道化師の蝶 の商品レビュー
本を読んでいて頭に入ってこないっていうのを初めて体験した。気持ちと時間に余裕がたっぷりとある時に読み解いていくのが良さそう。今はその時ではなさそう。
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話としては読んでいけるのだが一体何を読まされているのかよくわからない、そんな感じ。 松ノ枝の記はまだ少し理解できてる気がする。 自分の読書力不足であろうか。 伊藤計劃氏の本で度々名前を見ていた円城塔氏の本はどんなのだろうと手に取ったのだが他の本もこんなのかしら? それとも...
話としては読んでいけるのだが一体何を読まされているのかよくわからない、そんな感じ。 松ノ枝の記はまだ少し理解できてる気がする。 自分の読書力不足であろうか。 伊藤計劃氏の本で度々名前を見ていた円城塔氏の本はどんなのだろうと手に取ったのだが他の本もこんなのかしら? それとも最初に取る本を間違えたのかしらん? またいつか別の本も読んでみよう
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
⚫︎受け取ったメッセージ 小説世界と現実世界、現在と未来、生と死 あらゆるものが入り混じる小説世界。 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 第146回芥川賞受賞作! 無活用ラテン語で記された小説『猫の下で読むに限る』。 希代の多言語作家「友幸友幸」と、資産家A・A・エイブラムスの、 言語をめぐって連環してゆく物語。 SF、前衛、ユーモア、諧謔…すべての要素を持ちつつ、常に新しい文章の可能性を追いかけ続ける著者の新たな地平。 ⚫︎感想 現実と虚構が入り混じるだけでも読み進めるのが難しいのに、その上時間設定も循環していて溶け合っているため、論理的に読ませてもらえない。でもわからなすぎて読んでしまう。一つ一つの細かな設定やエピソードは着想が面白くて惹かれた。 石原慎太郎氏は「こうした言葉の綾とりみたいなできの悪いゲームに付き合わされる読者は気の毒というよりない。」と積極的に芥川賞授与に反対し、酷評であったが、「綾とり」という言葉は、比喩的にこの小説をよく表していると思った。 1、立体的であるところ 2、いつ橋渡しをした糸(エピソード)が完成のために繋がっていくのかわからない 3、かかっている糸を部分的に見てみれば、静止しているが生きている糸、活発に動いている糸もあり、また違う糸が動き出すところ 「着想を網で捕まえる」という設定がおもしろく、また 着想ってどこからくるんだろうか?と考えてみたら、着想って頭の中で生まれるから、現実、虚構、過去、現在、未来、矛盾、なんでもありの世界だよなぁ…と。この物語自体が「着想」そのものだと思えた。 結局、この本を興味深く読んで、 抽象的なことしか考えられないので、 わからないけど最後まで読むに限る!
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3行位で寝てしまう上質な睡眠導入本wであると同時にもっと理解したいと思える、あともう少しわかればスッキリに手が届くのに(もう少しどころかなんですがね)、、となりまして読み終わった後に直ぐ再読しました。同時収載の松ノ枝の記も、こっちもどうしてどうして。読み終わった後直ぐ再読。初読で...
3行位で寝てしまう上質な睡眠導入本wであると同時にもっと理解したいと思える、あともう少しわかればスッキリに手が届くのに(もう少しどころかなんですがね)、、となりまして読み終わった後に直ぐ再読しました。同時収載の松ノ枝の記も、こっちもどうしてどうして。読み終わった後直ぐ再読。初読ではわからない感じがもっかい読めば分かるかも?っという分かりたい欲求が強い本なんだよね。 どっちの作品も勝手な想像なんだけど、著者が常日頃思う妄想や観念的なものがが刷り込まれている感覚を持ちましたが違うのかなぁ。読み手を翻弄させる手練れというのか。蝶を二度読んで慣れたところで、松を読んだので後半の方がより早めに私の中に入ってきたけど。 作中にでてくる「わたし」が章によってころころ変わる。そして2D的に時間が行ったり来たりのこれはバック・トゥ・ザ・フューチャーか。多分作者は読者を翻弄して喜んでいるハズw 蝶というモチーフは美しく、また捕らえるための小さな網が銀糸で織られてるとかいい。しかもその網で捕まえるのは発想という蝶なのよね。蝶の方は二度読んでも「わたし」が誰なのかわからない章があり、色々調べてみると、大森望氏の攻略ガイド(ググってみてください)がめちゃくちゃ良かった。ちょっとわかんないという皆さんも是非。 私が著者の本で初めて読んだのは、奥さんとの往復書簡「読書で離婚を考えた」なんですが、円城さんのこと知りたくなった方はこちらも是非読んでみてください。私は先に読んだのが「読書」だったので、この蝶や松はなるほどねぇ、こうくるんだねぇと楽しめました。同窓なので以前からこの本は気になってたのですが、作風も妙に納得感あったりして、やっと読めて良かった。
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図書館でつらつらつれづれに立ち読みしていたら、「飛行機のなかでしか読めない本」云々が登場し、自分にはその頃、飛行機で北海道に向かう用事があったので、試しに実際に機内で読んでみようと思い立ち、借りたものである。 誰が誰やら、いつも通り「訳がわからない」ゆえの快楽を一身に浴びた数時間...
