1,800円以上の注文で送料無料

資本主義が嫌いな人のための経済学 の商品レビュー

3.9

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2018/10/20

右派の謬見と左派の誤信の二部に分かれている。哲学者の著者が経済学の入門書を書いた。読んでいて分かりやすくは思うのだが、翻訳の問題だかもしれないが、論旨についていけない所が出てくる。

Posted byブクログ

2021/08/08

タイトルからすると、左派のための著書だと勘違いしそうだが、そうではない。だいたい経済書というと右派・左派どちらかに偏りがちだが、バランスよく、両者の謬見について、解説している。「税は高すぎる」「価格操作」「同一賃金」等々。解説は抽象的に過ぎず、わかりやすいものが多かった。 ではど...

タイトルからすると、左派のための著書だと勘違いしそうだが、そうではない。だいたい経済書というと右派・左派どちらかに偏りがちだが、バランスよく、両者の謬見について、解説している。「税は高すぎる」「価格操作」「同一賃金」等々。解説は抽象的に過ぎず、わかりやすいものが多かった。 ではどうしたらよいのか、ということについては、「てっとり早い解決法はあるか?ない。」と言い切る。「世界で憎まれ、疑念を持たれている資本主義だが、もっといいものを見つけるのがひどく困難であることは証明されてきた。これまでに得られたのはせいぜい、いくつかの改善点と、ほかにどんな改善ができそうかを考えるための知的ツール一式ぐらいだ。そこにこそ現代経済学の価値がある。」

Posted byブクログ

2017/09/24

第一部は右派の謬見、第二部は左派の謬見と題して、それぞれの立場への誤解や思い込みを指摘する形で、それぞれ6章ずつの計12章で論じる。

Posted byブクログ

2016/11/26

世の中の仕組みを知りたくて経済学に興味を持ち続けているが、金融危機や格差など、解決できていないことは多い。この本にその解決策が書かれているわけではないが、なぜ経済学だけで説明、解決できないかがとてもよくわかる。保守、リバタリアン、革新、リベラルなど、右も左もそれぞれ大きなデメリッ...

世の中の仕組みを知りたくて経済学に興味を持ち続けているが、金融危機や格差など、解決できていないことは多い。この本にその解決策が書かれているわけではないが、なぜ経済学だけで説明、解決できないかがとてもよくわかる。保守、リバタリアン、革新、リベラルなど、右も左もそれぞれ大きなデメリットを抱えているのにそれを無視して主張を押し通そうとすることで、著しい不合理や無駄が発生している。例えば電気料金について、自由主義者は市場に任せることを良しとし、社会主義派は国が統制しようとする。低所得者に負担させることを正義としないからであるが、電気を多く使うのは高所得者であり電気料金が安いことでメリットが大きいのは実は家電製品を多く有し電気代を節約しようとしない富裕層である。この手の類を理解することはとても大事で、正しいやり方を考えることにつながると思う。経済学だけでなく、哲学も大切なのだと感じた。

Posted byブクログ

2016/03/20

本書は哲学者による経済学批評の本である。具体的には、経済学が想定する所与の条件に抜け落ちている点や、しばしば買わされる経済的右派・左派同志の論争における双方の議論の盲点について批評している。筆者の主張は経済学の単なる「揚げ足取り」的な議論なのではなく、同時に重要な視点を提供してい...

本書は哲学者による経済学批評の本である。具体的には、経済学が想定する所与の条件に抜け落ちている点や、しばしば買わされる経済的右派・左派同志の論争における双方の議論の盲点について批評している。筆者の主張は経済学の単なる「揚げ足取り」的な議論なのではなく、同時に重要な視点を提供しているという点で、特に経済学が好きな人は読むべき本だと思った。

Posted byブクログ

2015/07/10

哲学者か経済学を斬る的な。 たとえ話が多いので読みやすい。 結局は、資本主義はベストではないが、資本主義を超える経済システムはないよねー、的な。 求む、21世紀的社会システム。

Posted byブクログ

2015/05/28

左派、右派の何れにしても資本主義について何らかの思想を抱く人々が陥りがちな経済学の誤解を正すために書かれた本。この本を読むと、自分がなんとなく前提にしていた思い込みをあぶり出すことができるので、自分の経済政策の思想立ち位置を知るにも役立つ。

Posted byブクログ

2013/12/07

トロント大学の教授であり哲学者である著者が、右派や左派が陥りやすい謬見についてそれぞれ6テーマずつ扱っている。 「次善の一般理論」について取り上げられている部分が興味深い。アダム・スミスが「神の見えざる手」―完全競争市場は完全な効率性を持つ―と主張したのは有名である。しかし、残...

トロント大学の教授であり哲学者である著者が、右派や左派が陥りやすい謬見についてそれぞれ6テーマずつ扱っている。 「次善の一般理論」について取り上げられている部分が興味深い。アダム・スミスが「神の見えざる手」―完全競争市場は完全な効率性を持つ―と主張したのは有名である。しかし、残念ながら(?)完全競争市場は理論上のものでしかなく、現実世界の競争市場は不完全である。 さて、ここで問題になるのが、現実の競争市場を少しでも完全競争市場に近づけることで、少しでも効率性を高めることが可能なのかである。「次善の一般理論」では、少しでも完全競争市場から乖離している「次善」の競争市場が、大きく完全競争市場から乖離している競争市場と比較して、効率性が高いという根拠は無いと述べている。 物事を一般化、抽象化して考えることで最適解を導けるものもあるが、それがそぐわないものもある。市場の効率性については後者なんだろう。必ずしも一般的なモデルからの乖離が小さい方が良いということにはならないのだ。

Posted byブクログ

2019/05/21

保守派の陥りやすい間違い(市場絶対主義)とリベラル派の陥りやすい間違い(計画経済により政策を実行できると過信すること)の両方を、経済学の視点から批判している。 結論:問題を簡単に解決できるような特効薬は存在しない。

Posted byブクログ

2013/02/09

右派(保守,小さな国家)と左派(革新,高福祉国家)、それぞれが持つ誤謬をイデオロギーに流されることなく、経済の基本原則をベースに解読。TPP,環境問題,社会保障,ワーキングプアなど日本が抱える諸問題に対しても、別の視点を気づかせてくれる1冊。

Posted byブクログ