1,800円以上の注文で送料無料

少女は卒業しない の商品レビュー

3.8

233件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    94

  3. 3つ

    55

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

卒業の日に収斂される青春の日々の思い

翌日からの取り壊しが決まっているある高校の卒業式の日と、生徒が原則立入禁止になっている校舎東棟にスポットを当てながら、生徒達が共に歩んできた学園生活への追憶や、抱いてきた憧憬、恋心などをみずみずしいタッチで描いた連作短篇集である。読み進めているうちに読者は、各編の物語が意外な接点...

翌日からの取り壊しが決まっているある高校の卒業式の日と、生徒が原則立入禁止になっている校舎東棟にスポットを当てながら、生徒達が共に歩んできた学園生活への追憶や、抱いてきた憧憬、恋心などをみずみずしいタッチで描いた連作短篇集である。読み進めているうちに読者は、各編の物語が意外な接点をもって繋がっていることに気付くことになる。登場人物達それぞれの青春の日々もほろ苦さや甘酸っぱさにあふれており、それが卒業の日に収斂され、明るい未来を予感させるが、そこにときめきよりもノスタルジーを感じてしまうのは、やはり齢をとりすぎたせいであろうか。

fugyogyo

2024/04/03

高校生6人のそれぞれの卒業の物語 高校生活の終わりに何を思うか。 一つの終わりでもあり、一つの始まりでもある卒業式が舞台の作品から、一歩踏み出したい勇気が欲しい方におすすめしたい一冊。 高校に進学する、進学しないそれぞれの進んだ道にあるものを確かめてほしい。 卒業式の送辞と卒業ラ...

高校生6人のそれぞれの卒業の物語 高校生活の終わりに何を思うか。 一つの終わりでもあり、一つの始まりでもある卒業式が舞台の作品から、一歩踏み出したい勇気が欲しい方におすすめしたい一冊。 高校に進学する、進学しないそれぞれの進んだ道にあるものを確かめてほしい。 卒業式の送辞と卒業ライブは、最後に何かやりたい、先輩に卒業してほしくないという思いが溢れ出てるのかなと感じた。確かに先輩が卒業するのは寂しいもんね。

Posted byブクログ

2023/12/05

人は何かを置き去りにして卒業する。置き去りにしないように卒業する。私が置き去りにしたものは何だったろう。何を握りしめて卒業しただろう。私は少女を卒業したけど、卒業のタイミングは学校のチャイム以外にもあっていい。

Posted byブクログ

2023/09/04

桐島を読んだ時も思ったけど、朝井さんが書く学生たちにはスクールカーストがまとわりついてると思う。 学校が舞台になると、どうしてもカースト上位の子が主役な物語になりがちで、クラスで目立たないグループの子は脇役扱いなことが多いと思う。 ただ、この本にはカースト上位の子のストーリーは...

桐島を読んだ時も思ったけど、朝井さんが書く学生たちにはスクールカーストがまとわりついてると思う。 学校が舞台になると、どうしてもカースト上位の子が主役な物語になりがちで、クラスで目立たないグループの子は脇役扱いなことが多いと思う。 ただ、この本にはカースト上位の子のストーリーはなかった気がして。 誰しも自分が主役の毎日を生きてるって、そんな当たり前なことにスポットライトを当ててくれる短編集でした。高校生という時間軸だからこそ、卒業式の1日に起こったこと、そこに込められた感情がより鮮やかなんだと思う。それを丁寧に書き上げる朝井さんがやっぱりすごい。

Posted byブクログ

2023/07/16

天才だな、この人。 最初、今回のは自分に縁ないなぁ〜、 と思って読んでたけど、 最後のほうは涙が出そうだった。 笑わせるポイントを入れながら。 だからこそ泣けてくるのかもな。

Posted byブクログ

2024/02/23

遠く離れて学生時代を 振り返ると、 何もかもまばゆい光に 包まれているけれど、 孤独や不安を感じたり ときに過ちを犯したり、 昏い影に覆われた事も たくさんあったことを、 いまなおそれらが自分 のなかに沈殿している ことを、 今更ながらに思い出し ました。 気づけば友...

