざわざ国後島産の盆栽を飾ったエピソード、長年問題を抱えたアイルランドへのエリザベス女王初訪問の様子、大使夫人の重要な役割(その情報...

各国の迎賓館や首相官邸で行われる饗宴のメニューや趣向からわかる外交の舞台裏や人間ドラマ。これがすごくおもしろかった!北方領土問題をアピールするためにわざわざ国後島産の盆栽を飾ったエピソード、長年問題を抱えたアイルランドへのエリザベス女王初訪問の様子、大使夫人の重要な役割(その情報収集能力たるや!)などなど、興味深い話が満載でした。

Posted byブクログ

2012/09/30

外交の舞台ではおもてなしは必要不可欠のセレモニーのようです。この本は、そういった席で出されるワインから見た外交のノウハウ、各国首脳をお迎えする側の裏話です。外交上の成果が得られるかどうか、相手国の印象を良くできるかどうか、格式や形式を守りつつ、日本の印象を良くするためにも努力は続...

外交の舞台ではおもてなしは必要不可欠のセレモニーのようです。この本は、そういった席で出されるワインから見た外交のノウハウ、各国首脳をお迎えする側の裏話です。外交上の成果が得られるかどうか、相手国の印象を良くできるかどうか、格式や形式を守りつつ、日本の印象を良くするためにも努力は続くのですね。 お食事のメニューは様々でも、供されるお飲み物はやはりワインが不可欠のようで、外務省や宮内庁には、とんでもないワインセラーがありそうです。

Posted byブクログ

2012/09/29

この本を読むと外交とは会議ですべてが決まるわけではないということがよくわかる。 外交上、いろいろな国との饗宴が催される。高価で贅沢、その国の最高の晩餐で海外からの賓客をもてなす。一時期、あまりにも贅沢で浪費だといわれたこともある。また外務省による公金の不正な使用が発覚し、批判を受...

この本を読むと外交とは会議ですべてが決まるわけではないということがよくわかる。 外交上、いろいろな国との饗宴が催される。高価で贅沢、その国の最高の晩餐で海外からの賓客をもてなす。一時期、あまりにも贅沢で浪費だといわれたこともある。また外務省による公金の不正な使用が発覚し、批判を受けたこともあった。しかしこの本を読むと「饗宴外交」とは不必要なことで、無駄なものだとは言えないことが理解できる。「饗宴」のみで他国との交渉や取り決めができるわけではないが、文化も歴史も違う国同士がいろいろな交渉をし、友好を深めていくためには単に、会議をするだけでは無理だということだ。人間同士のつきあいをして行くには食を共にし、そこから会話を得、次の段階へ進むということが必要なのだ。 華やかな饗宴、そのメニューに込められた意味合いはただ単に当事国の食材、料理法を自慢するのではなく、これから話し合っていく交渉事や当事国にとってのもてなす相手の格、重要性、そしてことばでは表せない相手国への現在の思い等が込められているのだ。そしてもてなされる方もそれを察しなくてはならないという深い外交上の意味合いがある。 また、沖縄や洞爺湖でのサミットの裏話やフランスのシラク前大統領の日本びいきなどの話は面白かった。

Posted byブクログ

2020/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

晩餐会によって距離を縮める国家元首達と、 それを裏側から支える外交スタッフ。 皇室が果たす外交資産の真髄を垣間見る。 文中に掲載されている晩餐メニュー・ワインリストは いずれも垂涎。それぞれに込められたメッセージもまた至高の域。 饗宴のもてなしにより、相手のルーツ・舌を掴むことで、難しい局面に有っても、親密な関係を築くことができる。 もっと会食の機会・場作りを大切にせねば。

Posted byブクログ

2012/07/28

外交とは礼儀正しい駆け引きの場である。 笑顔の陰のさまざまな思惑。腹の探り合い。 そしてそれを彩るのは美味なる食事。 著者は新聞社外信部に長く勤め、国際政治を追ってきた人物。その傍ら、近年では公開されるようになってきた外交の際の饗宴メニューを集めてきた。 政治交渉の陰に、華やか...