図書館でつらつらつれづれに立ち読みしていたら、「飛行機のなかでしか読めない本」云々が登場し、自分にはその頃、飛行機で北海道に向かう用事があったので、試しに実際に機内で読んでみようと思い立ち、借りたものである。 誰が誰やら、いつも通り「訳がわからない」ゆえの快楽を一身に浴びた数時間。
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円城塔作品を読む際の狐にぶん殴られてる感じは本当楽しいな ただ出てくる名詞のどこまでが架空でどこまでが本当に存在するものなのか逐一気になっちゃうのは我ながら損な性質だけども
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
書き手が主人公の二編。 凡人には見えない世界に生きているのかと思わせる、得体の知れない書き手たち。そしてこの文章を作り出している著者。思考と言葉の中に埋れそう。 著者の目にはこんな風に見えているのかと、未知の感覚に触れて頭の中が高速で動き出す。
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はじめは、「なんだこれ?」が頭に浮かび続けるけど、読み進める内に段々と構造がはっきりと浮かび上がってくるような感じの2作。難解で何を言っているか分からず、ほとんど詩とも取れるような描写も、全てを読み終えた後に返ってくると意味というか、意図がなんとなく分かってくる。 2作目『松の枝...
はじめは、「なんだこれ?」が頭に浮かび続けるけど、読み進める内に段々と構造がはっきりと浮かび上がってくるような感じの2作。難解で何を言っているか分からず、ほとんど詩とも取れるような描写も、全てを読み終えた後に返ってくると意味というか、意図がなんとなく分かってくる。 2作目『松の枝の記』の方が話の構造分かりやすくて、個人的な好みもこっちだった。これを読んだ後に『道化師の蝶』に戻るとまた見え方が違ってきて面白い。いずれの作品も何度も読み返したくなる。
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表題作ではなく、この本に収録されているもう一つの話「松の枝の記」のほうが好きだった。面白いし読了感良し。どちらの作品にも言えることとしては、「言葉」や「書く行為」に対するフェチシズム的な執着が、なんか、新しくて刺激的。
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Ⅰ 友幸友幸が書いた小説 Ⅱ 友幸友幸が書いた小説を訳した人物の語り Ⅲ 友幸友幸の語り Ⅳ Ⅱの語り手の語り Ⅴ 友幸友幸の語り の構造だと思います。ⅠはⅡに含まれる入れ子構造です。Ⅰではエイブラムスが男性で描かれますが、Ⅱでこの人物は女性であることが分かり、さらにⅢで実際に女...
Ⅰ 友幸友幸が書いた小説 Ⅱ 友幸友幸が書いた小説を訳した人物の語り Ⅲ 友幸友幸の語り Ⅳ Ⅱの語り手の語り Ⅴ 友幸友幸の語り の構造だと思います。ⅠはⅡに含まれる入れ子構造です。Ⅰではエイブラムスが男性で描かれますが、Ⅱでこの人物は女性であることが分かり、さらにⅢで実際に女性として登場します。友幸友幸はⅡで男性と推理されていましたが、Ⅴで、女性であることが分かります。ⅣとⅤの行間で、語り手が入れ替わっています。Ⅳの係員の女性がⅤの語り手になります。僕は、この人物が友幸友幸だと思います。Ⅴの後半は、シュルレアリスムで描かれますが、これは、Ⅳの語り手のレポートを友幸友幸が読んだことが原因です(ⅣはⅤに含まれる入れ子構造?)。Ⅰ~Ⅴを繋げて物語にしたのは誰なのか? は分かりませんでした。Ⅴの最後で、物語が「円環もの」(この物語では、Ⅴの最後からⅠの冒頭に筋が戻っていきます)だと分かります。
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