未来国家ブータン の商品レビュー
高野さんがなんだか久しぶりに一つの旅を取り上げた一冊を出した気がします。やっぱり新しい経験をベースにした本は面白いですね。最近流行りのブータンですが、GDHって一体どんなものなのか、一体どんな国なのか、幸福を掲げられたときになんとなく感じた違和感みたいなものが解けて行ったような気...
高野さんがなんだか久しぶりに一つの旅を取り上げた一冊を出した気がします。やっぱり新しい経験をベースにした本は面白いですね。最近流行りのブータンですが、GDHって一体どんなものなのか、一体どんな国なのか、幸福を掲げられたときになんとなく感じた違和感みたいなものが解けて行ったような気もします。もちろん笑いも忘れず楽しく読める一冊でした。
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今、最も旬な国といえばブータン。その国をタイトルにした本が溢れているが。そこに敢然と殴りこみをかけたのが「幻獣ムベンベ」等でお馴染みの高野秀行だ。 と、言うことで当然高野が書くのだから類書にあるような直球のブータン礼賛であるわけが無い。だが、何と彼は、ブータン政府と生物多様性プ...
今、最も旬な国といえばブータン。その国をタイトルにした本が溢れているが。そこに敢然と殴りこみをかけたのが「幻獣ムベンベ」等でお馴染みの高野秀行だ。 と、言うことで当然高野が書くのだから類書にあるような直球のブータン礼賛であるわけが無い。だが、何と彼は、ブータン政府と生物多様性プロジェクトを行う友人の会社の特別顧問としてプロジェクトの先遣隊を仰せ使い、そこでブータンの伝統知識=TK(Toraditional Knowledge)調査に出かけたのだ。つまり政府公賓扱いなのだ。 それだけを聞くと「あれっ、何時もの高野と違う」と思うだろうが、実はTK調査と言いつつ興味の対象は雪男なのだ。ブータンの生物多様性センターの受入れ側担当の主任研究者が「雪男なら居ますよ。私の遅々が若い頃に雪男を捕まえた経験がある」と云うのだ。主任は英国バーミンガム大学へも留学した経験のあるエリート科学者なのだ。これは凄いではないか。 そう高野のTKとはブータンの生物多様性研究を隠れ蓑に、ブータンの奥地まで旅が出来ることを利用してブータンの雪男を探そうというものなのだ。やはりこうでなくては高野じゃない。 まさかブータン政府も生物多様性のプロジェクトで訪問した人間が帰国後雪男で本を書くとは思いもしなかっただろう。と、思ったら実はブータンの受入れ側のトップである農業大臣は高野のことを「アマゾンに行ったりした作家だろ」と看過していたというのだからブータン恐るべしかもしれない。
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