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鶏のプラム煮 の商品レビュー

4.4

13件のお客様レビュー

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2020/12/21

イラン出身でフランスで活動している漫画家、マルジャン・サトラピの作品。親戚の演奏家をモチーフにしている。 イランの伝統弦楽器タールの奏者の男が、妻に大切にしていたタールを壊され、生きる望みを失う。死を選んだ男の、最後の8日間が描かれた作品。 濃厚に漂う死と絶望の雰囲気が、悲し...

イラン出身でフランスで活動している漫画家、マルジャン・サトラピの作品。親戚の演奏家をモチーフにしている。 イランの伝統弦楽器タールの奏者の男が、妻に大切にしていたタールを壊され、生きる望みを失う。死を選んだ男の、最後の8日間が描かれた作品。 濃厚に漂う死と絶望の雰囲気が、悲しくも心地よい。徐々に明らかになる彼の人生の空しさに、心を射抜かれました。家族とのギクシャクした関係も生々しくもリアル。 モノクロで表現されるマルジャン・サトラピの絵の雰囲気が素晴らしい。自身が監督して実写映画化しているようだが、『ペルセポリス』のようにアニメ作品にしてほかった。 今後の作品が楽しみな作家です。

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2020/07/20
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一人の音楽家が掛け替えのない愛用の楽器を壊され死を決意する。 その後、8日間の物語。著者は女性BD作家の中でも特に有名なイラン出身のマルジャン・サトラピ。ヴァロットンの木版画を目標にしているという彼女のモノクロの絵は死に向かっていく物語の雰囲気によく合っている。 味覚がなくなり身体が重くなる鬱で自殺する前の状態をよく表している。 自殺が物語のメインだが読んで鬱になるような作品ではない。 ちょいネタバレ↓ 読み終えると主人公が死を選んだのは楽器だけの所為ではないように思える楽器を壊したのは妻だけが悪いわけではない。 世の中には好きなものを断って長生きしようとする人もいるが死を早めてでも好きな事をして できないならいっそ死を選ぶ人生観を持った人もいる。

Posted byブクログ

2016/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フランス式白黒マンガ。舞台は1958年のテヘラン。ある男が若い頃に封印した恋を思い出したことをきっかけに、死を決意してから死ぬまでの話。悲恋に死ぬという純粋さは深い淵であって、男の思いに圧倒される。 ユーモアと日常のエピソードとアラビアン・ナイトの挿話などが言葉で解説できない男の心情を象徴的に描いていて、読後ずいぶんたってから「あれはなんだったんだろう?」とイメージが甦ってきます。 映画化されているそうですがイラン色が薄められているそうで、少し残念。でも、映画のように読めるマンガです。

Posted byブクログ

2013/06/19

この人の絵がすごい、体験がすごい、表現がすごい、などとさんざんペルセポリスで 騒いで、もう褒め言葉なんて出てこないだろうと思ったらいやー、まだ、ありました。 着眼力と構成力、なんとなんとなんと!!! 死を選んだ主人公の最後の数日を遡る手法というのは、なるほど、よくあるかもし...

この人の絵がすごい、体験がすごい、表現がすごい、などとさんざんペルセポリスで 騒いで、もう褒め言葉なんて出てこないだろうと思ったらいやー、まだ、ありました。 着眼力と構成力、なんとなんとなんと!!! 死を選んだ主人公の最後の数日を遡る手法というのは、なるほど、よくあるかもしれない。 しかしなんだこの、表現のすごさは。 過去と現在、近未来と近過去(なんて単語あるのか?)が映画のようにミックスされる。 また、表現としてコマ送りで進んでいたものが急に俯瞰されたり、同じ構図が急に、色だけ 白から黒へネガポジ反転したり、視点がパーンして現実から心象風景へ転換したりと、その技術はまさに、技のオンパレード。 その技巧が、シンプルな絵の故にか、まったく浮ついて見えないのも強み。 ストーリーはアマゾンなどの紹介サイトでどうぞ。まさにそのまま。 妻に大切な楽器を目の前で壊された音楽家が、厭世的な気分になりハンストして、 衰弱して死んでしまうまでの8日間と、その前後の小規模な過去・未来の物語。 (ちなみにペルセポリスとほーんの少しだけリンクしてます。 マルジにあいたいあなたも、ぜひどうぞ。) キリストは6日で世界を作り、7日目に休んだというが、 音楽家は8日間で絶望し、諦観し、達観し、後悔し、悩み、人生を再放送した。 タイトルの「鶏のプラム煮」は音楽家の大好物。2回登場するこの料理が、 わずかな間に全く違う意味付けをもって提示されるあたりも演出の妙。 なにはともあれ、見るとよい。 特に最初のプラム煮のシュールな表現には、にやりそして、合掌。

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2013/05/04

フランスの漫画です。 とても味わいのある物語でした。 イランの伝統弦楽器タールの演奏家が、お気に入りのタールを失って、その後自ら死を選び、母親の隣に埋葬されたというお話。 彼の死を迎える数日間に、彼が思い起こすことが、淡々と描かれていく。 鶏のプラム煮が好きだったこと。 ...

