タダイマトビラ の商品レビュー
なぜ読んだ?: 『コンビニ人間』の作者の作品。別の作品はもっとエグめのやつが多いよという話を聞いて興味が湧き、これを図書館から借りてきた。 感想総論: 社会の当たり前を疑う良いエグみ。母親は子どもに愛情を持つのが当たり前、を問う。が、それだけではない。子はどうやって工夫して生き...
なぜ読んだ?: 『コンビニ人間』の作者の作品。別の作品はもっとエグめのやつが多いよという話を聞いて興味が湧き、これを図書館から借りてきた。 感想総論: 社会の当たり前を疑う良いエグみ。母親は子どもに愛情を持つのが当たり前、を問う。が、それだけではない。子はどうやって工夫して生きていくのか、そもそも家族というシステムとは何なのか。 コンビニ人間のときも思ったが、作者は「生物として人間を見る」ことが好きそう。人類学、進化心理学などを好みそう。 最後のあたりは、同じ光景も描写の違い(書かれる文字情報の違い)によってこんなに変わるのだなあという小説の力を実感した。映画やドラマでは描けない。
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最初は、村田さん特有の、シニカルでユーモラスな感じに展開するのかと思ったら、蟻を経てのホモ・サピエンスに驚愕。 これが、家族問題のために取り上げていることを思うと、案外、シリアスなのかもしれない。人類皆兄弟なんて、どこかで聞いたしね。ただ、内容はややファンタジーっぽいかな。 ...
最初は、村田さん特有の、シニカルでユーモラスな感じに展開するのかと思ったら、蟻を経てのホモ・サピエンスに驚愕。 これが、家族問題のために取り上げていることを思うと、案外、シリアスなのかもしれない。人類皆兄弟なんて、どこかで聞いたしね。ただ、内容はややファンタジーっぽいかな。 が、「恵奈」の台詞から、「わたしもこんな風にまともにやれるのだろうか」を取り上げると、辛い現実を受け入れてることが分かり、バリバリの現実感を突き付けているのは、村田さんらしいなあ、と思いました。 あと個人的には、終り方が「ギンイロノウタ」に似ていると思ったので、物語が完結した後の、続きの世界を想像するのが悲しくなりそうなところは、同じ印象でした。
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前半は面白かった。 自分も機能不全家族で育ち、小学生の頃から家を出ることを目標にしてきたので恵奈の本当の家を求める気持ちが理解できる。 啓太の、自分達は家族で失敗するっていう言葉もよく考えたことなのでしっくりきた。 今自分は家族を作ったけど、自分にはうまく作れないんじゃないかっ...
前半は面白かった。 自分も機能不全家族で育ち、小学生の頃から家を出ることを目標にしてきたので恵奈の本当の家を求める気持ちが理解できる。 啓太の、自分達は家族で失敗するっていう言葉もよく考えたことなのでしっくりきた。 今自分は家族を作ったけど、自分にはうまく作れないんじゃないかって心配したこともあるから。 後半の、家族なんて概念の前に帰ろうっていうあたりからちょっとよくわかんないなと思ってしまった。 瑞希や渚さんもなんか闇がありそうで、掘り下げてほしかった。
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最初から最後までいっきに読んだ。 恵奈の境遇には1ミリもかするところがないはずなのに、いちいち言葉がすとんとおちてきてそれが気持ちよくもあり気持ち悪くもあり…… という新感覚。 「家族というのは脳でできた精神的建築物」。 すごく気に入ったし、よくわかる。 今のところ自分が別の家族...
