1,800円以上の注文で送料無料

ケーキの歴史物語 の商品レビュー

3.5

16件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/01/18

六花文庫で目に止まって読んだ本。食の歴史には関心ありつつもお菓子についてはこれまであまり考えたことがなかった。が、お菓子、特にケーキは「特別」を演出するものでありその背景にある文化の歴史は面白い。 序章に書かれている「ケーキとは概念なのだ」という言葉が印象的だった。 その概念...

六花文庫で目に止まって読んだ本。食の歴史には関心ありつつもお菓子についてはこれまであまり考えたことがなかった。が、お菓子、特にケーキは「特別」を演出するものでありその背景にある文化の歴史は面白い。 序章に書かれている「ケーキとは概念なのだ」という言葉が印象的だった。 その概念の歴史をサクッと学べます。宮廷貴族文化が栄えていたフランスでは専門の職人である(基本的には男性の)パティシエが作るものだったのに対して、フランスに比べれば貴族文化が強くなく新興勢力の強かったイギリスでは家庭で母が作るものであった、というような国ごとの文脈もケーキという側面から見直してみるとなるほど、と感じる部分も多く楽しかった。

Posted byブクログ

2021/01/15

イギリスとフランスを軸にした各国のケーキに関する歴史とその結果生まれたケーキの比較。ケーキの定義が時代とともに移り変わっている点やいわゆる象徴としてのケーキを細かく説明してくれたのは楽しかった。 最後のレシピが一番興味深く読めた。

Posted byブクログ

2018/12/02

ケーキという不可思議な食べ物について、どうやって生まれ、人々の間で認識されるようになったのか、研究者の観点から考察が加えられている。 *ケーキは、食べ物としての、実際的な位置よりも、象徴的な意味合いのほうが強い。ケーキが食べれるということよりも、ケーキがそこに存在し、華やかにあ...

ケーキという不可思議な食べ物について、どうやって生まれ、人々の間で認識されるようになったのか、研究者の観点から考察が加えられている。 *ケーキは、食べ物としての、実際的な位置よりも、象徴的な意味合いのほうが強い。ケーキが食べれるということよりも、ケーキがそこに存在し、華やかにあることが空間的にとても大切である *ベーキングパウダーの誕生によって、今のような、ふんわりとしたケーキが作れるようになった。それまでは、撹拌作業が無茶苦茶大変だった *ケーキとは、その作る過程に情緒が含まれている。だから、最初、水を加えるだけの簡単なケーキミックスはアメリカでヒットしなかった。しかし、卵を加える工程をプラスしたことによって、人気を博し、広まるようになったと言われている *四角いケーキはこわれやすい *クリスマスケーキも19世紀になってから誕生した概念 *ウェデングケーキも、18世紀にかけて現れた。その誕生より、だんだんと派手になっていく ・最初のケーキを共同作業として入刀するのは、硬すぎて刃が入らなかったからである

Posted byブクログ

2016/11/30

謎だった、クリスマスケーキとクリスマスプディングとガレットデロアなどの菓子の役割の違い、それらの歴史など、今まで断片的にきいた話がやっと繋がった。そして、これまた謎だったなぜヨーロッパでは主食を家で焼かないでパン屋が焼くのか?の答えは、庶民の家の壁が貧弱だったので時代が下がるまで...

謎だった、クリスマスケーキとクリスマスプディングとガレットデロアなどの菓子の役割の違い、それらの歴史など、今まで断片的にきいた話がやっと繋がった。そして、これまた謎だったなぜヨーロッパでは主食を家で焼かないでパン屋が焼くのか?の答えは、庶民の家の壁が貧弱だったので時代が下がるまで権力者の屋敷にしか竃が置けなかったから、ということがわかった。大収穫だった。日本や中国の菓子の話も正確で、信用が出来ると思えた。写真や挿絵が美しく、あっという間に読める。

Posted byブクログ

2014/05/07

なぜパティシエは昔から男性が多いのか。 ケーキ好きで、作るのも食べるのも知るのも好きな方にお勧め。 今の文化は先達の努力の上に成り立っていることを実感する一冊。

Posted byブクログ

2014/03/21

なんとなく読んだだけですが、定義があいまいとか、イーストを入れるだの入れないだの知らないことを知れてよかった。

Posted byブクログ

2013/11/22

食いしんぼ的にものすごく惹かれるのに、図像も少なくないのに、そして丹念な描写で面白いのに、決して美味しそうとは思わない…という稀有な読後感のシリーズ。(パイ、チョコレート編も同様でした) とりあえず今までを総括すると「パイとタルトとパンとケーキは実は厳密な定義分けができない」「食...

