罪悪 の商品レビュー
前二作と同様に冷徹で、無駄のない文体で犯罪に走る人間たちが描かれている。時にグロテスクに、アンバランスな塩梅で描かれる、「法と人」。 ショッキングな内容のものもあればオフビートなものもあり、犯罪を扱ったものなのに笑いを誘発するものもあった。一癖二癖ある作品である。
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15の短編集。今回も私が関係した事件という書き方。表紙の絵が合っている。ちょっと文体や雰囲気が吉村昭に似ているかな、とも感じた。綿密な調査による淡々とした記録なのだが、やはり創作文学だ、という読後感。 「イルミナティ」 ヘンリーは12才で修道院を改修した私立の寄宿舎に入れられた...
15の短編集。今回も私が関係した事件という書き方。表紙の絵が合っている。ちょっと文体や雰囲気が吉村昭に似ているかな、とも感じた。綿密な調査による淡々とした記録なのだが、やはり創作文学だ、という読後感。 「イルミナティ」 ヘンリーは12才で修道院を改修した私立の寄宿舎に入れられた。両親が公立校より私立校がいい、という判断からだった。それがヘンリーにとってはどうだったか。 「家族」 遺伝について考える。悪の遺伝子は伝わるのか・・ 私に家族の歴史を送ってきたヴァラー、「私たちで終わりにしたほうがいい」。 「秘密」 私の弁護士依頼人。やっと病院に連れてゆくと言った言葉は・・ この3編だけ読んだ。 2012.2.20初版 図書館
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人が人を諌める時、その心に去来するものは、言葉で言い表せないほど複雑な思いが充満している。刑事事件弁護士が法廷での実体験をとおして、被疑者の犯行に至るまでの心情を繊細に語り綴った15篇の罪の物語です。犯罪者心理に深く入り込む暗く異様な事件のなかで、『清算』と『家族』に仄かな慰めを...
人が人を諌める時、その心に去来するものは、言葉で言い表せないほど複雑な思いが充満している。刑事事件弁護士が法廷での実体験をとおして、被疑者の犯行に至るまでの心情を繊細に語り綴った15篇の罪の物語です。犯罪者心理に深く入り込む暗く異様な事件のなかで、『清算』と『家族』に仄かな慰めを見つけた思いです。
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内容も文体も冷静で無駄がなくて、余計な感傷もない。 ドイツ語の原文もきっとこういう雰囲気で、さぞ的確なんだろうなと思わせる翻訳。かっこいい。原文と照らし合わせながら読んでみたい。
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「犯罪」に続いて読んだが、こちらの方が憎しみや、悪や、心の暗い部分が濃いためか、読後感はあまりよくない。 ただ、、前作のように読みやすい文体で、簡潔にまとめてあるのが好感が持てた。 普通の人たちが、お祭りに浮かれて、来ていた娘を犯してしまった。娘は黙秘を続けたので、犯人は立証...
