1,800円以上の注文で送料無料

日本の文脈 の商品レビュー

3.8

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/11/02

戦後の民主主義は,アメリカから与えられた受身の民主主義だとはよく言われるけれど,戦争中に死傷した数知れない人たちは,日本の民主主義に払われた代償として考えることも出来るのではないか。という,そういう推論のし方は,レヴィナスの研究者として死者からの責務という考え方をするのかなと思い...

戦後の民主主義は,アメリカから与えられた受身の民主主義だとはよく言われるけれど,戦争中に死傷した数知れない人たちは,日本の民主主義に払われた代償として考えることも出来るのではないか。という,そういう推論のし方は,レヴィナスの研究者として死者からの責務という考え方をするのかなと思い,興味深かった。 第七章の中の「原発に向かって祈る」という段で,福井にある原発の名前となっている“もんじゅ”や“ふげん”は,菩薩の名前だという話になって,原発のような超大なパワーを統御することに抗体のない日本人は,超大な力が人間に牙を剥かないように,無意識に祈りを込めたのかもしれないね,とあった。 「内田樹が小中学校の先生に勧める八冊の本」 ・『共産党宣言』マルクス ・『プロティスタンティズムの倫理と資本主義の精神』マックス・ヴェーバー ・『悲しき熱帯』レヴィ=ストロース ・『シーシュポスの神話』アルベール・カミュ ・『福翁自伝』福沢諭吉 ・『孔子伝』白川静 ・『アメリカのデモクラシー』トクヴィル ・『精神分析入門』フロイト 「頭を丈夫にする」教育のために。

Posted byブクログ

2012/10/25

経済効率を考えなくていいなら、楽だよなと思った。 日本の聖地文化を読んでからこれを読むと、より理解しやすかったかなと思った。 労働パフォーマンス向上‥努力と報酬の法則がわからない時 自然で、自分ではコントロールできない部分・ノイズにタグをつける 新石器時代の精神(アメ...

経済効率を考えなくていいなら、楽だよなと思った。 日本の聖地文化を読んでからこれを読むと、より理解しやすかったかなと思った。 労働パフォーマンス向上‥努力と報酬の法則がわからない時 自然で、自分ではコントロールできない部分・ノイズにタグをつける 新石器時代の精神(アメリカの先住民)と技術文明 ギフト‥与えられたことへの感謝=労働・能力への感謝・自然への感謝 ごきげん 血で築かれた民主主義 武道の真髄は「天下に敵なし」 ‥刀を抜く場面に遭遇しないように、刀を抜く稽古をする。

Posted byブクログ

2012/10/11

本書の発売記念として2012年春に開催された、お二人のトークショーには参加したものの、肝心の本書を読んでいなくて7ヶ月以上経った今になってようやく読了。あの日の感動が甦る。天才的な「男のおばさん」たちのおしゃべりは実に面白い。もちろんライブが最高だが、活字なら時間をかけて味わえ、...

本書の発売記念として2012年春に開催された、お二人のトークショーには参加したものの、肝心の本書を読んでいなくて7ヶ月以上経った今になってようやく読了。あの日の感動が甦る。天才的な「男のおばさん」たちのおしゃべりは実に面白い。もちろんライブが最高だが、活字なら時間をかけて味わえ、楽しみが持続するからこちらもまた最高。

Posted byブクログ

2012/10/04

 内田樹と中沢伸一の対談本。この二人がこんなにも意気投合するのはやや意外でもある。だが、話題は様々な方向に飛び、大変に面白かった。結局、「贈与」という概念がこれからは大事だと思った。

Posted byブクログ

2012/09/19

内田樹氏と中沢新一氏の3.11をまたいでの対談集です。3.11以前は「日本の王道」の予定であったタイトル名が3.11以後「日本の文脈」と変わったそうです。章を経るごとに視点が日本のローカルな部分から徐々に広がっていきます。 2人はこれからの日本を考える上でのキーワードとして「贈...

