右岸(上) の商品レビュー
淡く切ない恋愛叙事詩的。溢れる情熱的な心の叫び声が、何とも優しく響く「博多弁」なので愛らしい。 主人公「九」の幼少期から始まり、初恋や両親との複雑な関係や、彼を取り巻く人達との出逢いや別離、無垢な少年の成長がリズミカルに描かれています。 彼の持つ不思議な力...(予知能力や超...
淡く切ない恋愛叙事詩的。溢れる情熱的な心の叫び声が、何とも優しく響く「博多弁」なので愛らしい。 主人公「九」の幼少期から始まり、初恋や両親との複雑な関係や、彼を取り巻く人達との出逢いや別離、無垢な少年の成長がリズミカルに描かれています。 彼の持つ不思議な力...(予知能力や超能力?)や、フランスに舞台を移しての旅情を散りばめたロードムービーを見てると、どうしても、村上春樹の「海辺のカフカ」を思い出してしまいます。 この先どうなるのかは、全くわかりませんが、今のところ、辻仁成ワールドにどっぷり引き込まれいます。 終始、いわゆる「嫌な予感」が付きまとうストーリーなんですが、衝撃的な事態が発生!...したので ∑( ̄[] ̄;)!ホエー! 早速続きに入ります~!
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右岸→左岸。 どっちから読んでもいいけど、どっちも読まないとわけがわからない、かな。 祖父江九の、愚直なほどの純粋さが痛い。 前作と比べると、恋愛要素は少なめ。
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愛と哲学と超能力と。 壮大な愛の物語ってかいてあるけど、私は本はミステリーが好きで、恋愛小説って特に思い入れはない。ただ、「冷静と情熱のあいだ」を凌ぐスケールという帯と、江國香織さんとの共作再びというのに惹かれて手に取りました。 本の良さのひとつって、「読者はすべて丸わかりだ」ということだと思っていて、同じ事象を、複数の視点から見ることができるというのは、とても面白いと思う。 特に、登場人物たちは、お互いの思いや気持ちを打ち明けられなかったり、隠していたりして、伝わらずじまいなこともあるのに対して、そんな隠された感情を、すべて把握できるという優越感、すべてを知っているからこそ感じる切なさやもどかしさ、それらを読者は楽しむことができるんだと思っています。 まだ上巻だけど、愛っていうのは人間の本能なんだと感じざるを得ない。子孫を残す行為と、愛情とが別の次元に成り立つ、特別な存在である人間だからこそ、愛情の本能と生殖本能の両方があるが故に思い悩むんですね。そして、時間があれば人間は思考し、悟る。生きるということは、それ自体で、誰にとっても壮大な愛の物語なんじゃないかと思ってしまったり。 下巻、そして左岸へ。
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左岸→右岸です。順番は正解だったかな☆ 感想は、下巻読んでから。 ただ、やっぱり江國さんの文章が好き。
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左岸(上)の次に読んだ。 右岸は茉莉を愛する不思議な力を持つ祖父江九の物語。 左岸を読んだときには不可解だった九の行動が、右岸ではその理由がよくわかる。 江國香織の方が好きだが右岸の下巻の方が気になる。
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「冷静と情熱の間」以来の辻仁成作品。文庫化してやっと手に入れられた。 色んな意味でかなりハードな内容、かつ博多弁でなかなかすっとは読めなかったが、舞台が日本からインド、中東周辺、フランス/パリと移るうちにすっかり話の中に引き込まれた。下巻、江國香織作の「左岸」を早く読みたい。
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博多弁のせいか、五木寛之の青春の門を思い出した。福岡にそしてパリに住んでいる様な気持ちになった。最近の人の薄っぺらい表現とは違うので、久しぶりに読んで良かったと思える本だった。
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どことなく重い、静かなお話といった印象。あんなに小さい頃から聡明な雰囲気を持っていた主人公、九は大きくなればなるほど色んなものに振り回されてちょっとカッコ悪い。いい意味でも悪い意味でも。人を好きになるのは理屈じゃないなと思わせる内容。下巻が気になるけれど、今度は左岸の上を読み始める。
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