ヘルプ(下) の商品レビュー
黒人差別の根深さが恐ろしい。 翻訳ものだからか、表現に慣れないままだったが、展開はハラハラさせられて読み応えがあった。 しかしラストにスッキリできず、モヤモヤ。
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黒人の登場人物たちが、少しずつ声をあげ始める。 今はブラック・ライブズ・マター運動が出来るが、当時は違ったかもしれない。黒人たちが自らのことや境遇を話すのに、勇気が必要だったから。
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みんな人間でそれぞれ色んなことがあるんだから、嫌いな相手でもお互い邪魔にはならないでおこうや、て感じだった。 あとがきにあったように、当然のように行われてた差別や家の中だからと見逃されてた酷い行為と同じくらい、家族愛や子どもの大事な思い出も沢山あったのに、どちらも殆ど語られないの...
みんな人間でそれぞれ色んなことがあるんだから、嫌いな相手でもお互い邪魔にはならないでおこうや、て感じだった。 あとがきにあったように、当然のように行われてた差別や家の中だからと見逃されてた酷い行為と同じくらい、家族愛や子どもの大事な思い出も沢山あったのに、どちらも殆ど語られないのは、どの立場で触れるかにもよってどう捉えられるかわからないからなんだろうな。
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舞台はアメリカ南部ミシシッピ州、時はケネディ大統領暗殺をはさんだ1962年から1964年。白人家庭の黒人メイド「ヘルプ」を題材にした長編小説は、著者自身もヘルプのいた家庭で育ったこともあって、ノンフィクションの雰囲気を醸し出している。 大学卒業後故郷に戻った作家志望の白人女性スキ...
舞台はアメリカ南部ミシシッピ州、時はケネディ大統領暗殺をはさんだ1962年から1964年。白人家庭の黒人メイド「ヘルプ」を題材にした長編小説は、著者自身もヘルプのいた家庭で育ったこともあって、ノンフィクションの雰囲気を醸し出している。 大学卒業後故郷に戻った作家志望の白人女性スキーターは、差別が強く残る風土に疑問を覚え、タブーを犯してヘルプの実態について本を書き始める。そのアクションが徐々にヘルプ達との距離を縮めるだけでなく、疑問に思いながらも言いだせなかった白人達の心も少しずつつかんでゆく。勇気をもらえる一冊であるのは間違いないが、この小説のポイントのひとつはエンディングにある。ハッピーエンドと思う人もいるだろうが、そう思わない人もいるはず。エンディングを読者に委ねたことによって、この本の余韻は大きく重くなっている。
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60年代アメリカにあった黒人メイド(ヘルプ)と雇用主の白人女性との心の交流の物語。 根深い人種差別がテーマとなっているが、それ以外にも、女性の自立、育児、過程、友人関係、親子関係、などなど。。。 女性の生き方についてあらゆる面で考えさせられる一作だった。 なかでも印象に残っている...
60年代アメリカにあった黒人メイド(ヘルプ)と雇用主の白人女性との心の交流の物語。 根深い人種差別がテーマとなっているが、それ以外にも、女性の自立、育児、過程、友人関係、親子関係、などなど。。。 女性の生き方についてあらゆる面で考えさせられる一作だった。 なかでも印象に残っているのは、 黒人ヘルプをこき使い、炊事洗濯掃除すべてをやらせて子供の世話やしつけまで任せているくせに、食事もトイレも別、挙句の果てにはヘルプを泥棒扱いまでする。。。そんなひどい扱い方をする一方で、アフリカ難民の支援には積極的にかかわる。この矛盾がまかり通る世界。。。 そして白人家庭の主婦達の了見の狭さ。リーダー格の女性(ヒリー)には刃向えない。みんなが右を向けば左を見たくても右を向く。本音で付き合えない友人関係。考えの外れた人がいれば出る杭は打たれる。 しかし、その杭を打たれて精神状態もどん底まで落ちそうになっても負けずに原稿を書き続けたスキーターには誰もが大きな勇気をもらえたのではないでしょうか。 人種差別的なことは別として、女性同士の人間関係に関しては身に覚えがあることも多かった。 某国の新しい指導者が人種差別的な発言や行動を悪気もなくやるようになった昨今に誰もが読むべき作品だと思う。
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ここもと人種差別を冗長するかのような世間の動きが喧しいが、ヘルプが描く1960年代初頭のアメリカ南部地区の人種差別は全くの別世界だ。これがほんの40~50年前に存在していたという事実が凄まじい。 凄まじい世界観が本作を含めた著作やその他の活動で、ここまで「ようやく」払拭されてきた...
