けむたい後輩 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
もやもやする事も多いけど、最後はすっきり!! これは女性同士で感想話し合ったら盛り上がるやつですね。 真実子は不思議すぎてあまりリアリティ感じないけど、美里や栞子にはわりと共感することがあった。 でも栞子みたいにはなりたくないなあ、、笑 人を貶めるような嘘をつくなど、中身がクソならせめて外見が綺麗なのかと思えばそうでもなさそうだし。 「ごくごく平凡な一重瞼の垂れ目に、無造作に束ねた髪。一澤帆布のくたびれた鞄が貧乏くさい。」 「中高時代と同じく、すっぴんにひっつめ髪を貫くのは、栞子なりの主張だった。」 複数の男に囲まれて気持ち良さそうにしてるのも"オタサーの姫"的なものを感じる…。 (外見至上主義でもないし、オタサーの姫が悪いと思っている訳ではないけど) まあ、分からなくもない。人と同じになりたくない。普通になりたくない。って気持ちは。 たとえば流行りの服が可愛いと思っても、もし自分より可愛い子と被ったら自分なんか目も当てられない、と思って買えないような感覚とか。 あえて道から逸れることで土俵に上がらないようにするというか。 栞子までいくと露骨すぎるけど、1番共感ができる等身大の人物。 そう考えると美里は本当に真逆の人間だなぁ。 美しい外見と知性から男の人にチヤホヤされているけど、男の人に承認欲求を満たしてもらうだけでは幸せになれないことをちゃんと知っている。 そういえば男の登場人物も碌でもないのばっかで面白かったなあ笑 でも蓮見先生には幸せになってほしいな。 追記 先輩・後輩ということで、そういえば枡野浩一さんのショートソングと構図が似ていると思った。 どちらも師弟関係のようなものがあるのと、後輩側がめきめき頭角を表すという点で。 でもショートソングの場合はそこまで粘着質じゃないし、なんだかんだ良好な関係だから、そこは男女の違いがあるのかも。
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温水ゆかりの解説が全て言いたいことを言ってくれた感じです。人はみんな自分の居場所を探して彷徨っている。
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真実子の吸収力・集中力の凄さと、美里の努力家なところを見習いたい! 栞子は過去の栄光にすがるばかりで、向上心がない。でも、栞子のおかげで真実子が成長する機会がたくさんできたわけで、人生何が起こるか分からないなぁ。 自慢するだけで何もやらない栞子を、どんどん抜いていく真実子の姿が痛...
真実子の吸収力・集中力の凄さと、美里の努力家なところを見習いたい! 栞子は過去の栄光にすがるばかりで、向上心がない。でも、栞子のおかげで真実子が成長する機会がたくさんできたわけで、人生何が起こるか分からないなぁ。 自慢するだけで何もやらない栞子を、どんどん抜いていく真実子の姿が痛快だった。
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かつて一度だけ詩集を出版しその栄光を引きずっている先輩栞子と、先輩に憧れ続けた後輩真実子の話。 見栄や半端な知識を披露するプライドの高い先輩。 憧れをどんどん自分のものにして成長していく後輩。 栞子が自身の愚かさに気づいたときもはや憧れの目は向けられていない。 真実子の才能を見...
かつて一度だけ詩集を出版しその栄光を引きずっている先輩栞子と、先輩に憧れ続けた後輩真実子の話。 見栄や半端な知識を披露するプライドの高い先輩。 憧れをどんどん自分のものにして成長していく後輩。 栞子が自身の愚かさに気づいたときもはや憧れの目は向けられていない。 真実子の才能を見出したとき、栞子はもはや過去にしがみつくことに意味はないと気づくべきだった。 過去と別れ、違う道へ進む勇気も必要である。 こういう栞子タイプの人って現実にわりといて、人生拗らせているんだよなぁ… 余計なお世話だけども、過信のあまり世の悪態をつき続けるより、思い切って「普通の」人になって地に足をつけた生活に立て直せる方がカッコ良いと思うのだけど。
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ああああ何だこのしんどい小説… なんかもうしんどすぎて5分おきにアアアァってなる 相変わらず柚木麻子にごりごり抉られている私ですが、これはまた非常にアアァァア゛ア゛って感じ。容赦なく全身を刺してくる。 今回は女同士の関係性云々というよりはそれぞれの内面に向いていた気がする。関...
ああああ何だこのしんどい小説… なんかもうしんどすぎて5分おきにアアアァってなる 相変わらず柚木麻子にごりごり抉られている私ですが、これはまた非常にアアァァア゛ア゛って感じ。容赦なく全身を刺してくる。 今回は女同士の関係性云々というよりはそれぞれの内面に向いていた気がする。関係性を築く努力はせず、ひたすらエゴをぶつけ合う。 これは読んでイライラする人と、アアァァってなる人と別れるだろうなと思った。 私は後者。栞子の気持ちがどの場面でも痛いくらいに分かる。ひたすら栞子に感情移入して苦しい。 努力はしないけれど、承認欲求は人一倍つよくて、他人と正当な関係性を築くのは苦手なのに、ひとりはいや。 自分に好意をもってくれた数少ない人間を、何としても離したくない。嘘をついても、自分を偽っても、自分を貶めたとしても。 栞子は、あのあとどうなっただろう。 隣の芝生を見なければ、楽だしそれなりに楽しい生き方だったと思う。閉じられた世界で、いつか何かになれると思いながら努力もせずに生きていく。過去の(偶然の)栄光にすがりながら。努力をしなければ挫折することもない。 真実子みたいな無自覚スーパーマンがいちばんこわい。
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私は栞子を糾弾できるだろうか。 高校生の私がこの本を読んでたら真実子のように美里のように美しく努力して自立した大人になろうと思ってたんだろうな。 今の私には無理だ。栞子を羨ましく同情してしまうから。
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栞子にひたすらに苛立つ。 それが、この本の評価としては、三つ星以上なのだろうが、爽快感も得られず悶々とする。
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中盤まではやや緩い展開と思いきや ラスト、容赦のない展開はホラーに近い 栞子は終点のあの子の子に似ているけど ここまで突き放して描くと凄みが出てくる 駄目な女の子描写が抜群 出てくる男たちがあまりにバカなやつばかり というのはどうなのか、とは思うが
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柚木麻子さんの本好きです。これもまぁ面白い。 でも最後のまみこの変化がよくわからない。栞子は一生変わらないんだろうなぁ。
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過去の栄光にしがみついて、他の人とは違う様を醸し出し続ける先輩。 レズものなのかなー?と思いながら読み進めるも、そうでもない。 それぞれの心の中に渦巻く、優劣による感情の変化はゾクゾクさせられる。 自分よりも劣っていると思っていた人より自分が劣っていることに気づいた瞬間、今までの...
過去の栄光にしがみついて、他の人とは違う様を醸し出し続ける先輩。 レズものなのかなー?と思いながら読み進めるも、そうでもない。 それぞれの心の中に渦巻く、優劣による感情の変化はゾクゾクさせられる。 自分よりも劣っていると思っていた人より自分が劣っていることに気づいた瞬間、今までの序列を崩すまいとマウンティングする様がなんともリアリティーあって面白い。
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