外交とは礼儀正しい駆け引きの場である。 笑顔の陰のさまざまな思惑。腹の探り合い。 そしてそれを彩るのは美味なる食事。 著者は新聞社外信部に長く勤め、国際政治を追ってきた人物。その傍ら、近年では公開されるようになってきた外交の際の饗宴メニューを集めてきた。 政治交渉の陰に、華やかな饗宴あり。 人と人とのつながりである限り、諸問題は機械的に解決されるのではない。 相手をいかに懐柔するか、そこに饗宴が果たしてきた役割は小さいものではない。 外交は、どうすれば「勝つ」か定石がない、スリリングな世界である。そこで最善を尽くすわけだ、招く方も招かれる方も。 1つ1つのおもてなしにも、相手を尊重し、また過度にへりくだりすぎない呼吸が大切となる。秘められたニュアンスはもちろん、すべて通じるものでもないのだろうが、それもまた駆け引きのうち。 印象深い話がいくつもあった。 ・フランスのファーストレディはモデル出身で華やかな美人であるが、エリザベス女王に拝謁した際には地味で控えめな装いとし、英国民の好意的な世論を勝ち取った。 ・東日本大震災後、多くの大使館がナショナルデーのセレモニーを自粛した。その中で、フランス大使館は革命記念日のレセプションを郡山で行った。ビュッフェの手配等、開催には多くの困難が伴ったが、被災者を多く招いたレセプションは大成功となった。 ・英国女王は軽々しく国賓を迎えないし、軽々しく国賓として他国を訪問しない。格式と伝統を背負った大きな「イコン」であるのだ。ローマ法王、米大統領と同様、女王の訪問を受けると言うことは、国際社会の一員として正式に認められることだという。85歳の老女王が背負うものは何と大きいことか。 ・小渕首相はクリントン首相を招いた際、ぜひとも蝦夷松を鑑賞してほしいという希望があった。北方領土問題に関して、米国の支援を強く欲していたためである。蝦夷松の盆栽が運び込まれる手はずとなったが、道路の混雑でなかなか着かない。この話はなかなかスリリングでおもしろかった。 ・沖縄サミットの饗宴は、各方面の専門家を集め、非常に入念に準備された。だが音頭を取っていた小渕首相が突然病に倒れ、現場は混乱する。それでも各スタッフの踏ん張りですばらしいものとなったという。ただ残念ながら、後年、経理管理のずさんさが批判の的となった。 おいしそうな数々の料理。これらを味わう立場につくには、諸事に患わされずにこうした料理を「腹を据えて」おいしく味わう度胸が必要なのだろう。それが天性のものであっても、努力の末に得るものであっても。 近年は、華美な饗宴に対する批判の声が強くなってきて、徐々に縮小傾向にあるという。無駄に贅沢にするのは論外だが、さりげなく互いの文化背景も織り込んだ「おもてなし」がまったくなくなってしまうのも無味乾燥で残念な気がする。 政治に関して突っ込んだ固い解説をしつつも、饗宴メニューという親しみやすい話題を盛り込むことで、読んでも楽しい読み物に仕上がっている。 著者はあとがきで、「一つの料理やワインが国家関係を劇的に変えた、といった話が面白おかしく語られるが、現実の政治ではそういうことはまずない。」と言っている。饗宴の果たす役割は小さくはないが、夢のように大きくもない。このバランス感覚が、本書の美点の1つだろう。 外交というものがざっくりとどういうものか、その片鱗を体感できる良書だろう。 *21の礼砲というのが出てきて何だろ?とぐぐってみたら、国家元首や皇族、国旗に対する最大級のものだという。礼砲の数は賓客の「格」によって違うのだそうだ。

Posted byブクログ

2012/07/29

2012.7.16読了。 晩餐会等の料理の内容などいままで全く知る機会がなかったのだが、その来賓にちなんだ食材やワインを選んだりと、非常に勉強になった。 私も会社で海外から来客があったり、国内でちょっとした懇親会を催したりすることが多々あるので、事前の入念な調査や準備によって、満...

2012.7.16読了。 晩餐会等の料理の内容などいままで全く知る機会がなかったのだが、その来賓にちなんだ食材やワインを選んだりと、非常に勉強になった。 私も会社で海外から来客があったり、国内でちょっとした懇親会を催したりすることが多々あるので、事前の入念な調査や準備によって、満足してもらえるような宴を持つことを目指したい。国家レベルと比べたら全然小さいものですが。

Posted byブクログ

2012/07/02

2012/06/25: 外交の舞台における料理やワインについて取り上げた本。普段見ることがない外交の裏側を垣間見られてよかったですが、最後の章でのイランの公式服装については一言余計だと思いました。

Posted byブクログ

2012/05/22

国賓クラスの晩餐会ではどんな料理が出されるのか、 何を基準にその料理は決められるのか、 僕たちの知らない高貴な世界が覗けます。 料理とそのもてなしは立派な外交のカードになりますが、 ちょっと意外な粋な計らいも垣間見得ることが出来る 面白い本でした。職業柄気になってしまう所もあり...

国賓クラスの晩餐会ではどんな料理が出されるのか、 何を基準にその料理は決められるのか、 僕たちの知らない高貴な世界が覗けます。 料理とそのもてなしは立派な外交のカードになりますが、 ちょっと意外な粋な計らいも垣間見得ることが出来る 面白い本でした。職業柄気になってしまう所もあり 一目で買ってしまったけど、当たりでした。 饗宴なんて贅沢で、税金の無駄遣いでは? なんて思いもありましたが、 この本から学べる晩餐会の細やかな心遣いと 裏方で繰り広げられるドラマを知ると その考えも覆されるかもしれません。  

Posted byブクログ