1,800円以上の注文で送料無料

マルセル の商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/07/16

ミステリー仕立てらしいけど、確かに謎ときのような部分もあるけれど、最終章までの叙述がちょっともたれた。そのかわり最終章はどんでん返しがあって、溜飲を下げるような感覚を味わった。

Posted byブクログ

2012/07/09

今年読んだ本のなかでベスト3に入る作品。毎日新聞の連載小説だったとのことだが、実に緻密に書き上げられている。新聞記者だった一人身で自分を育ててくれた父なきあと、その父が残した昔の名画盗難事件にまつわる謎に偶然取り組むことになる娘。その事件がおきた京都で出会ったひとたちが何らかのか...

今年読んだ本のなかでベスト3に入る作品。毎日新聞の連載小説だったとのことだが、実に緻密に書き上げられている。新聞記者だった一人身で自分を育ててくれた父なきあと、その父が残した昔の名画盗難事件にまつわる謎に偶然取り組むことになる娘。その事件がおきた京都で出会ったひとたちが何らかのかたちで事件にかかわっているのは感じるがだれも真相は話してくれない。関係者のひとりがなくなってその葬儀にパリから参列した人からのメールから絡まった謎の糸が解け始める。緻密な物語構築がなされているので、筋が少し読めても最後のページまで緊張感をもって読むことができた。秀作です。高城のぶ子って恋愛小説家だとおもっていましたが、おみそれしました。

Posted byブクログ

2012/07/05

絵画盗難事件を追う新聞記者のキャリアウーマンが主人公で舞台が東京、京都、パリに飛んでラブストーリーもあるミステリーなんですが、どうも言葉に引っかかりを感じてなかなか入り込めませんでした。抱きしめられると、マヨネーズのチューブみたいに余計に涙が飛び出す。とか、焼いて剥いたネギみたい...

絵画盗難事件を追う新聞記者のキャリアウーマンが主人公で舞台が東京、京都、パリに飛んでラブストーリーもあるミステリーなんですが、どうも言葉に引っかかりを感じてなかなか入り込めませんでした。抱きしめられると、マヨネーズのチューブみたいに余計に涙が飛び出す。とか、焼いて剥いたネギみたいに、ぐずぐずになっていく。とか、喉の奥にワカメが引っかかって取れない気分。って表現に違和感を感じてしまいました。「甘苦上海」を読んだ時もそう思ってやめたのかも…。

Posted byブクログ

2013/01/07

1968年12月といえば 何といっても府中の3億円事件。 個人的には地元だったので、もうその話題ばかりで このマルセル盗難事件が起きたなんて少しも知らなかった。毎日新聞連載中は 1-2回読んでみたことがあったけど 途中だったので良く分からなかった。やはりこの事件が1968年の 同...

1968年12月といえば 何といっても府中の3億円事件。 個人的には地元だったので、もうその話題ばかりで このマルセル盗難事件が起きたなんて少しも知らなかった。毎日新聞連載中は 1-2回読んでみたことがあったけど 途中だったので良く分からなかった。やはりこの事件が1968年の 同じ窃盗事件で未解決で事項を迎えたという事を知った時に、無性に読みたくなった本。この著者の書物は初めてだったが、すんなりある懐かしさを持って入ることが出来た。 最後までミステリアスで あのダビンチココードを思わせるような係累探しも 興味深い。またロートレック展で マルセルに日本に来てほしいな....

Posted byブクログ

2012/06/10

実際にあった絵画盗難事件の知られざる一面、そして真相は・・・という壮大なミステリー。ストーリー展開の早さ、意外さにページを繰る手が止まらなかった。

Posted byブクログ

2012/06/05

作者初のミステリー。テレビで「このミス」をとりたいとおっしゃるほど、作者の思いが入った力作だったと思います。 実際の未解決事件をベースにしたことは読後知りましたが、特に違和感なく話の運びはスムーズでした。主人公の恋愛面は何となくふわふわした感じでしたが、ミステリーとしては最後まで...