ここもと人種差別を冗長するかのような世間の動きが喧しいが、ヘルプが描く1960年代初頭のアメリカ南部地区の人種差別は全くの別世界だ。これがほんの40~50年前に存在していたという事実が凄まじい。 凄まじい世界観が本作を含めた著作やその他の活動で、ここまで「ようやく」払拭されてきたのだろうか。いや知らないだけで、人種差別そのものはまだまだ残っているような気もする。あるいは改めて注目、深まっているような気もする。 主だった職が家政婦しかないような黒人女性達と、生活環境全般が黒白に分割されている世界、また分離が当然として疑問を抱かず、人間としての尊厳を損なう価値観がはびこる環境、一方で、環境の変化から裕福ではない白人が南部にも増加したり、「よい関係性」も含めて執筆すべきと考え、それが受け入れ始められた時代性、あるいは女性が著作を書いていくことが受け入れられる世界を丁寧にじっくり書き上げている。 最後の部分が、結局どうなったのかかなり気になる。そこは著作としてのテクニックだろうか?
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よかったのかどうなのか、なんとなく切ない終わり方。でも、それがとてもリアル。 とってもいい話でした。 エイビリン、ミニー、スキーター、素敵です(●´∀`●)ノ
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第156回 舞台はアメリカ、ディープサウス。公民権運動が盛り上がりを見せた時代のことです...(2012.9.21) 舞台はアメリカ、ディープサウス。 公民権運動が盛り上がりを見せた時代のことです。 タイトルの「ヘルプ」は、家事や育児をする黒人のメイドのことを指しています...
第156回 舞台はアメリカ、ディープサウス。公民権運動が盛り上がりを見せた時代のことです...(2012.9.21) 舞台はアメリカ、ディープサウス。 公民権運動が盛り上がりを見せた時代のことです。 タイトルの「ヘルプ」は、家事や育児をする黒人のメイドのことを指していますが、違った意味にもとれます。 重いテーマを扱った小説ながら、語りの面白さでどんどん読みすすめられますし、痛快さを感じる場面も。 そして、ハッピーエンドとは言えなくても、希望が感じられる良い終わり方でした。 もちろん映画のDVDも入る予定です。 ぜひ見てくださいね。
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思わず、歩きながら読み進める。 本の中に出てくる「ヘルプ」と 今読んでる「ヘルプ」が 同時に進んでいく感じがたまらない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] <上> 1962年、大学を終えて故郷に戻ったスキーターは、改めて南部の差別的風土に衝撃を受ける。 同級生はほとんど主婦になったが、家事・育児を酷い待遇で雇ったヘルプ=黒人メイドに任せきり。 作家志望のスキーターの頭に探していたテーマが閃いた。 ヘルプを取材し差別問題を浮彫りにするのだ。 しかし、白人と個人的に話すのさえ命がけだった時代ヘルプ達は頑なで…。 全米1130万部のミリオンセラー。 <下> 「ヘルプを取材して本を出したいなんて、このお嬢さんはどうかしてる。 白人トイレを使っただけでリンチされるのに」しかし息子に先立たれた50代のヘルプ、エイビリーンは、親友が酷いやり方で解雇された事を契機に、その白人女性を自宅に招き、内情を語る決心をする。 最初は吐くほど緊張したが、言葉は予想外に豊かに溢れ出し…。 世界を変えた、勇気ある女達の物語。 [ 目次 ] <上> <下> [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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