内田樹氏と中沢新一氏の3.11をまたいでの対談集です。3.11以前は「日本の王道」の予定であったタイトル名が3.11以後「日本の文脈」と変わったそうです。章を経るごとに視点が日本のローカルな部分から徐々に広がっていきます。 2人はこれからの日本を考える上でのキーワードとして「贈与」をあげます。成熟した民主主義においては,等価交換の倫理が機能しなくなり,圧倒的な非対称性(経済的な不平等)が生じ,その非対称性は一方的な暴力(社会的,経済的な圧力)へと発展する,そういった意味で今後民主主義を機能させていく上では,社会的,経済的に優位に立つ者の贈与性(自分の利益とは関係なく行動できるか)への理解が必要と説いています。 2人は共に1950年生まれの,いわゆる団塊の世代です。30代の僕とは同じものを見たり聞いたりしてもその感じ方は少し違うのでしょう。最終章「世界は神話的に構成されている」において,危機管理や怒りの制御についての視点はやはり少し違和感を感じました。

Posted byブクログ

2012/09/12

http://staygold1979.blog.fc2.com/blog-entry-319.html

Posted byブクログ

2012/09/09

テレビ東京のスミスの本棚で、小林武士さんがすすめた本。ななめ読みしました。わたしの知識では、全ページを楽しめませんでしたので(^^;; 実は一番楽しめたのは、目次。 これまでに見たことのない、濃い文字が並んでました。これらの言葉を見て、自分の知識で内容が想像できるか。そして、そ...

テレビ東京のスミスの本棚で、小林武士さんがすすめた本。ななめ読みしました。わたしの知識では、全ページを楽しめませんでしたので(^^;; 実は一番楽しめたのは、目次。 これまでに見たことのない、濃い文字が並んでました。これらの言葉を見て、自分の知識で内容が想像できるか。そして、その想像と、記述された内容はどれ程異なるか。そんな読み方しました。

Posted byブクログ

2012/08/14

 内田先生と中沢先生の対談本。  内田本をいくつか読んだ人にはお馴染みであろうテーマ(贈与、労働、神話)が随所に散りばめられている。  人は歴史を進行させる上でどうしようもなく「物語」を必要としているのであり、グローバル資本主義のような、機械的で非人間的な方法を採用しているとい...

 内田先生と中沢先生の対談本。  内田本をいくつか読んだ人にはお馴染みであろうテーマ(贈与、労働、神話)が随所に散りばめられている。  人は歴史を進行させる上でどうしようもなく「物語」を必要としているのであり、グローバル資本主義のような、機械的で非人間的な方法を採用しているといつかがガタが来る、といういつもの警句が並んでいる。  最終章ではそのいつもの警句が311以降の日本社会とどのように対応しているか、また、これ以後どのように人は振舞えば良いか呈示されている。  

Posted byブクログ

2012/08/07

著名な思想家二人による複数回の対談をまとめた一冊 思想家ってどんなこと考えてるの?って感じで読んでみたが、なかなかに博識で勉強になることばかり 日本の歴史、文化、能、武道、経済、仏教などなどについて、お互いの知識と見解を掛け合っていく 特筆すべきはお互いの意見を基本的に否定...

著名な思想家二人による複数回の対談をまとめた一冊 思想家ってどんなこと考えてるの?って感じで読んでみたが、なかなかに博識で勉強になることばかり 日本の歴史、文化、能、武道、経済、仏教などなどについて、お互いの知識と見解を掛け合っていく 特筆すべきはお互いの意見を基本的に否定するような物言いをしないこと この特徴は著書の中で「おばさんっぽい」という表現として繰り返し出てくる 著者の主張の柱はユダヤ教に代表される一神教的な考え方が今の日本には必要であるというものだが、正直自分にはよく分からなかった…まだ勉強不足ということか 少し時間を置いて読み直したい

Posted byブクログ

2012/08/03

日本特殊論といった感じだが、それを賛美するでも卑下するでもなく「良いことも悪いこともあるけどなんだかんだでここまでやってこれたんだしこれからもやっていけるよ」といった態度で、肩の力を抜いて気楽に読んでいける本。 アングロサクソン型グローバル資本主義といった思想と日本的な思想のど...

日本特殊論といった感じだが、それを賛美するでも卑下するでもなく「良いことも悪いこともあるけどなんだかんだでここまでやってこれたんだしこれからもやっていけるよ」といった態度で、肩の力を抜いて気楽に読んでいける本。 アングロサクソン型グローバル資本主義といった思想と日本的な思想のどちらが人類的には普遍性をもっているのかという作者の問いかけ(作者は後者だとしている)を考えさせる本

Posted byブクログ