作者初のミステリー。テレビで「このミス」をとりたいとおっしゃるほど、作者の思いが入った力作だったと思います。 実際の未解決事件をベースにしたことは読後知りましたが、特に違和感なく話の運びはスムーズでした。主人公の恋愛面は何となくふわふわした感じでしたが、ミステリーとしては最後まで読ませる作品になっていると思います。

Posted byブクログ

2012/06/02

1968年(昭和43年)に、京都国立近代美術館でロートレックの「マルセル」が盗難事件に遭う。数日後、額縁だけが見つかる。時効成立後、「マルセル」は発見されるが、犯人は見つからず事件は迷宮入り。 本作は、この実際に起こった事件をベースに作られた小説。 主人公の千晶が、私と同い年...

1968年(昭和43年)に、京都国立近代美術館でロートレックの「マルセル」が盗難事件に遭う。数日後、額縁だけが見つかる。時効成立後、「マルセル」は発見されるが、犯人は見つからず事件は迷宮入り。 本作は、この実際に起こった事件をベースに作られた小説。 主人公の千晶が、私と同い年なのに親近感が湧く。 また、額縁が見つかったとされる疎水沿いの小径も、おそらくあそこのことだろうと想像がつく。 そして最後に、千晶とお母さんが背中合わせで対面するオランジュリー美術館。太陽の優しい光が差し込むモネの睡蓮の部屋。私が大好きな美術館の一つ。 ストーリーも確かに面白かったけれど、私は何やら懐かしいものに再会した気分を味わった。 岡崎の辺り、そしてパリにもまた訪れたい。

Posted byブクログ

2012/05/30

実際にあった絵画盗難事件をもとにしたミステリー。 高樹のぶ子特有の、どこかフワフワしてとらえどころのない文体が、更なる謎の深みに連れていってくれます。 最後のどんでん返しの応酬には、かなりパニック。あれもこれも繋がっていたなんて…! かなり分厚い本ですが、東京、京都、パリをまたい...

実際にあった絵画盗難事件をもとにしたミステリー。 高樹のぶ子特有の、どこかフワフワしてとらえどころのない文体が、更なる謎の深みに連れていってくれます。 最後のどんでん返しの応酬には、かなりパニック。あれもこれも繋がっていたなんて…! かなり分厚い本ですが、東京、京都、パリをまたいだ大がかりな物語に一気に引き込まれました。

Posted byブクログ

2012/05/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

去年1年間、朝日新聞で連載されたもの。 1968年(昭和43年)12月、京都国立近代美術館で開催されていた「ロートレック展」に フランスから借りて展示されていた「マルセル」(時価3500万円相当)が無くなった。 盗難から3日後、額縁だけが発見されたが、「マルセル」は見つからず。 時効成立後の1976年1月、個人から届けられたが、時効のため真相を追究することができず、 貸出し元だったアルビ美術館に無事戻ったが、犯人・その盗んだ目的は解明されぬまま。 この実際に起こった絵画盗難事件をもとに、書かれたミステリー。 新聞記者の父が他界し、遺品の整理をしていて見つけたこの事件の取材ノート。 娘の千晶自身も新聞記者なので、その内容に興味を持ち、父の後を追い始める。 そこで運命的に出会った京都とパリの人たち・恋愛・千晶の出生の秘密・・・ 千晶は様々な事実を突きつけられ、混乱しながらも解明しようとする。 ミステリーなので詳しく書けないけど、とっても読み応えがあって、おもしろかった。

Posted byブクログ

2012/05/16

期待しないで読み始めて、予想外の面白さでした。 昨年の毎日新聞連載小説。実に読み応えのある作品でした。 作者の今までの作品と、少し雰囲気が変わったかも。一種の推理小説の要素もあり、作者お得意の男女の機微もあり、ラストのどんでん返しは驚きでした。もう一つの舞台として登場するパリ、作...

期待しないで読み始めて、予想外の面白さでした。 昨年の毎日新聞連載小説。実に読み応えのある作品でした。 作者の今までの作品と、少し雰囲気が変わったかも。一種の推理小説の要素もあり、作者お得意の男女の機微もあり、ラストのどんでん返しは驚きでした。もう一つの舞台として登場するパリ、作品のテーマであるロートレックの絵、など、さすがの表現力、描写力。満足。

Posted byブクログ