クリーピー の商品レビュー

前川裕【著】

2012/08/15

読んでいる間中、北九州の一家監禁殺人事件が頭から離れなかった。
多少なりともモチーフとなっているのだろうか。
多少稚拙だが落ちついた文体で、導入部からの盛り上げ方もうまい。
意外な真相も物語的にはどうよ、とは思うが実際の世の中もこんな、理の及ばない事のほうが多いよな、と妙にしんみりさせてくれる。
ヒトという生き物の狡さや身勝手さがよく描けている作品。

2012/07/06

隣人の容赦ない手口がなんとも魅力的。
悪党はこうでなくちゃ、と思わせる。

教え子との関係はいらないよなあとか、
犯罪を研究してるわりには迂闊だよなあとか、
ツメが甘いとことか、いろいろあるけれど、
隣人がキバを剥いてきたあたりからは面白くて
どんどんページが進みました。

にしても読点が多すぎない？

2012/06/19

今どきのクールで歯切れのいいホラーなのか？イヤミスなのか？と思わされる入り方。その割には後半は古典的で、松本清張の匂いも、そこはかとなくしてきます。

2012/05/31

第15回日本ミステリー文学新人賞受賞作

杉並区にある住宅街、隣人同士のつきあいがあまりなく孤立している3件の家
そのうちの1件に住む高倉はある時隣人の娘の様子がおかしいことに気がつき、気にしていた
そんな中、昔の同級生である刑事が、
未解決事件についての考えを聞きたいと尋ねてくるのだが・・・

こんな感じで物語は進んでいく
物語からにじみ出る雰囲気はまさにクリーピー(身の毛もよだつような様)で、薄気味悪い

しかし設定や雰囲気は面白いのだけど
文章に句読点や体言止めが多すぎて読みづらい
無駄に区切りすぎていて、流れを止めてしまっているのが残念

実際にあった事件を参考にしたのかなと想像できるネタでした
貴志祐介の作品に雰囲気などがちょっと似てるなと思った
句読点多くて読みづらいとことか（笑）

2012/05/17

最近、読んだ小説の中ではピカイチ☆なゾワゾワ感でした。
気持ち悪い、気味が悪い、恐ろしい、でもストーリーがどうなるのか
先を読まなきゃいられない、という感じ。
隣人（近くにいるけど、あまり知らない人）が怖くなります。

ただ、以下、もろネタバレ中のネタバレですが、
行方不明の人を行方不明のまま養女にってできるの？ととても不思議。
戸籍をいじらなければ（周囲に気づかれないかも）、と思ってみたけれど、
海外に出るにはパスポートが必要だし。
そこだけ、疑問で違和感が残りました。
もしかしたら、私、何か勘違いしているかもしれませんが。

★５か４で迷って、結局４にしました。
でも、十分に面白かったです。

2012/05/05

CREEPY ってストーカーに付け狙われている時に感じるような気持ちだとか。まさしく全編をそんな感じが覆っています。
犯人は誰なのか？どこにいるのか？あの娘は大丈夫か？
そう思いながら物語の世界にどんどん入り込んでいきました。

2012/04/06

第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。雫井脩介の「火の粉」をさらに一ひねり加えた傑作。狂気の隣人に脅かされる様はホラーそのものでありながら、ミステリーとしてもしっかり成立しています。