「犯罪」に続いて読んだが、こちらの方が憎しみや、悪や、心の暗い部分が濃いためか、読後感はあまりよくない。 ただ、、前作のように読みやすい文体で、簡潔にまとめてあるのが好感が持てた。 普通の人たちが、お祭りに浮かれて、来ていた娘を犯してしまった。娘は黙秘を続けたので、犯人は立証できなかった、背後で泣いていた父親が目に留まったが、私は仲間と去っていった。(ふるさと祭り) 酒を飲んでいた男女が親切な老人に招かれ家に行き、勧められて風呂に入った、が過失で老人を殺してしまった。金を盗ってから平和に暮らしていた19年後、進んだ遺伝子捜査でつかまってしまったが(遺伝子) ヘンリーは寄宿舎でも目立たなかった。苛められているところを女教師が発見、通報したが運悪く階段から落ちて死んでしまった。苛めた子供たちは一たん放免されたが後に事件を起こし禁錮刑になった、だが女教師の詩は不幸な事故で処理されていた(イルミナティ) 彼は解剖学に興味があり道具をそろえていた。実行しようとした日ベンツに跳ねられた、はねた運転手は執行猶予つきの有罪になった(解剖学) いきさつがパズルのように面白い(アタッシュケース) 家庭が平和すぎてちょっとした盗みをした。つかまったが金額も少なく初犯で前科もなかった。検察官は手続きを打ち切り、家族は誰もそのことを知らなかった(欲求) 麻薬取引に手を染めた老人か捕まった。彼は黙秘したがポケットにナイフを入れていたので拘留された。審理中にパンをナイフで細かく切っているのを見つけた、老人は歯がなかった。その日はクリスマスイブで雪が降って来た(雪) (鍵)(寂しさ)(司法当局)まずまずだった。 結婚してから夫の暴力が始まった。ベッドで殴り殺してしまったが。忙殺か、故刹か。(清算) 日本に来て成功した男に手に終えない息子が出来た。彼はあらゆる手を尽くして守ってきたが殺人事件を起こしたのを機に見放すことにした。(家族) 連日訊ねてきて面談をする男がいた。口からでまかせの身の上話などをするので精神科の緊急医療に任せることにした。診察室に入ると、男は開口一番自己紹介をした(秘密) これが面白い、4ページ足らずの短い話だが、ユーモアたっぷりで笑いのツボまで刺激する(^∇^)
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刑事弁護士である著者が現実の事件をヒントに書いた短編集。『犯罪』に続く第2弾である。 相変わらず淡々とした語り口で事件を描写してゆき、一編一編はそっけないほど短いのだが深い味わいを残す。後味が悪い話も多く、勧善懲悪とか因果応報など全くないので読むとどんよりするが、それでも面白いと...
刑事弁護士である著者が現実の事件をヒントに書いた短編集。『犯罪』に続く第2弾である。 相変わらず淡々とした語り口で事件を描写してゆき、一編一編はそっけないほど短いのだが深い味わいを残す。後味が悪い話も多く、勧善懲悪とか因果応報など全くないので読むとどんよりするが、それでも面白いという不思議な本。
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「鍵」ガイ・リッチーあたりが映画化したら面白いんじゃないかと思うくらい、この作者にしては珍しくポップでテンポの良い話。
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ミステリ。サスペンス。犯罪小説。短編集。 『犯罪』からお馴染みの、淡々とした文章。 「清算」が素晴らしい。ありきたりなプロットだが、読者に与える衝撃を損なわずに限界まで簡略化した犯罪小説。これだけで☆ひとつ追加。 他では、「ふるさと祭り」と「寂しさ」が印象的。
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「珠玉の」という形容がつくだろう第一作の『犯罪』と比べると、『罪悪』はカオス的な印象。長短バラバラ、オチがあるものないもの、あとあじが非常にわるいものもある。とりとめない感じはあるが、抑制が効いた文体はかわらず、全体とおしてみると非常に魅力的。 とくに好きなのは、麻薬取引コンビ...
「珠玉の」という形容がつくだろう第一作の『犯罪』と比べると、『罪悪』はカオス的な印象。長短バラバラ、オチがあるものないもの、あとあじが非常にわるいものもある。とりとめない感じはあるが、抑制が効いた文体はかわらず、全体とおしてみると非常に魅力的。 とくに好きなのは、麻薬取引コンビの「あたまの悪いほう」がトラブルのたびに事態を悪化させていく「鍵」。
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元弁護士(今も?)である作者の「犯罪」に続く2冊目の短編集。 犯罪で軽い衝撃を受けたので、今回はちょっと慣れたか、学習していたのか、すんなり読めたが前作同様、短編ながらそれぞれの人たちの犯罪にまつわるストーリーは素晴らしい。 こんな事あるかもしれない、こんな事があるだろうか・・・...
元弁護士(今も?)である作者の「犯罪」に続く2冊目の短編集。 犯罪で軽い衝撃を受けたので、今回はちょっと慣れたか、学習していたのか、すんなり読めたが前作同様、短編ながらそれぞれの人たちの犯罪にまつわるストーリーは素晴らしい。 こんな事あるかもしれない、こんな事があるだろうか・・・読後いろいろ思いを巡らしている。
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