食いしんぼ的にものすごく惹かれるのに、図像も少なくないのに、そして丹念な描写で面白いのに、決して美味しそうとは思わない…という稀有な読後感のシリーズ。(パイ、チョコレート編も同様でした) とりあえず今までを総括すると「パイとタルトとパンとケーキは実は厳密な定義分けができない」「食べ物は歴史的・学術的に語られると、“美味しそう”という最も肝心なポイントが抜け落ちる」です。 面白いんだけどなあ。

Posted byブクログ

2013/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

チェック項目9箇所。ケーキとは不思議なものだ、そこから生まれるさまざまな感情と料理としての重要性は、まったく一致しない、完璧なおまけでありながら、きわめて重要なもの、おそらくケーキなしの誕生日や結婚式はありえない、また、クリスマスのお祝いにもケーキは欠かせない。スイスの湖畔にある新石器時代の村落の遺跡で考古学者が発見した最初期のケーキは、つぶした穀物に水分を加えてかため、平たな円盤状にして―すべては推量の範囲をでないけれども―たき火の灰に埋めた石の上で焼いたものだった、平たくてかたいもの、すなわち「ケーキ」である。現代のケーキは何から生まれたのだろう? 直接の祖先はパンである、パンとケーキの歴史は重なりあっていて、事実上ほとんど区別がつかない。アメリカの家庭では、みんな独自の工夫をこらし、レシピを微妙に変えたり、秘密の風味を加えたりして、「私風〇〇ケーキ」を作り出す、フランスの流儀は独自性や変化よりも、伝統と正確性に重きをおく、フランスでは、ケーキは決定的にプロの領域に属する、家でお菓子を作る習慣はほとんどない。それぞれの国の伝統的なケーキの作り方の違いは、ケーキが出される状況からもある程度の説明ができる、オーストリアやフランスで昔から愛されてきて甘くてこっそりしたケーキは、コーヒーや紅茶のおともになるのが最適なように作られてある、イタリアのケーキの多くがあっさりとして軽めなのは、ワインと一緒に出されることがひじょうに多いからといえよう、しかしイタリアにはまったく正反対のケーキもある―そのしっとり感は、ほかのヨーロッパの国々のケーキにまったくひけをとらない。イギリスのクリスマスケーキは、イギリス人がこの季節に大事にしている多くの風習と同じく、さほど古いものではない、しかし、クリスマスを祝うのに欠かせない象徴として、確固たる地位を築いてきた。日本のクリスマスケーキは軽くていたみやすく、苺やチョコレートを使うものが多い、そのため最近まで、25歳をすぎても結婚しない女性をケーキの賞味期限切れになぞらえ、「クリスマスケーキ」と呼んだ(時代の変化にともない、結婚適齢期の上限は31歳に引き上げられ、この無礼な言葉は日本が伝統的に12月31日に食べる「年越しそば」に変わっていった)。最初の子どもの洗礼式のために最上段のケーキをとっておく習わしができたのは20世紀になってからだが、フルーツケーキは時間とともに腐るのではなく「成熟する」という事実から生まれた考えだ。

Posted byブクログ

2013/11/07

東京では様々な種類のケーキが販売されています。ショートケーキ、モンブラン、タルト、マドレーヌ、中にはザッハトルテやパリ・ブレストなんて、ヨーロッパ各地で伝統的に作られてきた由緒正しいケーキもあったりします。 ここでご注目!この「伝統」「由緒」って、いったいどんなものなんでしょう?...

東京では様々な種類のケーキが販売されています。ショートケーキ、モンブラン、タルト、マドレーヌ、中にはザッハトルテやパリ・ブレストなんて、ヨーロッパ各地で伝統的に作られてきた由緒正しいケーキもあったりします。 ここでご注目!この「伝統」「由緒」って、いったいどんなものなんでしょう?今では気楽に楽しめるようになったケーキですが、その背景を紐解いてみるといろんな事が見えてきますよ!(院生アルバイトスタッフ)

Posted byブクログ

2013/09/07

現在、ケーキと呼ばれる(分類されている)お菓子についてのあれこれ。一応、古い時代から時代をおって書かれていますが、年表のようになっているわけではありません。 むしろ、著者が注目した「ケーキ」を取り上げている感じです。これは、「ケーキ」と呼ばれるものがパン寄りのものや、ビスケット寄...

現在、ケーキと呼ばれる(分類されている)お菓子についてのあれこれ。一応、古い時代から時代をおって書かれていますが、年表のようになっているわけではありません。 むしろ、著者が注目した「ケーキ」を取り上げている感じです。これは、「ケーキ」と呼ばれるものがパン寄りのものや、ビスケット寄りのものなど様々で、原料や製法ですら全体的にまとめられない(^_^;という「ケーキ」特有の問題のためかもしれません。 エピソードよりも、もっと世界中の歴史上にあるケーキの実物(絵)が見てみたかった。

Posted byブクログ