パラダイス・ロスト の商品レビュー
3作品目にしてより心理面を追求した作品になっています。錯綜し交錯する人の心の闇、深さが描かれています。 でも、読後感が妙にスッキリ、サッパリしていいるのは、何故でしょうか。 根幹に流れるポリシーの所為でしょうか。
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「ジョーカー・ゲーム」「ダブル・ジョーカー」に続くジョーカー・シリーズ3作目。 短編連作で、第二次世界大戦中の日本のスパイ組織<D機関>の話。 切れ味が鋭く、他にない雰囲気で、なかなかカッコイイです☆ 「誤算」 1940年のパリ。 フランスは、ドイツにあっけなく征服されていた。...
「ジョーカー・ゲーム」「ダブル・ジョーカー」に続くジョーカー・シリーズ3作目。 短編連作で、第二次世界大戦中の日本のスパイ組織<D機関>の話。 切れ味が鋭く、他にない雰囲気で、なかなかカッコイイです☆ 「誤算」 1940年のパリ。 フランスは、ドイツにあっけなく征服されていた。 レジスタンスも活動はしているのだが… 日本人の島野は、頭を打って記憶を失う。 この段階では日本とフランスは戦争をしていないが。 事情がよくわからないまま、レジスタンスの面々と行動を共にすることになるが…?! 「失楽園」 シンガポールの高級ホテル「ラッフルズ・ホテル」は、アジア随一という評判を誇っていた。 米海軍士官マイケル・キャンベルは、美しい娘ジュリアに恋していた。 ホテルの泊まり客の死体が見つかり、ジュリアが自首したという…?! 「追跡」 英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライスは、来日して十年。日本の美しさに魅せられていた。 日本のスパイ組織D機関のことを調べ始める。 噂では結城中佐という人物がトップらしいが、手を尽くして軍の名簿のどこを調べてもそれらしい人物はいない… 似た名前の人物の生い立ちを知る機会があり、特ダネと小躍りするが…?! 「暗号名ケルベロス」 サンフランシスコを出航して6日目の豪華客船<朱鷺丸>。 Uボートが迫ってくると乗客は脅えたが、それは何とクジラだった。 騒ぎをよそにクロスワードをやっている内海。実はある人物を追って乗船していた。 エニグマという暗号を巡って、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本の思惑が交錯し…?! ひと捻りもふた捻りもしてあるストーリーなので、この程度説明しかけても、全然ねたばれにはなっていません! スリルはあるけど、意外にそれぞれ救いのある結末で、戦争中という設定の割に、怖くはないですよ。 スパイは目立たず、殺さず、死なないようにするのがモットーだからかしら? さすがに3冊目ともなると、インパクトは微妙に落ちているかなあ… でも続きが出たら絶対読みたいです。
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大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立された、スパイ養成学校“D機関”。「死ぬな。殺すな。とらわれるな」―軍隊組織を真っ向から否定する戒律を持つこの機関をたった一人で作り上げた結城中佐の正体を暴こうとする男が現れた。英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライス。だが“魔王”結城は、まるで幽 霊のように、一切足跡を残さない。ある日プライスは、ふとした発見から結城 の意外な生い立ちを知ることとなる―(『追跡』)。ハワイ沖の豪華客船を舞台にしたシリーズ初の中篇「暗号名ケルベロス」を含む、全5篇。 パラダイス・ロスト 誤算 ドイツ占領下のフランス。日米開戦前の日本。D機関のスパイ島野がフランスに潜入。 頭部に衝撃を受け、一時的記憶喪失に陥っていたが想定範囲。 自分が教え込んだフランス人老婆にドイツ兵を卑下させる。 銃殺寸前のところを救う謎の東洋人登場。ドイツ人に暴行され、 レジスタンスのアジトで手当てをうける。 ドイツ兵はアジト探しでやってくる。銃はもっているが壊れている。 小麦粉爆弾で脱出。 壊れていたので直す。わざと壊れた銃を入手したジャン。 三角関係からドイツ側のスパイの疑い。 逃走中にレジスタンス内で仲間割れが発生。 彼らの中の処分はみないで、帰国。結城中佐に「もっと骨のある仕事を?」 失楽園 アメリカ大使館の男とシンガポール人ハーフの許嫁。 ラッフルズホテルで酒癖の悪いイギリス人がバルコニーから落ち変死。 許嫁が自分がバルコニーでからまれた時に突き落としたと自首。 真相をつきとめたい。 死んだ男はサインの時、死んだふりをする。状況証拠から許嫁釈放。 腑に落ちないのは自分の推理は誰かの誘導。 ラッフルズホテルはスパイの情報交換の場。しかし日本人はいなかった。 唯一のアジア人は従業員。D機関のスパイ。 追跡 親日のイギリス人記者。D機関の結城中佐を調査。実はスパイ。 士官学校に結城という名がない。別の読み方の有崎では? 有崎家に突然引き取られた少年、晃。 面倒をみていた老人を取材。 結城中佐のプロフィールにあてはまる天才少年。 語学堪能。剣道も主人を12歳で怪我させるまでになった。 士官学校で4対1の喧嘩で相手の股間を蹴り退学。その後、留学。 家に戻り、暗号装置を時計から出す時に逮捕。尋問開始。黙秘をつらぬく。 限界に達し自殺を図る直前に釈放。スパイとしては死んだも同然。 有崎家から連絡がある。晃は植物人間になっていた。 老人は、晃のことを尋ねてくる人間がくる。その時にする話を指示されていた。 結城中佐は自分の出自を探しに来るスパイも予想していた。 暗号名ケルベロス 前編 イギリス人、スパイ。通称:教授。アメリカ人に変装し、高級船舶で日本に入国を図る。 D機関のスパイの罠、クロスワードパズルでおびき寄せられる。 ハワイで降りるよう言われる。 イギリス軍艦が、舟に乗船したドイツ人の引き渡しを要求。 立場が変わると思った。教授がシャンパンを飲むと死んだ。 後編 案の定、ドイツ人は拉致。殺人事件が発生。D機関の男は第一発見者。 巧みに利用し、捜査をあやつる。なぜ、教授の変装がわかったのか。 グラスに指紋がついていない。犯行に使えるようなものはない。 あってもすでに海の中。婦人が抱いている犬。登録手続きなし。 犬の首輪を調べると写真が出てきた。自白する。 婦人は亭主の敵をとるためにドイツのスパイになっていた。 エニグマ暗号を解読するために、亭主の船舶がお取りになりUボートに撃沈されていたことを葬式で知る。 D機関の内海「所詮は素人スパイ」 ドイツスパイは自殺する。残された幼女と犬テリアの面倒。スパイとなった母と暗黙の了解を感じた。