フランスの漫画です。 とても味わいのある物語でした。 イランの伝統弦楽器タールの演奏家が、お気に入りのタールを失って、その後自ら死を選び、母親の隣に埋葬されたというお話。 彼の死を迎える数日間に、彼が思い起こすことが、淡々と描かれていく。 鶏のプラム煮が好きだったこと。 結婚に至るまで。 家族との関係。 時は静かに流れていく。 白と黒で描かれていく物語。 じわっと、心にしみてくる感じです。 映画化されたそうです。 ぜひ、映画もみたくなりました。

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2013/04/24

全1巻。映画『チキンとプラム』はまだ観ていないが、どう映画化されたのかが気になってきた。イランの映画はいくつか観たが、漫画を読むのは初めて。正直、男の身勝手さが描かれた作品だとは思う。良質な音を奏でるタールにもう出会えないと見切り、寝ながら死を待ち、そして実際一週間ほどで死んでい...

全1巻。映画『チキンとプラム』はまだ観ていないが、どう映画化されたのかが気になってきた。イランの映画はいくつか観たが、漫画を読むのは初めて。正直、男の身勝手さが描かれた作品だとは思う。良質な音を奏でるタールにもう出会えないと見切り、寝ながら死を待ち、そして実際一週間ほどで死んでいく男の、死を決意してから死ぬまでの話。

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2013/03/08

イラン人作のマンガ。 映画「チキンとプラム」を見て、原作である今作が気になって手にとりました。 日本のマンガに慣れてると驚くほど質素な絵。新聞の四コマみたい。 驚いたのが映画はこのシンプル極まりない絵をほぼそのまま実写化してるんですね。8割はセリフ回しから描写まで原作通り。 ...

イラン人作のマンガ。 映画「チキンとプラム」を見て、原作である今作が気になって手にとりました。 日本のマンガに慣れてると驚くほど質素な絵。新聞の四コマみたい。 驚いたのが映画はこのシンプル極まりない絵をほぼそのまま実写化してるんですね。8割はセリフ回しから描写まで原作通り。 映画化のセンスに感銘を受けました。 私の中では映画とマンガをワンセットで楽しむとより物語の素晴らしさが増幅するというモノ。 単体だと60点ぐらいが合わさることで90点くらいになりました。

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2012/12/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画版がなかったからとりあえず本の方にメモ。 これすごい好き。てかマルジャンサトラピのセンスが好き。 実写のアニメーションを見てるみたいだった。 天才バイオリン弾きが死を迎えるまでの8日間でこれまでの人生を振り返る。彼の美しい演奏の秘密、そしてなぜ死を選んだのかがだんだんと紐解かれていく。 マチュー・アマルリックのコミカルな動きやらゴルシフテ・ファラハニの美しさも必見。DVD欲しいくらいー!

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2012/11/23

現在、映画公開中であり、原作が気になって手にとった。 フランス漫画(BD)独特の白と黒の強いコントラスト…ダビッド・ベーの『大発作』を思い出す。 内容も、BD的に、哲学的。生と死、人生、恋愛、神・宗教、芸術…しかし随所にユーモアは忘れない。 イランの楽器、タールの名手である男が...

現在、映画公開中であり、原作が気になって手にとった。 フランス漫画(BD)独特の白と黒の強いコントラスト…ダビッド・ベーの『大発作』を思い出す。 内容も、BD的に、哲学的。生と死、人生、恋愛、神・宗教、芸術…しかし随所にユーモアは忘れない。 イランの楽器、タールの名手である男が主人公。 妻に愛器を壊され、別の楽器を求めるもその音に納得がいかず、死んでしまうわけ。冒頭でいきなり。 その後、死ぬまでの5日間における、彼の脳内における人生回想が描かれる。 そして最後にわたしたちは知る。 彼が人生に絶望したもう一つの理由を。 妥協して幸せになることができない芸術家。 結婚も、音楽も。 著者マルジャン・サトラピは、この話を大おじの1枚の写真に着想を得てこの作品を描いたとのこと。 訳者あとがきより。 「『ペルセポリス』の成功後しばらくの間、サトラピは生と死をめぐって、また「芸術家とは何か」という問いをめぐって、一人思い悩んでいたのだという。そんなある日、ドイツに住む親戚の家を訪ねた彼女は、そこで一人の男の写真を見せられて、どうにも目が離せなくなる。その男の「ロマネスクな美しさ」にすっかり魅了されてしまったのだ。実は、それは彼女の母方の大おじだった。大おじは生前、タールの名手として鳴らしていたのという。ただ、どうして彼が亡くなったのか、それは誰にもよく分からない……大おじの写真との出会いに想像力を刺激されたサトラピは、やがて新たな作品の制作に取り掛かる。こうして誕生したのが本書『鶏のプラム煮』なのだ。ちなみに、大おじの妻は実際に冴えない女教師だったそうだが、夫のタールを壊したりはしなかったらしい。」 1度ではわからない発見がありそうなので、再度読み返してみたい。 それと、タールの音を聞いてみたいな。

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2012/10/25

読者を不安にさせる、墨で描かれた暗いイラストと独特な雰囲気。普段接する漫画と比べたときのセリフのぎこちなさや表情の不自然さがストーリーの展開と見事にマッチしている。最初にいきなり結末が明かされ、そしてその通りに話は終わる。そこにはなんの理想も希望も語られていないけれど、それらに頼...

読者を不安にさせる、墨で描かれた暗いイラストと独特な雰囲気。普段接する漫画と比べたときのセリフのぎこちなさや表情の不自然さがストーリーの展開と見事にマッチしている。最初にいきなり結末が明かされ、そしてその通りに話は終わる。そこにはなんの理想も希望も語られていないけれど、それらに頼らずとも、人間に対する愛情を充分に感じられた。

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