最初から最後までいっきに読んだ。 恵奈の境遇には1ミリもかするところがないはずなのに、いちいち言葉がすとんとおちてきてそれが気持ちよくもあり気持ち悪くもあり…… という新感覚。 「家族というのは脳でできた精神的建築物」。 すごく気に入ったし、よくわかる。 今のところ自分が別の家族をもつ予定はないけど、いつかそうなりたいなと思える人はいて、私は前向きに考えてるけどこの作品に照らすとちょっと怖い気もしてきた。 自分の意志で選べる家族って、また意味合い変わってくるし。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結婚するのが怖くなりました。笑 気持ち悪い、わからない、という感想も多いようですが わたしはとても引き込まれてしまいました。 自分の子供には自然と愛情を抱けるものかと思っていたけれど 虐待などが絶えない世の中、必ずしもそうではないのはわかります。 もし自分の子供を愛せなかったら それは親として日々苦しいし、 愛されない環境にいる子供も同じように苦しい。 「家族欲」なんて考えたことなかったけれど なるほどなあと思いました。 個人的な感想ですが 本当の家族を求めて欲求を処理する恵奈よりも、 恵奈が「病気」になってからの両親と弟の方がだいぶ気持ち悪かったです。 家族に限らず、友達でも、恋人でも、上司と部下でも、 どんな人間関係も「欲」のもとに成り立ってるのかなあと思うと 若干の人間不信になりそうです。笑 お互い素のままで接することのできる相手がいるならば それはほんとうに幸せなことなんじゃないかなあと思いました。
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家族愛の欠乏を感じたとき 「カゾクヨナニー」と名付けた一種の自慰行為でもって これを一時的に埋めようとする少女 しかし逆にいうと、家族なんてものは それぞれ勝手に行った自慰行為の相互連鎖が見せる幻想にすぎない そのことに気づいてしまったとき 彼女の世界のみならず、この世界のすべて...
家族愛の欠乏を感じたとき 「カゾクヨナニー」と名付けた一種の自慰行為でもって これを一時的に埋めようとする少女 しかし逆にいうと、家族なんてものは それぞれ勝手に行った自慰行為の相互連鎖が見せる幻想にすぎない そのことに気づいてしまったとき 彼女の世界のみならず、この世界のすべてが意味と形を失って 溶けていってしまう それはようするに、どうしても馴染めない象徴界を脱しての 胎内回帰願望を描いたものだが 回帰すべき胎内とはむしろ、家の扉の外なのだとしたところに サイコパス味がある 戦後の回復期における国民一体、皆家族の幻想が終わって 自由主義の世に移る過渡期に 取り残されていくしかない人々の戸惑いを描いたとも言えるだろう
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実子姉弟を無条件に愛せず義務は果たし豪快を装う母親のもと、切実な家族欲を風を孕ませ擬人化したカーテンに包まる事で満たす姉。高二で大学生と夏休み同棲を始めるも彼の家族欲に冷静になる温度差。不意にストンと普通から外れ、異星人を見るように周囲の世界を観察し、皆が演じる常識的な家族システ...
実子姉弟を無条件に愛せず義務は果たし豪快を装う母親のもと、切実な家族欲を風を孕ませ擬人化したカーテンに包まる事で満たす姉。高二で大学生と夏休み同棲を始めるも彼の家族欲に冷静になる温度差。不意にストンと普通から外れ、異星人を見るように周囲の世界を観察し、皆が演じる常識的な家族システムが揺らぐ。説得力。
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なんか気持ち悪い。 家族愛に飢えてる女の子なんだけど、 ニナオって… カーテンって… 現実逃避も妄想もありだけど、これはちょっとないなー。 どう昇華するのかが気になって最後まで読んでみる。 結果、うぁー
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他のいくつかの作品から感じるのと同様に、社会の価値観とのズレに対する違和感がテーマなのか。その部分においては非常に共感できるけど…クレイジー沙耶香な感じはよく出てるとは思います。読後感の悪さも村田沙耶香ファンなら納得かな?
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クレイジー沙耶香の誕生日(昨日)に読む。 ただただ、気持ちの悪い話だった…(T_T) もう一冊図書館から借りてるので、夜から口直しに読もう… あと授乳と出産殺人は読まなければ。
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