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官邸から見た原発事故の真実 の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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2012/03/19

原子力推進派の著書が、今のままでの原子力利用に警笛を鳴らす。 国民誰もが感じている、福島原発事故の徹底的原因追求がないままの 原発再稼働の危うさ。 技術的な見地からは当然だが、政治的、構造的、原子力産業、 エネルギー政策の抜本的に改革なくして、同じ事の繰り返しになってしまって、...

原子力推進派の著書が、今のままでの原子力利用に警笛を鳴らす。 国民誰もが感じている、福島原発事故の徹底的原因追求がないままの 原発再稼働の危うさ。 技術的な見地からは当然だが、政治的、構造的、原子力産業、 エネルギー政策の抜本的に改革なくして、同じ事の繰り返しになってしまって、 福島原発事故を教訓に活かすこともできないこと。 日本人全員が、目の前の問題にとらわれるのではなく、 子孫たちのことを考えた、日本のあり方を考えていかなければいけない。

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2012/03/14

根拠のない楽観的空気が最大のリスクである。 原子力の問題を語る際、安全、安心が重要であるとされるが、原子力の問題で最も大切なものは、【信頼】である。 福島原発事故が起きた後で、政府は今後のエネルギー政策を慎重に考えなければならない。 【いかなる状況にも備える】 4つの挑戦 ①...

根拠のない楽観的空気が最大のリスクである。 原子力の問題を語る際、安全、安心が重要であるとされるが、原子力の問題で最も大切なものは、【信頼】である。 福島原発事故が起きた後で、政府は今後のエネルギー政策を慎重に考えなければならない。 【いかなる状況にも備える】 4つの挑戦 ①原子力エネルギーの安全性への挑戦 ②自然エネルギーの基幹性への挑戦 ③化石エネルギーの環境性への挑戦 ④省エネルギーの可能性への挑戦

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2012/02/16

僕のバイブルである「仕事の報酬とは何か」の著者で、 原子力工学を学び、現在はシンクタンク代表を務める田坂広志さん。 原子力、危機管理の専門家として内閣官房参与となった田坂さんが居なければ管政権は何もできなかったであろうことがよく分かる。 ただ、田坂さんのような専門家を招聘できる...

僕のバイブルである「仕事の報酬とは何か」の著者で、 原子力工学を学び、現在はシンクタンク代表を務める田坂広志さん。 原子力、危機管理の専門家として内閣官房参与となった田坂さんが居なければ管政権は何もできなかったであろうことがよく分かる。 ただ、田坂さんのような専門家を招聘できるのも一つの力ではあるが。。。 福島第一原発で起こったこと、それを受けて官邸が下した判断、 そしてこれから人類が背負う宿命を分かりやすく学びました。 脱原発or原発推進という二択ではなく、現実と向き合って、 未来を切り開かなければならない。 冷静に現状認識できる良書です。

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2012/01/29

官邸から見た原発事故の真実と書いてあるが、内容は原発事故を受けて筆者が考える原子力の問題点について。 別の官邸に居たからといって筆者しか知りえないような特別な事は書いていません。 原子力事故を受けて今後の原子力に求められるのことは「信頼」であると述べる。この考え方には賛成するが、...

