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幻影の星 の商品レビュー

3.2

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2022/10/29

面白かった。特に「スケーリング」の話は子供の頃からぼんやり抱いていた考えに明快な裏付けを与えてくれた。体の大きさが異なれば時間速度も異なる。犬や猫の短命を嘆くことはヒト時間で彼らの一生を計る愚を犯している。彼らもヒトと同じくちゃんと15億回の拍動を打ち、30億ジュールのエネルギー...

面白かった。特に「スケーリング」の話は子供の頃からぼんやり抱いていた考えに明快な裏付けを与えてくれた。体の大きさが異なれば時間速度も異なる。犬や猫の短命を嘆くことはヒト時間で彼らの一生を計る愚を犯している。彼らもヒトと同じくちゃんと15億回の拍動を打ち、30億ジュールのエネルギーを使い切って死ぬのである。彼らの目に映る人間の人生はスローモーションなのだ

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2018/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりの白石一文先生作品でしたが、ちょっと分かり難かったですかね。いつもながら男女の繋がりや関係性で割とリアルでキツイ描写をフワッとした柔らかさを持った文体で紡いでいく白石節は健在なんですが、なにが言いたいことが伝わって来ませんでしたね。う~ん、この物語が良く分からないまま終わってしまった感が強くて不完全燃焼しています(笑)

Posted byブクログ

2017/01/04

未来の出来事の写真が保存されたメモリーチップや携帯電話を、そうとは知らずに受け取った男女のストーリーと要約してしまうと、そこから漏れるものが多過ぎる。この未来から来たチップや携帯という部分以外は極めてリアルな現代の社会や世相を描いた小説と言え、東日本大震災による大量の死や放射能の...

未来の出来事の写真が保存されたメモリーチップや携帯電話を、そうとは知らずに受け取った男女のストーリーと要約してしまうと、そこから漏れるものが多過ぎる。この未来から来たチップや携帯という部分以外は極めてリアルな現代の社会や世相を描いた小説と言え、東日本大震災による大量の死や放射能のリスクといったものを強く意識して書かれている。特に、人が外界を認知する方法とか、人にとっての死の意味といった点については、現象学的な観点を含めた哲学的切り口から掘り下げられている。 しかし、本書は難解な小説ではない。むしろ、さわやかで、真っ直ぐに一生懸命生きる人に対するエールのようなものを感じる。もっとも、一言で説明できるほど単純なものではなく、だからこそ味わい深いのかもしれない。不思議な読後感に浸っている。

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2016/10/30

よかった。 イリュージョン。 ありえない話は基本好きじゃないんだけど、これはありそうな?気がしたし、あってもいいような気がしたからかなぁ。 この人の書く男女は影があるというか、日陰の人が多い気がするけど、確かな愛情を感じるし、納得できる流れ。 たぶん自分にはあってた本。

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2016/05/18

また奇天烈現象シリーズでした。 そして主人公がもやもや考えるところが、よくわかんないけどいいのかもしれない。 変な恋人堀江さんはなんなのか?確かにイリュージョン。 途中唐突なルルドの話が何故か良かったけど、最後がまたいい。こういうことある。 写真の意味に気づいて、るり子が現れるあ...

また奇天烈現象シリーズでした。 そして主人公がもやもや考えるところが、よくわかんないけどいいのかもしれない。 変な恋人堀江さんはなんなのか?確かにイリュージョン。 途中唐突なルルドの話が何故か良かったけど、最後がまたいい。こういうことある。 写真の意味に気づいて、るり子が現れるあたりから面白くなった。前半はもやもやとした幻影。後半は幻影がストーリーになって楽しめた。

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2016/05/15

55頁より 故郷は、人だけでできてる わけじゃない 海や山や川、風や空気 木や草や花だって立派な故郷

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2016/02/28

初めて読んだ作家さん。 ある日、自分が購入したコートとまったく同じものが母親のもとに届けられた。 けれどアパートのクローゼットに、コートはある。 送って貰ったコートのポケットから見つけたメモリにあったのは、自分が持っているデータとまったく同じ。 ただ、最後のデータだけが違った。 ...

初めて読んだ作家さん。 ある日、自分が購入したコートとまったく同じものが母親のもとに届けられた。 けれどアパートのクローゼットに、コートはある。 送って貰ったコートのポケットから見つけたメモリにあったのは、自分が持っているデータとまったく同じ。 ただ、最後のデータだけが違った。 顧客から届いたのは彼女の携帯。拾ったという。 携帯に納められたデータは自分のものとまったく同じ。 ただ、最後の画像は見知らぬ男のものだった。 ちょっと観念的な作品だ。

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2015/12/21

帰省してもいないのに母から電話で「こっちに戻ってきてたの?」と聞かれたら??? だったろうな。 さらに、ネーム入りレインコートを置き忘れている。 え、自宅に同じレインコートがあるのに!!! ポケットに入っていたSDカードから、何か掴めそうなんだけど……。 そんな夢みたいなことがあ...

帰省してもいないのに母から電話で「こっちに戻ってきてたの?」と聞かれたら??? だったろうな。 さらに、ネーム入りレインコートを置き忘れている。 え、自宅に同じレインコートがあるのに!!! ポケットに入っていたSDカードから、何か掴めそうなんだけど……。 そんな夢みたいなことがあったらドキドキしちゃいそう。

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2015/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ちょっとよく分からない本だった・・。 数年後、またチャレンジしてみたい。 共感した部分メモ。 P145「大震災と共に何もかもが流動化してしまったのかもしれない。福島の原発はいまだに放射能を放出し続けているし、日本列島のいたるところで地震が頻発し火山活動が活発化している。これで人心が安定するわけも無く、案の定この国の政治や経済もふらふらしっぱなしである。」 P148「確かに現在の福島第一原発の状況を見れば、赤ん坊や小さい子供たちを関東圏で育てるというのはなかなか厳しい判断だ。」 P155「女性が見る生命と、男性が見る生命とは似て非なるものだ」 P203「(低線量の放射線)どちらにしろ、そのような理不尽なリスクを僕たちが進んで背負う必要があるとは思えない。」

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2014/02/18

時間と生死(生命)に対する固定観念を揺さぶる一冊。日常と思索の往来、堪能しました。白石さんの作品を読むと、誰かと語り合いたくなります。

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