小商いのすすめ の商品レビュー
今の時代を表現する、重要な一冊。 「拡大しつづける経済」は存在せず、「縮小均衡」というあらたなステージに、どう対峙するかが大事である、というここまでの流れには、とても納得。 なのに、この本はどこか、しっくりこない。 「小商いの時代」とは言うけれど、じゃあこれからの時代の小商いって...
今の時代を表現する、重要な一冊。 「拡大しつづける経済」は存在せず、「縮小均衡」というあらたなステージに、どう対峙するかが大事である、というここまでの流れには、とても納得。 なのに、この本はどこか、しっくりこない。 「小商いの時代」とは言うけれど、じゃあこれからの時代の小商いって どういうものなのか、が見えてこない。どうしても、この本からは「昭和30年代の、幸せだったあの時代に戻りたい感」を感じてしまう。 これからの時代におけるヒューマンスケールの持ち方って、昭和30年代とは全然違うモノになるはず。そこらへんが見えると、もっとリアリティ持てたのに。惜しい。
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いままで当たり前としていた経済拡大による成長から、身の丈にあった「均衡」をめざした経済への転換を提唱している。 はっとさせるようなフレーズは随所にあるものの、昔はよかった的な懐古思想や原発への反対意見など、著者の感情に任せて勢いだけで書いたのかなと思わせる部分も多いのと、論点があ...
いままで当たり前としていた経済拡大による成長から、身の丈にあった「均衡」をめざした経済への転換を提唱している。 はっとさせるようなフレーズは随所にあるものの、昔はよかった的な懐古思想や原発への反対意見など、著者の感情に任せて勢いだけで書いたのかなと思わせる部分も多いのと、論点があちこちに飛ぶことが多く回りくどく感じた。 内容は悪くないけど本の題名とは若干ずれている感覚を受ける。 大いに期待して読んだだけにがっかり度も大きかった。
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「何がなんでも経済成長」という姿勢を改め、身の丈に合った暮らしをしようというのが趣旨。震災以降重大な方向転換を求められている今の日本にとって、この主張は看過できないものだと思う。成長にとっての貧しさ・野生の重要性を説く部分は、スティーブ・ジョブズの有名な言葉「Stay hungr...
「何がなんでも経済成長」という姿勢を改め、身の丈に合った暮らしをしようというのが趣旨。震災以降重大な方向転換を求められている今の日本にとって、この主張は看過できないものだと思う。成長にとっての貧しさ・野生の重要性を説く部分は、スティーブ・ジョブズの有名な言葉「Stay hungry , Stay foolish」と通じるものを感じた。 気になるのは、譲歩し過ぎて趣旨がズレていってしまう傾向がある点。また、譲歩を隠れ蓑に幾分極端な議論を進めているように思える。
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※このレビューにはネタバレを含みます
本書はタイトルから想起される、 「小商い」という小さなビジネスモデルでの起業を促す本ではない。 もっと大きな、2011年3月11日以降の日本を生きるために、 大切な思想のひとつを考え抜いた本であるといえる。 人間が永遠に成長を続けることができないように、 経済も永遠に拡大し続けることはない。 世界中のフロンティアも、そろそろ開拓し尽くしてしまった。 先進国は縮小する人口と経済の均衡を保ちながら、 緩やかに降りてゆくことを認めなくてはならない。 儲け話を追いかけて、世界中をうろつき回る グローバル企業の思想を、けっして一般化してはならない。 「いま・ここ」に生きる市井の人間たちが 貧しいながらも明るく生き抜く「野性」の力が 今こそ必要なのだ。 助け合いながら、身の丈、ヒューマンスケールで生きる。 その大切さを真摯に訴えている。
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経済成長とはこの先もずっと続けるような目標じゃない。まだ貧しくて国全体が豊かさを目指した時、その限定的な時期だけに有効だった目標だ。 不当なる儲け主義を廃し、いたずらに規模の大を追わず、むしろ小なるを望み…という井深大の言葉。共に働く人たちの技術の追求と社会的使命のためにつくった...
経済成長とはこの先もずっと続けるような目標じゃない。まだ貧しくて国全体が豊かさを目指した時、その限定的な時期だけに有効だった目標だ。 不当なる儲け主義を廃し、いたずらに規模の大を追わず、むしろ小なるを望み…という井深大の言葉。共に働く人たちの技術の追求と社会的使命のためにつくった会社は、もう当初の志を忘れたように違う方向へ。 ぼくらはかつてのように小商いを志向して、縮小均衡なんてできるだろうか。 成長してしまった日本の社会は、嘘と虚飾と企みに満ちている。そこに染まった自分は、豊かさを捨てて野生を取り戻すようには生きられない。 でもせめて、意味のあることを少しでも多くしたい。
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「人間とは自分が意思することとは、必ず違うことを実現してしまうような生きもの。」 とか、 「成長か衰退か、ではなく均衡」 「小商いの考え方」 といった部分は 極めてポジティブに理解できたし、 共感できた。 個人的には 「三丁目の夕日」の世界を懐かしむ部分が ピンと来ないので、...
「人間とは自分が意思することとは、必ず違うことを実現してしまうような生きもの。」 とか、 「成長か衰退か、ではなく均衡」 「小商いの考え方」 といった部分は 極めてポジティブに理解できたし、 共感できた。 個人的には 「三丁目の夕日」の世界を懐かしむ部分が ピンと来ないので、 モノの考え方としては なんとなくの理解になりますな。
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2012.2.13 購入した本 ヒューマンスケール、身の丈にあったことをってずっと思ってはいました。今本当に転換の時期に来てますね。生きることの価値観を完全に変える必要がありますね。給料は上がらない、企業は売上が落ちる、でも食って行ける。そんでもって少しは楽しいみたいな。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「……本書の中で繰り返し述べているヒューマン・スケールとは、まさに人間がどこまでいっても自然性という限界を超え出ることはできない存在であり、その限界には意味があるのだということから導き出した言葉です。 小商いという言葉は、そのヒューマン・スケールという言葉の日本語訳なのです」(227)
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ヒューマンスケール、自分の問題として引き受けること、共同体、「雪かき仕事」の大切さを説く本。 昭和30年代への郷愁が筆者のベースになっており、その時代を知らない世代にはそこがあまりに感傷的にすぎるように映ると思う。しかし、グローバリゼーションの殺伐さに疲れた20ー30代で、その思...
ヒューマンスケール、自分の問題として引き受けること、共同体、「雪かき仕事」の大切さを説く本。 昭和30年代への郷愁が筆者のベースになっており、その時代を知らない世代にはそこがあまりに感傷的にすぎるように映ると思う。しかし、グローバリゼーションの殺伐さに疲れた20ー30代で、その思想の暖かみに共感する人はきっと多いだろうな。 自分の問題として、直接自分に責任のないことを引き受ける。そういうことって本当に大事。そういう働き方をしている人は常に憧れだった。自分もそんなおとなでありたいです。
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何度でも読み返したい一冊。 特に、第5章にこの本のエッセンスが凝縮されている。 私も背広とネクタイを着るときには、「中折れ帽子」を春、秋、冬に、そして、「夏は草の帽子(パナマ)」をかぶって大人になろうと思う。
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