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面白いね。第二次世界大戦時下の話なので日本の敗戦は決定しているのだが、それを抜きにしても面白い小説。次作にも期待したい。
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「誤算」が、今作の中では一番面白かった。やはり第三者が絡むより、D機関の人物が直接活躍している話の方が、爽快感があって私は好きだ。結城中佐は相変わらず渋くて格好良い。
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少し活字から遠ざかっていたけど、 あっと言う間に読んじゃった! ハラハラドキドキ。陳腐な表現ですが、ほんとに一時も休ませてくれない この愛しきD機関の面々。 そして裏をかかれる人々も、なんか憎めない。 最後には、彼らの目的にハタと気づいて、脱帽してしまう。 アッパレ! 結城大佐、前面には出てこないんですけど、 もう全体が、彼の腕の中というか、思惑の範囲内で起こっている感じで 踊らされております。(嬉) 殺さない、死なない。というのがいい! 全体的に漂う、結城大佐の優しさ。 その後が、気になるのは、「暗号名ケルベロス」の の内海さん。 ハワイで、エマを育てていくのかしら。 結城大佐はそれも、良しとするんだろうな。
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ジョーカーゲームの続編。 結城少佐、D機関の超人的な能力に引き込まれます。 疲れたときの気分転換にはイイ。
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『ジョーカー・ゲーム(http://booklog.jp/item/1/4048738518)』、 『ダブル・ジョーカー(http://booklog.jp/item/1/4048739603)』に続く、 D機関シリーズ(と言って良いのでしょうか?)の第三弾。 『ダブル・ジョー...
『ジョーカー・ゲーム(http://booklog.jp/item/1/4048738518)』、 『ダブル・ジョーカー(http://booklog.jp/item/1/4048739603)』に続く、 D機関シリーズ(と言って良いのでしょうか?)の第三弾。 『ダブル・ジョーカー』で終わりかと思っていたんですが、 まだ続いていたんですね。 でも、前二作と比べて、より現場の工作員へのフォーカスが 強まっている気がしました。 一応、結城中佐(の気配)は出てくるんですが、 これまでとは違い、ハッキリとした登場シーンは有りません。 それと、敵国の中での活動がメインになっていて、 訓練や、日本での活動が主体的だった、 これまでのハッキリと雰囲気が異なっています。 いやぁ、それにしてもいつものように、 D機関の工作員たちの手際は見事。 まだ続きそうですね。
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「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第三弾です。 短編だから読みやすい。 大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立された、スパイ養成学校“D機関” 今回も優秀なスパイがゾロゾロと登場。いろんなスパイが居るんだなと思いながら読んでるけどもしかしたら皆同一人物という可能性もある事に気がついた‼そうだ...
「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第三弾です。 短編だから読みやすい。 大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立された、スパイ養成学校“D機関” 今回も優秀なスパイがゾロゾロと登場。いろんなスパイが居るんだなと思いながら読んでるけどもしかしたら皆同一人物という可能性もある事に気がついた‼そうだったらおそるべし。D機関だよ… 「失楽園」ではこんなに上手く他人を操ることができるのかちょっと謎だけど… 結城中佐の過去が気になるなと思ってたら「追跡」。 なんでこんなにD機関ばっかり上手く行くんだ‼失敗はないのかと思ってたら「暗号名ケルベロス」。 と、なんか読者をが求めてる話がドンピシャで入ってて驚き。 作者もスパイなんじゃないかしらと思っちゃうね 笑 でもやっぱりいつかはD機関がコテンパンになる話も読みたいかも… あと、このシリーズ長編になったらどうなるんだろ…? 三冊目だけど、毎回スパイの目的が最後までわかんなくて脱帽です。
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大きな展開もなく、裏切りもない。ただ言葉の選び方はさすが。 シリーズへの慣れと伏線の薄さが期待感と錬成度を低く感じさせる要因か。 最独自の満足感もそれほど無く、よって☆3。
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