夏天の虹 の商品レビュー

高田郁【著】

2015/12/12

　相変わらず試練ばかりの澪。
　澪はまず、小松原様への嫁入りの話を早々に断ることを決意する。
　彼の妻になって、彼と共に歩む道を選ぶよりも、料理人として歩むことを決意したのだった。

　両方得るのは難しいからといって、どっちかを選ばないといけないのはつらいけど。
　前に何かの本で言われたけど、手は二本しかないから、それ以上のものはもてないんだよ、というのと同じことですよね。

　そしたら今度は、澪の味覚と嗅覚が反応しなくなってしまう。
　困り果てた澪だったけれど、そこは周りのみんなが様々な助力をしてくれた上に。
　また、又次の力もあって、何とか店を回すことには成功する。

　それでも、又次に手伝ってもらえる期限が過ぎてしまっても澪の味覚も嗅覚も戻らない――

　そんな日によりによって、吉原が燃えて、あさひ太夫を助けて又次が帰らぬ人となってしまう。

　何でよりによってそんなことになってしまうのだろう――と思うのだけれど。
　実際に吉原が焼けてしまったのは事実で、火事を消す方法がなかったのも事実。
　それがきっかけで澪は、味覚も嗅覚も取り戻すけれど、やっぱりつらいです。

　神様ってとっても残酷だと思うんですよね。
　そして、助け出された野江ちゃんはどこに行ってしまうのか、もう一度再会できるのか――
　すごくすごく気になるところで終わってしまっています。

　つらいばかりの澪が、最後には幸せになれることを祈っています。

2012/11/21

シリーズ第7弾は今までで最もドラマティック。「なんてこったい」的な展開ではありますが、これも今後につなぐための作者の布石なんだと信じたい。今年は年1作ということで、続きは来年までお預けどすえ。

2012/11/21

切なすぎる。澪、又次、野江にこんな過酷な運命が…又次さん惚れます。否、初登場から好きです。旭太夫を大切に想う姿がステキ。

2012/11/19

嫁さんに薦められて最初は気乗りせず読み始めたのがドハマり。出てくる食べ物が全て食べたくて仕方がない。ストーリーも含めて読んで楽しい素敵な作品。

2012/11/13

みをつくし料理帖、７冊目。
前巻で、想い人との結ばれる夢がかないそうになりながらも、自分の生きる道は料理の道と心に決めた澪。
その思いを大きく受け止めた小松原さまのあまりにも潔く男前な落とし前が…かっこよすぎる！
そして、さらなる試練が澪を襲うが、周りの温かい助けでなんとか頑張ろうという矢先に訪れた、ある人の悲劇。
これが一番ショックだった。

2012/11/11

衝撃の展開。
なんでここで又次が消えなきゃいけないの。

今回は、全体的に息の詰まる苦しい内容で、
どれもこれも胸を締め付けられたのだけれど、
この最後が一番の衝撃だった。
一番好きな登場人物だっただけに、ショックも大きい。

柚餅子がもたらす一筋の光、
もう本当に、最後までなんて格好いい人なの。

「夏天の虹」に相応しい、いい内容で、
あるべくして作られた素晴らしい展開なんだけど、
一ファンとしては悲し過ぎるなあ。
本当に、これからって時だったのにねえ。

それにしても、このシリーズ回を追うごとに、
本当にどんどん面白くなっていく。

2012/11/09

このシリーズはホント面白い。
登場人物たちそれぞれが顔が見えるほどきっちりキャラクターづけされてて感情移入しやすいし、各話のエピソードの完成度も高い。

しかも親友・あさひ太夫のことと、想い人の小松原様、天満一兆庵の再建、っていうシリーズ通しての大きな流れがあるので、途中で巻を放り出すわけにいかない。

主人公の澪が料理人なので、おいしそうな料理がたくさん出てくるのももちろん魅力なんだけれど、物語のほうの引き込み方がうまいので、料理はあくまで澪の心を表す象徴としての役割に落ち着いてるのもすごい。

全体の雰囲気としては、心底いやな奴があまり出てこない、みんな何かを背負ったり迷ったり間違ったりしながらも一生懸命生きてるっていう、どっかあたたかい感じもあって。

澪ちゃん頑張れ！って応援したいような気になるんだよねえ。
試練が次から次へと襲ってきて、ぼろぼろになりながらも、まだちゃんと前を向いてる。
雲外蒼天、という言葉を信じて最後までこの主人公の物語を見守りたい。

この巻では最後にまた衝撃展開。
えーん。

2012/11/07

澪に降りかかる様々な悲しみが切なくて、苦しくて 涙なしでは読めません…。
澪が失くしたもの、取り戻したもの。
これを乗り越えた澪の姿が待ち遠しいです。

2012/11/05

段々とその人柄に触れ、魅力が増してきた又次、らしいとも言える生き様に涙、涙でした。次こそ、澪に明るい光をと願わずにはいられない。

2012/10/29

心星を見つめ辿りたい道を歩く決心をした心に襲ってくる現実。
それでもそれぞれの人の優しさや強さに
前を見て進めだしたやさきに大きな喪失と復活。
想い人は澪の事を考えてくれての行動なんでしょうが。
奥方様と二人が幸せになるよう頑張ってもらいたい。
虹の向こうで笑顔を見せるあの人が去らなければいけなかった道筋を
それる事なく進んで欲しいです。
この先はとびきりの雲外蒼天を期待します。