官邸から見た原発事故の真実と書いてあるが、内容は原発事故を受けて筆者が考える原子力の問題点について。 別の官邸に居たからといって筆者しか知りえないような特別な事は書いていません。 原子力事故を受けて今後の原子力に求められるのことは「信頼」であると述べる。この考え方には賛成するが、筆者の解決策は原子力行政の徹底的な改革と工程表の作成であるという。前者の行政の徹底的なあり方については原子力安全庁に期待したいと述べているが、具体的な現況は全くない。問題は、「信頼」を得るためにはどのようなアクションが必要になるのかではないだろうか。原子力行政の徹底的な改革の一言で済ますような簡単な問題ではない。しかも、このような問題意識は過去数十年ずっと電気事業者は持っているのだ。今回の事故を受けて認識したわけではない。 また、筆者は原子力の安全について、高レベル放射性廃棄物が最終的に問題となると述べている点はよくわからない。 これも過去ずっといわれてきていることである。そしてこれは安全、不安全にかかわらず発電を行なっていると必然的に発生するものであるので、今回の原発事故を受けてどうのこうのという問題ではないように感じる。 また、原子力コストについて社会的コストを含めて計算するべきであるとというよくわからないコストを持ちだしてくるし。 だったら、火力発電所にも「二酸化炭素で世界中の人が迷惑しているでしょう税」という社会的コストを含めて計算してもらいたいものです。。。 最後にこれだけは納得できないと思った記述は、今回の事故は首都圏三千万人が緊急避難しなくてはならない可能性があり、それを回避できたのは「運が良かった」(p.252)と記載されているところである。 あなたは、原子力の専門家でしょう。 当時、原子力発電所にいた人たちは昼夜を問わず死ぬかもしれないという覚悟のもとで危険な場所に行って、復旧活動をやっていたのですよ。 首都圏三千万人が避難するような事象にならなかったのは、運が良かったわけでは決して無い。 彼ら、彼女らが献身的に仕事をした結果、最悪の最悪は防げたわけでしょう? 筆者は、官邸にずっといて現場の大変さも伝わってきたでしょう? 筆者が、彼ら、彼女らの努力を讃えずして誰が讃えることができるのか。 もう少し、現場の苦労もわかってほしいと思うのです。筆者のように当時、そこにいた人たちにしか伝えることができないのだから。

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2012/01/19

原子力の専門家であり、このたびの原発事故の対応では内閣官房参与として官邸の中枢にいた、田坂広志氏による最新刊。 田坂氏いわく、今回の事故は「首都圏3000万人の避難」という最悪の可能性さえもあったという。さらに田坂氏は、今回の原発事故は「パンドラの箱」を開けてしまったという。 反...

原子力の専門家であり、このたびの原発事故の対応では内閣官房参与として官邸の中枢にいた、田坂広志氏による最新刊。 田坂氏いわく、今回の事故は「首都圏3000万人の避難」という最悪の可能性さえもあったという。さらに田坂氏は、今回の原発事故は「パンドラの箱」を開けてしまったという。 反原発派、脱原発派、原発(なぜか相変わらず)推進派、原発(利権があって)推進派・・・等、いずれの方にもお読みいただきたい著です。

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2012/01/16

  田坂さんは内閣官房参与として、福島原発対応について、菅総理を支えた人。  田坂さんが、原子力工学の専門とか、放射線医療の勉強もしたひとということは知らなかった。  書かれている事柄は、一つ一つ説得力がある。  しかし、かかれなかった大事な点がある。 (1)官邸や各省庁...

  田坂さんは内閣官房参与として、福島原発対応について、菅総理を支えた人。  田坂さんが、原子力工学の専門とか、放射線医療の勉強もしたひとということは知らなかった。  書かれている事柄は、一つ一つ説得力がある。  しかし、かかれなかった大事な点がある。 (1)官邸や各省庁は法律によって定められた手続に従って、行政権を行使すること。特に、国民の利害に関わることは、法律による行政が必要なこと。  この点からいって、田坂さんは何も触れていないが、浜岡原発を止めさせたり、玄界原発の再稼働をとめさせたのは、総理、経済産業大臣に定められた法律の枠を越えているのではないか。 (2)田坂さんは、参加民主主義の大事さを説いており、それ自体は自分も賛成するが、その前に支障なく動いている原発をとめたり、新しいストレステストなる概念の基準を導入するのであれば、原子炉等規制法の改正案を国会に提出すべきではないか。  時間がないから、法律上の根拠もなく、事実上の強制力をもって、原発を止めた結果、国民は電力料金の負担を受けることになる。  このようなことを、官邸の中の少数の人の判断でやってはいけない。これは、戦前の勅令より悪い。 (3)もちろん、官邸は、設置法に根拠をもつ行政指導と言い訳するのだろうが、それであれば、各大臣の仕事で総理がでる幕はないし、仮に行政指導といいはっても電力料金が値上げされたら、それも利用者の同意がなければ支払わなくて善い行政指導値上げというのか?  緊急時にこそ、きちんと国会つまり国民の負託を受けた国会の定めた枠内で行政は行動すべきだし、それが不可能な場合の規定が必要であれば、ドイツのように憲法の緊急事態規定をおくことを議論すべき。  法律を無視しておいて、参加民主主義を唱える資格はない。

Posted byブクログ