遠く離れて学生時代を 振り返ると、 何もかもまばゆい光に 包まれているけれど、 孤独や不安を感じたり ときに過ちを犯したり、 昏い影に覆われた事も たくさんあったことを、 いまなおそれらが自分 のなかに沈殿している ことを、 今更ながらに思い出し ました。 気づけば友達はみんな ばらばら。 幸せな思い出も断片化 してばらばら・・・ ひさしぶりに寝転んで 空を眺めたいな。 大空に向き合って風に ふかれながら、 忘れかけた友達の笑顔 を思い出して、 ばらばらな記憶の欠片 をつなぎ合わせて、 自分の来歴を確かめる。 そんな時間を持てたら いいな。

Posted byブクログ

2023/02/20

私も今年度、高校を卒業します。最後に学校の図書館で借りた本の中の一冊です。全7編の短編集で、特に私が好きなのは『屋上は青』と『夜明けの中心』。明日には校舎が取り壊されてしまう中で卒業式を迎えた生徒たちの複雑な思いと高校生ならではの甘酸っぱさを感じさせる作品。映画も脚本が少し変わる...

私も今年度、高校を卒業します。最後に学校の図書館で借りた本の中の一冊です。全7編の短編集で、特に私が好きなのは『屋上は青』と『夜明けの中心』。明日には校舎が取り壊されてしまう中で卒業式を迎えた生徒たちの複雑な思いと高校生ならではの甘酸っぱさを感じさせる作品。映画も脚本が少し変わるようなので見てみたい!!

Posted byブクログ

2022/12/15

短編集で、短編集に在らず 送辞が好きです もちろん他もいいんだけどね こんなお話が出来るって・・・ ワクワクするし、楽しみです

Posted byブクログ

2022/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いま趣味の二次創作で長編の小説を書きたいと考えている。 私が書いているものは、いわゆる二次創作BLの小説で、書きたいふたりは高校生だ。 高校のころの恋模様というと自分ひとりのサンプル数では心許なくて、高校生たちの恋を描いた小説を読むことにした。 この朝井リョウさんの小説『少女は卒業しない』は図書館で見つけたものだった。 高校生たちの恋愛の話が読みたいなーと思ったときに書架のあ行のところでぱっと目についたのだ。この表紙とタイトルで高校生の話じゃないはずがない、という非常にふんわりとしたきっかけで手にとった。 朝井リョウさん、未成年の心情の揺れとか不安定さを書くのがうまい~! どうしてもきてしまうリミットや、それに抗えないことをわかりつつも少しでもその瞬間を引き伸ばしたいといういじらしくて健気な悪あがきの感じ。 世界が狭くて想像力がなくて、必死に毎日もがいている。自意識と戦う、何となく呼吸が苦しい感じ。 もうどうにもならない、卒業を受け入れて次のライフステージに進まなきゃならないことを飲み下す。 これは短編集なのだけど、私の一番のお気に入りは一作目の『エンドロールが始まる』 主人公の女の子が学校の先生に恋をしている話なのですが、私も高校生のとき、ほぼ3年間とある先生が好きだった。 だから年度が変わるときにお願いだから別の学校に赴任しないでくれ、と3学期中はお通夜気分で過ごしてました。 だからこの話の女の子の気持ちがびりびりと伝わった。わかる。せめて生徒同士なら、卒業しても連絡をとる口実ってあるんだけども相手が教師だと、それすら許されないんだよね。 高校生のときの追体験みたいな気分が味わえたし、味わえるぐらいタイムスリップさせてくれる朝井リョウさんの手腕に拍手。 そして高校生同士の恋愛のみずみずしさも浴びることができた。 なんだか若返った気分だ(笑) なんと来年の春先に映画になるらしい。 これ映画も観たくなったな。公開が楽しみ。

Posted byブクログ

2022/07/13

特に最後の二作が、私的にグッときました。この二つに関しては☆4です。 ただ、「青春で甘酸っぱい‼」︎じゃなくて、ほのかなほろ苦さと後悔をミックスさせてるところが、朝井リョウさんの流石なところだな〜と思いました。 彼らの未来に幸あれ‼︎

Posted byブクログ