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タダイマトビラ の商品レビュー

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55件のお客様レビュー

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2024/04/30

子どもは大人の作った世界の中でしか生きられない。恵奈が生きていくために工夫を重ねる時、自分で自分を抱きしめる時、とてつもなく切なくなった。母もまた必死に生きている。どこかでこの鎖を断ち切れたら良かったのに。最後は断ち切れて自由になれたのだろうか。一気に読んだ。

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2024/02/25

帰っていく場所は。 家族ごっこを上手くできたらいいが、どこか少しでも違和感を感じてしまったら一瞬で崩壊してしまうだろうな。

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2023/08/25
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今回もまた村田沙耶香ワールドに引き込まれる気満々で読みました。 自分自身が今まで感じていた「家族だから」「血」という括りで必ず、助け合わないといけない、仲良くしないといけないといけないと言われ納得がいかずに生きてきたところがあったので、この家族の不調和は潔さや気持ちよさも感じれました。 後半になるにつれ、村田ワールドが強くなりすぎてついていけなさそうになるところも多々ありましたが、それでこそこの作家さんの良さかなぁと思っています。

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2022/10/02

最後の方はもう何が何だか分からなくなったけれど、それでもページを捲る手は止まらなかったです。 最初は普通に読めていたのに終わりに向かうにつれてあれ?と思い始めて急になんだか分からなくなったような感覚。 まだまだ読んでいない村田沙耶香さんの作品はあるので読みたいと思います。

Posted byブクログ

2022/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公も弟も、痛いほどに家族というものを求めている。 母親ならばこうあるべき、という社会に違和感を覚える主人公自身が、実はもっともその幻想に縛られ、家族を神聖視しているという皮肉。 家族を家族たらしめるものは血縁でも愛情でもなく、生活への工夫と現実(=日常)の共有という感覚はまっとうとも思えるが、やはりそれだけでは足りないようにも思う。 それは、主人公がいうところの、恋の麻酔が効いているうちの手術であっても、敬意であっても、立場であってもいいとは思うが、感情や家柄の縛りなしに、システムだけで家族を成立させるのは非常に困難。 そこに気付かず、神聖化された、家族というシステムだけを追い求めた結果、感情が取り残され、ラストの破綻まで突き進んだのではないか。

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2022/08/07
  • ネタバレ

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愛情不足で育った子ども達。愛着障害のような症状がところどころに散りばめられている。 それでも健気に自分で自分に愛情を注ぎ、本当の家へ帰ることができると信じている恵奈が不憫ながらも胸に迫るものがあった。 引きこもりがちな弟と、外に得られなかったものを得ようと必死になる恵奈。この対象的な兄弟に目が離せなかった。

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2022/05/08

すごく好きな作品だった。 理想の家族を求める恵奈がカゾクヨナニーするシーンを読み、自分も幼い頃手段は違うが似たようなことをしていたことに気づく。 家族から愛されていると脳を騙す恵奈の姿が切ない。 彼氏からプロポーズされ、やっと自分の家族欲を満たせる相手と一緒になれるかと思いきや、...

すごく好きな作品だった。 理想の家族を求める恵奈がカゾクヨナニーするシーンを読み、自分も幼い頃手段は違うが似たようなことをしていたことに気づく。 家族から愛されていると脳を騙す恵奈の姿が切ない。 彼氏からプロポーズされ、やっと自分の家族欲を満たせる相手と一緒になれるかと思いきや、彼氏が自分でカゾクヨナニーしていることに気づき心が破綻する。 家族システムの中で失敗した母親の二の舞になるのが嫌だ、という気持ちは、私が子供を産みたくない気持ちに似ている。 子供を産んだから親になるわけではないし、親が全員愛情深くなれるわけではない。 母親を母親たらしめているのは何なのか。 血の繋がりじゃなく、その子だから愛しているという気持ちになれるのは、どうしてだろう。 村田沙耶香らしい、途中途中で曖昧な不気味さを残しながら、最後に読者をぐっと突き放すような恐ろしさをたたえる結末も読んでいて面白かった。 人間システムからでる、ホモサピエンス・サピエンスとして生きる、などの発想がすごい。

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2022/04/16

義務として家事をこなす母、愛人をつくりなかなか帰ってこない父、愛情不足で飢えている弟、そんな機能不全な家庭で育った恵奈は、ここは育ての家庭で、いつか自分で本当の家庭を持つことを夢見つつ、カゾクヨナニーという、家族欲を満たす方法で日々を乗り切っていた。 高校生になり、大学生の彼氏が...

義務として家事をこなす母、愛人をつくりなかなか帰ってこない父、愛情不足で飢えている弟、そんな機能不全な家庭で育った恵奈は、ここは育ての家庭で、いつか自分で本当の家庭を持つことを夢見つつ、カゾクヨナニーという、家族欲を満たす方法で日々を乗り切っていた。 高校生になり、大学生の彼氏ができたことで、恵奈の夢は現実感を帯びてくるがーー 前半はうっすら共感できるところもあったけど、後半の気持ち悪さはさすが! 村田沙耶香さんの書く物語って、人間の恥部というか、他人には話さないタブーみたいなところを掻き回されるから、恐ろしい気持ちと、溜め込んだものを吐露したような気持ちよさがある。

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2022/01/05

村田沙耶香さんの作品は好きですが、これはなんたかイマイチでした。 どちらかというと、大人が主人公の話の方が好みです

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2021/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想が書きたくてもう一度読んだ本。村田沙耶香さんの描く、なんとも言えない、気持ち悪い世界が好きです。村田さんの目には、世界がこういう風に映っているのかな、と考えながら読みました。 理想の家族に憧れる少女の世界が最後こんなになるー!? とはいえ、家族欲を処理するとか、家族というシステムの外に帰るって、本当にすごい発想だなと感じました。家族ってなんだろうと考えることは誰しもあるだろうけれど、そのシステムがなくなってしまった世界を言葉で表現できるなんて、本当に感性と語彙力、表現力が羨ましく、憧れてしまいます!

Posted byブクログ